Last-modified: 2021-10-06 (水) 09:47:49 (14d)

【MiG-15】(みぐじゅうご)

旧ソビエトのミコヤン設計局が開発した、ソ連初の実用ジェット戦闘機
NATOコードFagot(ファゴット)/Midget(ミジェット)(練習機型).

1947年には初飛行に成功し優れた性能を示したため、すぐに大量生産が開始された。
主翼後退翼を採用し、エンジンは英国RR社製の「ニーン2」エンジンをコピー生産したRD-45F(VK-1A)ターボジェット1基を搭載している。

機体はアメリカやイギリスの戦闘機に対抗するため徹底的に軽量化され、艤装品なども大量生産を容易にするために必要最小限に止められ、全体的に質実剛健な設計となっている。
しかし、開発・量産化を急いだために高高度飛行や高速飛行中に突然スピンに陥るなど、さまざまな欠陥を抱えていたが、速度計とエアブレーキが連動して速度をマッハ0.92に抑制することによってそれらの欠点を補った。
最終的に約15,000機が製造され、ソ連の他、チェコスロバキアやパキスタン、北朝鮮などに輸出されている。

実戦では国共内戦に投入されたほか、朝鮮戦争では中国義勇軍のMiG-15が米軍のF-86と激しい空中戦を演じた*1
また、第二次中東戦争(スエズ戦争)ではエジプト軍等のMiG-15bisがMiG-17Fとともに実戦活動を行ったが、ほとんどがイスラエル軍に撃墜されている。

現在ではほとんどの国で退役しており、北朝鮮など一部の国が訓練機として運用しているのみである。
生産機数が多いこともあって飛行場や博物館で静態展示されているほか、街や村のモニュメントとして置かれている機体も多い。

関連:MiG-17 MiG-21 F-100

スペックデータ(MiG-15bis)

乗員1名(単座型)/2名(複座型)
全長10.102m
全高3.7m
翼幅10.085m
主翼面積20.6
翼型root:TsAGI S-10&brp;tip:TsAGI SR-3
空虚重量3,681kg
総重量5,044kg
最大離陸重量6,106kg(600リットル増槽×2基装備時)
燃料容量1,420リットル(機体内)
最大兵装搭載量3,000kg
エンジンクリモフ VK-1A遠心式ターボジェット×1基
推力26.5kN(5,950lbf)
最大速度マッハ0.87(海面)
マッハ0.9(高度3,000m時)
巡航速度マッハ0.69
フェリー航続距離2,520km(高度12,000m、600リットル増槽×2基装備時)
実用上昇限度15,500m
上昇率51.2m/s
翼面荷重296.4kg/
推力重量比0.54
固定武装N-37D 37mm機関砲×1門(弾数40発)
NR-23KM 23mm機関砲×2門(弾数80発×2)
兵装主翼下ハードポイント2ヶ所に100kg爆弾増加燃料タンクまたは無誘導ロケット弾


主なバリエーション

  • I-310:
    プロトタイプ。

  • MiG-15:
    初期生産型。

  • MiG-15P:
    機首吸気口上部にレーダーを装備した全天候戦闘機型。MiG-15bisベース。

  • MiG-15SB:
    戦闘爆撃機型。

  • MiG-15SP-5:
    複座の全天候戦闘機型。MiG-15UTIベース。

  • MiG-15T:
    標的曳航機型。

  • MiG-15bis:
    改良正規生産型。エンジンはVK-1を搭載。

    • MiG-15bisR:
      偵察機型。

    • MiG-15bisS:
      護衛戦闘機型。

    • MiG-15bisT:
      標的曳航機型。

  • MiG-15UTI:
    複座練習機型。機首左下に射撃訓練用の12.7mm機関銃1挺を装備している。

  • UTI MiG-15P:
    RP-1「イズムルード-1」レーダーに対応するためにチェコスロバキアで複座練習機として改修された型。
    MiG-17PFMiG-19P/PMの乗組員訓練に使用される。

  • 殲撃2(J-2):
    中国に供与されたMiG-15。国内での新規生産は無し。

    • 殲教2(JJ-2):
      MiG-15UTI相当の機体。ソ連から技師を招聘し、瀋陽飛機公司で生産された。

    • FT-2:
      JJ-2の輸出型。

    • BA-5:
      殲撃2の標的機改修型。

  • S-102:
    MiG-15のチェコスロバキアでのライセンス生産型。
    M05エンジン(RD-45のライセンス生産型)を搭載。

  • S-103:
    MiG-15bisのチェコスロバキアでのライセンス生産型。
    M06エンジン(VK-1のライセンス生産型)を搭載。

  • CS-102:
    MiG-15UTIのチェコスロバキアでのライセンス生産型。

  • Lim-1:
    MiG-15のPZLミーレック(ポーランド)でのライセンス生産型。
    Lis-1エンジン(RD-45Fのライセンス生産型)を搭載。

    • Lim-1A:
      Lim-1の偵察機型。AFA-21カメラを搭載。

  • Lim-2:
    MiG-15bisのPZLミーレック(ポーランド)でのライセンス生産型。
    生産された500機のうち最初の100機はVK-1Aを搭載し、残りの機体はLis-2エンジンを搭載した。

    • Lim-2R:
      Lim-2の偵察機型。N-37 37mm機関砲を撤去し機首にカメラを搭載。

  • SBLim-1:
    MiG-15UTIのPZLミーレック(ポーランド)でのライセンス生産型。
    Lis-1エンジン(RD-45)を搭載。

    • SBLim-1A:
      SBLim-1の複座偵察機型。

  • SBLim-2:
    Lim-2またはSBLim-1の複座練習機型。
    Lis-1エンジン(VK-1)を搭載。

    • SBLim-2A:
      SBLim-2の複座偵察型。砲兵部隊の補正用。

    • SBLim-2M:
      SBLim-2Aを複座練習機に再変換した型。

  • Raduga KS-1「コメット」(AS-1「ケンネル」)?
    本機をベースにした対艦/空対地ミサイル。詳しくは項を参照。


*1 当時の西側諸国で、この機体と互角に戦える戦闘機はこの機体のみだった。

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