Last-modified: 2022-05-07 (土) 07:32:19 (15d)

【Mi-8】(みるはち)

旧ソビエトのミル設計局が開発した汎用ヘリコプター。
NATOコードは"Hip(ヒップ)"。
1961年にMi-4?をベースにした原型機が初飛行した。

単純で頑丈な構造と汎用性の高さが特徴で、軍用、民間含めて12,000機以上が生産されている。
現在も製造、販売が行われており、旧東側諸国、アフリカ諸国だけでなくドイツの警察やアメリカの航空会社でも使用され、コミューター機としての使用や個人、企業の所有機も存在する。
日本でも朝日航洋が重量物の空輸用に1993年まで使用していた*1

軍用型は特に旧共産圏やアフリカ諸国に輸出され、第一線機として使用されている。

派生型としては対潜ヘリコプター型のMi-14「ヘイズ」や輸出型のMi-17/Mi-171「ヒップH」がある。

スペックデータ

タイプMi-8MTMi-17-1A2
乗員3名(パイロットコパイロットフライトエンジニア
搭載容量兵員24名
または
担架12床+医療関係者1名
内部/外部ペイロード:4,000kg
兵員24名
または
担架12床
内部ペイロード:4,000kg
外部吊り下げ:5,000kg
全長18.4m18.465m
全高5.5m5.65m
主回転翼直径21.29m21.25m
円板面積356354.7
ブレードセクションNACA 23012
空虚重量7,100kg7,489kg
総重量11,000kg
最大離陸重量13,000kg13,000kg(通常)
13,500kg(吊り下げ荷重)
燃料容量3,700リットル(980 USgal)
エンジンターボシャフト×2基
クリーモフ TV3-117MTクリーモフ VK2500PS-03
補助動力イーフチェンコ=プログレース AI-9V ターボジェット×1基
出力1,950hp
(1,454kW)
2,400hp(1,800kW)(離昇出力)
2,700hp(2,000kW)(緊急時出力)
最高速度250km/h280km/h
巡航速度240km/h260km/h
航続距離495km/960km(フェリー時)800km
上昇限度5,000m6,000m
ホバリング限度
(OGE)
-4,000m
上昇率-8m/s
武装ハードポイント6箇所、4,000kgまでの武装を搭載可能
9M17 "Fleyta"(AT-2)ATGM×4発
9M14「マリュートカ(AT-3)」ATGM×6発
9M120「アターカ(AT-9)」ATGM(Mi-171SH-HV・Mi-171SH-VN)
S-5 57mmロケット弾ポッド×4基
S-8 80mmロケット弾ポッド×2基
UPK-23-250ガンポッド
250kg爆弾×4発
500kg爆弾×2発
両ドアにPK? 7.62mm機関銃を1〜2挺装備可能
ドロップタンク


バリエーション

Mi-8系統

  • V-8 "ヒップA":
    Mi-4?改装の原型1号機。エンジン1基と4枚羽根ローターを持つ。

  • V-8A:
    エンジンを双発にした原型2号機。TV2-117ターボシャフトを搭載。

  • V-8AT:
    民間向けMi-8Tの試作機。

  • Mi-8 "ヒップB":
    双発型試作機。エンジンを2基搭載し、5枚羽根ローターを持つ。

  • Mi-8T "ヒップC":
    軍用強襲ヘリコプター型。
    外部武装ラックにUV-16-57ロケット弾ポッドS-5ロケット弾を搭載)、ドア側面にPK 7.62mm機関銃 1〜2挺を装備可能。

  • Mi-8TV:
    Mi-8Tの武装型。

  • Mi-8VKP"ヒップD":
    空中指揮通信機型。別名Mi-8VzPU。
    武装ラックに通信キャニスター、胴体後部にフレームタイプのアンテナ2基を追加した。

  • Mi-8TVK"ヒップE":
    近接航空支援ガンシップ)型。別名Mi-8TB。
    機首にKV-4 12.7mm機関銃を装備し、UV-32-57ロケット弾ポッド、250kg爆弾、AT-2対戦車ミサイルを搭載可能。

  • Mi-8TBK"ヒップF":
    ヒップEの輸出向け。AT-3対戦車ミサイルを搭載する。

  • Mi-8IV"ヒップG":
    空中指揮通信機型。
    乗員室後部から突き出すアンテナとテイルブームのドップラーレーダーが特徴。
    後にMi-9に名称変更された。

  • Mi-8SMV"ヒップJ":
    電子戦機型。"Smalta-V"電子戦装置を装備。
    胴体両側面に大型アンテナを搭載し、センサー類を追加装備している。

  • Mi-8PD:
    ポーランド向け空中指揮通信機型。

  • Mi-8PP"ヒップK":
    SMVの輸出向け。"Polye"電子戦装置を搭載。
    後部胴体両側に6つのX字型アンテナを持つ。

  • Mi-8PPA:
    "Akatsiya"電子戦装置に更新した型。

  • Mi-8TPS:
    空中通信機型。

  • Mi-8AD:
    地雷散布型。
    VSM-1ディスペンサーを装備し、PFM-1・POM-2・PTM-3対人地雷を散布する。

  • Mi-8AV:
    地雷散布型。
    VMR-1またはVMR-2散布装置を装備し、60または200個の対戦車地雷を散布する。

  • Mi-8BT:
    地雷処理型。

  • Mi-8MB"Bissektrisa":
    軍用救急ヘリコプター型。

  • Mi-8R:
    "Grebeshok-5"ELINTシステムを搭載する戦術偵察機型。
    別名Mi-8GR。

  • Mi-8K:
    砲兵観測支援機型。

  • Mi-8SMT:
    参謀輸送ヘリコプター型。改良されたR-832とR-111無線機を搭載。

  • Mi-8SKA:
    写真偵察機型。

  • Mi-8T(K):
    写真偵察機型。

  • Mi-8TZ:
    燃料輸送機型。

  • Mi-8MTYu:
    機首にレーダーアンテナを装備した捜索機型。ウクライナ空軍で運用されている。

  • Mi-8-8AMTSh:
    夜間攻撃機型。9M120「アターカV」対戦車ミサイルを装備している。

  • Mi-8MSB:
    ウクライナのモトール・シーチが開発した改良型。
    エンジンはMi-8MT/Mi-17と同じ系列のTV3-117VMA-SB1MV 4Eを搭載しているが、テイルローターはそれ以前のMi-8系列機と同様に右舷側に配置されている。

  • Mi-8MSB-V:
    ウクライナ軍向け近代化改修型。

  • Mi-8T "ヒップC":
    民間向け貨物・旅客輸送型。最大座席24席。

  • Mi-8P:
    民間向け旅客輸送型。乗客数28〜32名。

  • Mi-8S"Salon":
    VIP輸送用。乗客数9〜11名でギャレーやトイレを備える。

  • Mi-8MPS:
    捜索救難型。マレーシアで運用されている。

  • Mi-8MA:
    極地探査機型。北極で使用される。

  • Mi-8AT:
    民間向け輸送型。改良されたTV2-117AGターボシャフトを搭載。

  • Mi-8ATS:
    農業機型。農薬散布用のホッパーとスプレーバーを装備。

  • Mi-8TL:
    航空事故調査機型。

  • Mi-8TM:
    アップグレード型。気象レーダーを搭載。

  • Mi-8TS:
    砂漠仕様。

  • Mi-8VIP:
    VIP輸送機型のデラックスモデル。乗客数7〜9名。

  • Mi-8PA:
    日本の規制に対応した型。
    朝日航洋が重量物の空輸用に1993年まで使用していた。

  • Mi-8AMT:
    ウラン・ウデ航空機工場製Mi-8MTV-1。
    Mi-8MTV-1から若干の変更が加えられているが、エンジンは変更されていない。
    オプションでVK-2500を搭載可能。

  • Mi-8AMTSh:
    Mi-8AMTの強襲ヘリコプター型。対戦車ミサイルを運用できる。

  • Mi-8MT:
    基本型。TV3-117MTを双発とし、補助動力装置として搭載。

  • Mi-8MT「レターユシチイ・クラーン*2」:
    貨物輸送型。貨物室に備えられたクレーン操作室が特徴。

  • Mi-8MT「メテオ」:
    気象観測機型。

  • Mi-8MTT:
    帰還した宇宙船の捜索機。

  • Mi-8MTA:
    近接戦術偵察機型。

  • Mi-8MTB:
    空中病院機型。

  • Mi-8MTV:
    武装輸送機型。
    TV3-117VMエンジンを搭載し、上昇限度が6,000mに向上した。

  • Mi-8MTV-1:
    民間モデル。レーダーを搭載。

  • Mi-8MTV-2:
    MTV-1の改良型。
    装甲が強化され、新しいテイルローター、ヘリボーン装備、重量物引上用機上クレーンおよび新しい機内装備を搭載し、操縦配線系統の耐久性を高めた。
    30名の空挺兵を輸送できた。

  • Mi-8MTV-3:
    MTV-2の改良型。
    対応武装の種類を増やすかわりに、ハードポイントを4箇所に減じた。

    • Mi-8MTV-3G:
      空中病院機型。

  • Mi-8MTV-5:
    改修型。
    新しい複合素材を用いたローターブレード、軸套、緊急用着水装備、新しい燃料系統、2室式ブースターが特徴。
    エンジンはTV3-117VMターボシャフトを搭載。
    機外には5tまでの物資を吊り下げることができる。

    • Mi-8MTV-5-Ga:
      MTV-5の民間向けモデル。

  • Mi-8MTV-7:
    MTV-5のエンジンをVK-2500に、補助動力装置をSAFIR-5K/G MIに換装した型。

  • Mi-8MTBM:
    医療機(ドクターヘリ)型。

  • Mi-8MTBMPS:
    捜索救難医療機型。

  • Mi-8MTKO:
    多目的昼夜間輸送戦闘ヘリコプター*3型。
    光学電子ジャイロスタビライザー、赤外線およびレーザー暗視装置、昼夜間用監視装置、昼夜間用航法装置などを装備。
    武装として各種ロケット弾や機関砲コンテナの他、対戦車ミサイル9M14「マリュートカ」ならば6発、M-17P「スコルピオーン」ならば4発を搭載できる。

  • Mi-8MTM:
    空中病院型。

  • Mi-8MTN:
    宇宙飛行士への医療支援機型。

  • Mi-8MTD:
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTP:
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTPB/MTPI/MTRD:
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTF:
    Mi-8MTの航空写真撮影機型。

  • Mi-8MTF():
    煙幕妨害機型。

  • Mi-8MTG:
    電子妨害機型。
    "Gardenya-1FVE" H/Iバンドジャミングシステムを装備。

  • Mi-8MTI"ヒップH EW5":
    電子妨害機型。Mi-13とも呼ばれる。
    "Ikebana"Dバンドジャミングシステムを装備。

  • Mi-8MTPB"ヒップH EW3":
    電子妨害機型。"Bizon"ジャミングシステムを装備。

  • Mi-8MTPSh:
    電子妨害機型。"Shakhta"ジャミングシステムを装備。

  • Mi-8MTU: 機首に円形ドーム型の大型レドームを備える電子妨害機型。
    ウクライナ空軍が配備していた。

  • Mi-8MT-1S:
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTS/MTT:
    SIGINT機型。

    Mi-8MTSkh:
    農業用機型。

  • Mi-8MTR1:
    電子妨害機型。"Rychag-AV"アクティブジャミングステーションを装備。

  • Mi-8MTR2:
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTSh1:
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTSh2 "ヒップH EW4":
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTSh3 "ヒップH EW6":
    電子妨害機型。

  • Mi-8MTYa:
    電子妨害機型。"Yakhont"ジャミングシステムを装備。

  • Mi-8MS:
    VIP輸送機型。サブバージョンにMi-8MSOとMi-8MSDがある。

Mi-17系統

  • Mi-17"ヒップH":
    Mi-8MTの輸出型。

  • Mi-17M/V:
    Mi-8MTVの輸出型。

  • Mi-13:
    電子妨害機型。Mi-8MTIとも呼ばれる。

  • Mi-14"ヘイズ"
    対潜ヘリコプター型。詳しくは項を参照。

  • Mi-17-1V:
    Mi-8MTV-1の輸出型。

  • Mi-17-1VA:
    1989年のパリ航空ショーで公開された空中病院機型。
    エンジンはTV3-117VM(出力1,678kW)を搭載する。

  • Mi-17G:
    Mi-17-1VAの輸出向け派生型。

  • Mi-17KF:
    カナダのケロウナ・フライ社およびハネウェル社との共同開発で完成された輸出型。
    イルカ型機首に西側製電子装備を搭載する。

  • Mi-17M:
    大型のタラップ式ローディング・ランプを装備し、搭載機器を一新した改良型。
    積載量は5tに増加された。

  • Mi-17N:
    Mi-8MTKOの輸出型。

  • Mi-17MD:
    Mi-8MTV-5の輸出型。
    右舷の扉、タラップ式ローディング・ランプ、イルカ型機首が特徴。

  • Mi-17P:
    旅客機型。

  • Mi-17PI:
    輸出向けの電子妨害機型。

  • Mi-17PP:
    Mi-8MTRBの輸出型。

  • Mi-17PG:
    輸出向けの電子妨害機型。

  • Mi-17RRA:
    電子戦用の派生型。

  • Mi-171:
    Mi-8AMTの輸出型。

  • Mi-171TP:
    Mi-171の改良型。

  • Mi-171Sh(Mi-8AMTSh)「テルミナートル」:
    強襲ヘリコプター型。対戦車ミサイルを運用できる。

  • Mi-172:
    Mi-8MTV-3の輸出型。

  • Mi-172PT:
    改良型。

  • Mi-17Z-2:
    チェコスロヴァキアで製作された電子妨害機型。

  • Mi-18:
    Mi-8MTの改良型。
    貨物室容積を増やすために胴体を1m延長、着陸装置が引き込み式になり、胴体右側に引き戸が追加されている。
    2機が製作されたがペレストロイカに伴い開発中止。

  • Mi-19:
    Mi-8MTをベースにした空中指揮通信機型。

  • Mi-19R:
    Mi-19の派生型。ミサイル師団用に製造された。


*1 機体番号:JA9549。現在は退役し、埼玉県・所沢市の「所沢航空発祥記念館」で展示保存されている。
*2 Летающий кран:ロシア語で「空飛ぶクレーン」の意。
*3 Многоцелевой круглосуточный транспортно-боевой вертолет

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