Last-modified: 2016-01-31 (日) 10:32:11 (626d)

【Me262】(えむいーにろくに)

Messerschmitt Me262 Schwalbe(シュヴァルベ) / Sturmvogel(シュツルムフォーゲル)
第二次世界大戦末期にドイツのメッサーシュミット社が開発した、世界初の実用ジェット戦闘機
後退翼に双発のターボジェットエンジンを装備し、レシプロ機を大幅に上回る飛行性能を実現した。

1943年に原型が初飛行したが、Jumo004エンジンの開発遅延やヒトラー総統による戦闘爆撃機型への仕様変更命令などで実用化が遅れ、実戦部隊に配備されたのは1944年10月だった。
しかも戦力化を焦るあまり、訓練不十分のまま戦闘に参加した第262実験隊は、最初の1ヶ月の戦闘で22機の撃墜と引き換えに、26機と司令官ヴァルター・ノヴォトニー少佐(撃墜数258機)を失った。
以後、数ヶ月に渡って戦術研究と訓練を重ねた結果、ようやく本来の性能を発揮し、圧倒的な連合国軍を相手に200機の損失で550機を撃墜した。
その損失の多くは低速の離着陸時を狙われたためで、純然たる空戦での被撃墜は少ない。

主要な生産型は戦闘機型のA-1aと、これに爆弾ラックを装備した戦闘爆撃機型のA-1a/Jabo型であったが、A-1a/Jabo型の機首武装を2門減らしたA-2a、練習機型のB-1aにレーダーを装備した夜戦型B-1a/U1など少数の派生型も作られた。

スペックデータ

乗員1名
全長10.58m
翼長12.5m
全高3.83m
翼面積21.7
自重3,800kg
最大離陸重量6,400kg
エンジンユンカース Jumo 004B-1 軸流ターボジェット推力18kN)×2基
速度870km/h(最高、高度6,000m)/約820km/h(巡航)
航続距離1,050km
上昇限度11,450m
上昇率1,200m/分
固定武装MK108 30mm機関砲×4門
兵装R4M 55mmロケット弾×24発


派生型

  • A-0:
    戦闘機型Aシリーズの先行生産型。

  • A-1a:
    Jumo004Bエンジンを搭載する生産型。MK108 30mm機関砲4門を装備。
    • A-1a/Jabo:
      A-1a型に爆弾架を追加装備した戦闘爆撃機型。
    • A-1a/U1:
      先端に20mm機関砲2門を装備し、6門にした試作機(1機)
    • A-1a/U2:
      全天候に対応するための航空電子機器を搭載した試作機(1機)
    • A-1a/U3:
      短距離偵察機型。Rb50/30カメラとMK108 30mm機関砲1門を装備。
    • A-1a/U4:
      機首にMK214A 50mm機関砲を装備した試作機(2機)
    • A-1a/U5:
      武装強化型。
      機首の武装をMK108 30mm機関砲4門から6門にし、携行弾数を100発が2門、85発が2門、65発が2門とした。

  • A-1b:
    エンジンをBMW 003に換装した迎撃機型。
    武装は30mm機関砲2門、R4M空対空ロケット24発を搭載。
    それ以外の性能はA-1aと同型、少数のみ生産。

  • A-2a:
    機銃を2門のみ装備した爆撃機型。
    250kg爆弾2発を搭載可能。
    • A-2a/U1:
      改良型の爆撃照準器を設置した試作機(1機)
    • A-2a/U2:
      高速爆撃機型。
      機首に爆撃手席を新設し、1号機はロフテ7H3爆撃照準器を装備、2号機はロトフェ・カンツェルII照準器を装備。

  • A-3a:
    近接支援任務を目的とした試作機。

  • A-4a:
    偵察機型。

  • A-5a:
    偵察機型の最終型。
    カメラを3台装備。戦争末期に少数のみ生産。

  • B-1a:
    複座の転換練習機型。
    • B-1a/U1:
      FuG218ネプトゥーンレーダーを装備する夜戦型。

  • B-2a:
    胴体を伸ばして燃料搭載量を増加させた夜間戦闘機型。HeS011エンジンを搭載。

  • C-1a:
    尾部に離陸補助用にヴァルター・ロケットを取り付けた試作迎撃戦闘機(1機)

  • C-2a:
    BMW003Rエンジンを装備する拠点防衛用迎撃戦闘機型。

  • C-2b:
    エンジンのナセル(エンジンの収納筒)にBMWのロケットブースターを取り付けた迎撃戦闘用の試作機(1機)

  • C-3a:
    胴体にヴァルター・ロケットを組み込んだ迎撃戦闘用の試作機(1機)

  • D-1:
    SG500 Jagdfaust 5cm無反動砲を装備する特殊型。
    無反動砲は上向きに取り付けられており、センサーで爆撃機を感知し自動で発射される。

  • E-1:
    A-1a/U4を基に機関砲を装備した特殊型。

  • E-2:
    R4M ロケット弾を48発搭載する特殊型。
    活躍したのは敗戦直前の1ヶ月間と短いが、恐るべき戦果を上げた。

計画のみ

  • Lorin:
    Jumo004の上にラムジェットエンジン(直径1.15m、全長5.9m)を積んだ高速型。

  • Schnellbomber 1:
    高速爆撃機案。4,050リットルの燃料を搭載し1,000kgの爆弾を搭載できる。
    • Schnellbomber 1a:
      コクピットを機首に移動させ胴体に5個の燃料タンクを設けた高速爆撃機。

  • Schnellbomber 2:
    爆撃機型。
    胴体を新たに設計し4,450リットルの燃料を搭載。1,000kgの爆弾を胴体内に搭載可能。

  • Aufklärer 1:
    写真偵察機型。
    A-1a/U3の機首の武装を撤去し500リットルの燃料タンクとRb75/30及びRb20/30カメラを搭載。
    • Aufklärer 1a:
      Schnellbomber 1aの胴体を流用し、Rb75/30カメラ2基を胴体中央に装備。

  • Aufklärer 2:
    Schnellbomber 2の胴体を流用し、5,450リットルの燃料を搭載、機種にRb75/30カメラ2基、Rb20/30カメラを1基搭載。

  • HG1:
    レーシングキャノピーと呼ばれる小型の流線型キャノピーにし、水平尾翼に後退角を付け、水平尾翼を大きくした高速計画1段階。

  • HG2:
    HG1と同程度の改造と平行して、主翼を25%弦長35度の後退角付きに変更した高速計画2段階。

  • HG3:
    Me262の胴体を利用し大幅な設計変更をした夜間戦闘機型。
    主翼は新設計の45度後退角付き、エンジンはHeS011の2基を主翼付け根に収納、主脚を主翼付け根に取り付け、尾翼・キャノピーはHG1と同等のものに変更。
    機首にはFuG240ベルリンレーダーを収納し、乗員は3名。
    武装は機首にMK 108機関砲を4門、コクピット最後尾席左右にシュレーゲムジークMK 108機関砲2門を装備。

大戦後

  • アビア S-92:
    A-1aと同型。チェコスロバキアが生産。

  • アビア CS-92:
    B-1aと同型。チェコスロバキアが生産。

  • A-1c/B-1c:
    2003年より、アメリカ・テキサス州のTexas Airplane Factory が作成中のMe262のレプリカ。
    現時点で2機が完成、飛行可能の状態。
    発動機はゼネラル・エレクトリック社製 J85?エンジンで、安全装置の追加、脚の強化などが行われている。
    名称はメッサーシュミット社(現在のエアバス・グループ)の承認のもと A-1c(単座型)とB-1c(複座型)が当てられている。


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