Last-modified: 2023-09-01 (金) 17:11:04 (29d)

【Me262】(めっさーしゅみっとにろくに)

Messerschmitt Me262 Schwalbe(シュヴァルベ) / Sturmvogel(シュツルムフォーゲル).

第二次世界大戦末期にドイツのメッサーシュミット社が開発、ドイツ空軍で運用された世界初の実用ジェット戦闘機
後退翼ターボジェットエンジンを1基ずつ計2基懸架装備した特徴的な外見を持つ。

1943年に原型が初飛行したが、Jumo004エンジンの開発遅延や不調、ヒトラー総統による報復のための戦闘爆撃機型への仕様変更命令などを経て、実戦部隊に配備されたのは1944年10月だった。
従来のレシプロ戦闘機に比べて大きな機体重量から運動性ではそれらに劣ったものの、最高速度ではあらゆる戦闘高度において、当時の連合軍機のそれを100km/h以上も上回る800km/h以上を発揮した。

実戦では、数的に圧倒的な優位をもつ連合国軍の大規模な戦闘機/爆撃機編隊に対し、200機の損失で550機を撃墜したとされる。
従来のレシプロ戦闘機にとって最高速度で圧倒的な本機の撃墜は困難を極め、Me262の損失の多くは頻発するエンジン不調や着陸の際に受けた攻撃、及び事故・故障が主因であった。

最終的な総生産数1,430機で、主に生産されたのは戦闘機型のA-1aと、これに爆弾ラックを装備した戦闘爆撃機(Jagdbomber)仕様のA-1a/Jabo型であった。

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スペックデータ(Me 262 A-1a)

乗員1名
全長10.6m
全高3.5m
翼幅12.6m
翼面積21.7
アスペクト比7.32
空虚重量3,795kg
全備重量
(燃料1,800l搭載時)
6,400kg
最大離陸重量7,130kg
エンジンユンカースJumo004B-1軸流ターボジェット×2基
推力8.8kN(1,980lbf)×2
最高速度
(6,475kg時)
822.5km/h(海面高度)
850km/h(高度3,000m)
865km/h(高度6,000m)
815km/h(高度10,000m)
航続距離1,040km(燃料1,800l搭載、高度9,000m巡航時)
上昇限度11,450m
上昇率20m/s(最大重量7,130kg時)
11m/s(高度6,000m)
5.5m/s(高度9,000m)
推力重量比0.28
固定武装MK108 30mm機関砲×4門(100発×2門、80発×2門)
追加武装R4M 55mmロケット弾×24発
250kg爆弾または500kg爆弾×2発(A-2a)


バリエーション

原型機

  • Me262V1:
    試作1号機。
    機体の完成時にBMW003が未完成であったため、ユンカースJumo210G液冷倒立V型12気筒レシプロエンジンおよびプロペラ機首に装備。
    後にBMW003は搭載されたものの、信頼性が低かったためにユンカースJumo004Aに換装された。

  • Me262V2:
    試作2号機。Jumo004Aを当初から搭載。

  • Me262V3:
    試作3号機。

  • Me262V4:
    試作4号機。

  • Me262V5:
    試作5号機。着陸装置尾輪式から固定型の前輪式(三車輪式)に変更した。

  • Me262V6:
    試作6号機。
    機体が再設計され、着陸装置を油圧引込式の前輪式に変更、エンジン内側の主翼の後退角が増して、主翼の前縁には全幅に前縁スラットが追加された。

生産機

  • A-0:
    戦闘機型Aシリーズの先行生産型。

  • A-1a:
    Jumo004Bエンジンを搭載する生産型。
    MK108 30mm機関砲4門を装備。

    • A-1a/R-1:
      R4Mロケット弾の運用能力を持つ型。

    • A-1a/U3:
      短距離偵察機型。
      機首にRb50/30またはRb20/20とRb75/30カメラを搭載。
      武装としてMK108 30mm機関砲1門を装備するがほとんどは非武装だった。

    • A-1a/U5:
      重武装型。
      機首の武装をMK108 30mm機関砲4門から6門にし、携行弾数を100発が2門、85発が2門、65発が2門とした。

  • A-1b:
    エンジンをBMW003に換装した迎撃機型。
    武装は30mm機関砲2門、R4M空対空ロケット24発を搭載。
    それ以外の性能はA-1aと同型、少数のみ生産。

  • A-2a「シュトルムフォーゲル」:
    MK108 30mm機関砲を2門のみ装備した爆撃機型。
    250kg爆弾2発を搭載可能。

    • A-2a/U2:
      高速爆撃機型。
      機首に爆撃手席を新設し、1号機はロトフェルンロール7(ロトフェ7)H3爆撃照準器を装備、2号機はロトフェ・カンツェル蕎判犂錣鯀備。

  • A-3a:
    近接支援任務を目的とした攻撃機型。

  • A-4a:
    偵察機型。

  • A-5a:
    偵察機型の最終型。
    カメラを3台装備。戦争末期に少数のみ生産。

  • B-1a:
    複座の転換練習機型。

    • B-1a/U1:
      機首にFuG218「ネプトゥーン」レーダーを装備する夜戦型。
      装備したレーダーアンテナの空気抵抗により速度が810km/hに低下している。

試作機

  • A-1a/U1(1機):
    機首に20mm機関砲2門を装備、30mm機関砲のうち2門を高初速のMK103に換装し、6門にした試作機。

  • A-1a/U2(1機):
    全天候に対応するための航空電子機器を搭載した試作機。
    FuG220「リヒテンシュタイン」レーダー、SN-290 290MHzレーダー放送受信機、「ヒルシュゲヴァイ(鹿の角)」アンテナを装備。

  • A-1a/U4(2機):
    爆撃機迎撃型の試作機。
    機首武装をMK214A 50mm機関砲またはBK5対戦車砲×1門とした。

  • A-2a/U1(1機):
    改良型の爆撃照準器を設置した試作機。

  • C-1a(1機):
    迎撃戦闘用の試作機。
    尾部に離陸補助用のHWK109-509液体燃料ロケット(ヴァルター・ロケット)を取り付けた。

  • C-2b(1機):
    迎撃戦闘用の試作機。
    エンジンのナセル(エンジンの収納筒)にBMW003Rターボジェット(推力9.8kN)2基を取り付けた。

  • C-3:
    迎撃戦闘機の提案型。
    Jumo004ターボジェットをHWK R-211液体燃料ロケット(ヴァルター・ロケット)に換装した。

  • C-3a(1機):
    迎撃戦闘用の試作機。
    胴体にHWK109-509S-2ロケットモーター(ヴァルター・ロケット)を組み込んだ。
    試作機と初期生産機は完成前に鹵獲された。

計画機

  • B-2:
    胴体を伸ばして燃料搭載量を増加させた夜間戦闘機型。
    HeS011エンジンを搭載。

  • D-1:
    SG500Jagdfaust 5cm無反動砲を装備する特殊型。
    無反動砲は上向きに取り付けられており、センサーで爆撃機を感知し自動で発射される。

  • E-1:
    A-1a/U4を基にMK114 55mm機関砲を装備した特殊型。

  • E-2:
    R4Mロケット弾を48発搭載する特殊型。

  • W-1:
    アルグスAs014パルスジェットエンジン(出力2.7kN)2基を搭載した提案型。

  • W-3:
    アルグスAs044パルスジェットエンジン(出力4.90kN)2基を搭載した提案型。
    四角型エアインテークを持つ。

  • Lorin:
    Jumo004の上にLorinラムジェットブースター(直径1.15m、全長5.9m)2基を積んだ高速型。

  • Schnellbomber(シュネルボマー) 1:
    高速爆撃機案。4,050リットルの燃料を搭載し1,000kgの爆弾を搭載できる。

    • Schnellbomber(シュネルボマー) 1a:
      コックピットを機首に移動させ胴体に5個の燃料タンクを設けた高速爆撃機。

  • Schnellbomber(シュネルボマー) 2:
    爆撃機型。
    胴体を新たに設計し4,450リットルの燃料を搭載。1,000kgの爆弾を胴体内に搭載可能。

  • Aufklärer 1:
    写真偵察機型。
    A-1a/U3の機首の武装を撤去し、500リットルの燃料タンクとRb75/30及びRb20/30カメラを搭載。
    • Aufklärer 1a:
      Schnellbomber 1aの胴体を流用し、Rb75/30カメラ2基を胴体中央に装備。

  • Aufklärer 2:
    Schnellbomber 2の胴体を流用し、5,450リットルの燃料を搭載、機種にRb75/30カメラ2基、Rb20/30カメラを1基搭載。

  • HG機
    高速機型計画第1段階の機体。
    風防をレーシングキャノピーと呼ばれる小型流線形のものとし、水平尾翼に後退角を付け、水平尾翼を大きくした。

  • HG供
    高速機型計画2段階の機体。
    HG気汎営度の改造と平行して、主翼を25%弦長35度の後退角付きに変更した。

  • HG掘
    高速機型計画2段階の機体。
    主翼は新設計の45度後退角付きのもので、HeS011エンジン×2基を主翼付け根に搭載、主脚を主翼付け根に取り付け、尾翼・キャノピーはHG気汎嬰のものに変更した。

大戦後

  • アビア S-92:
    A-1aと同型。チェコスロバキアが生産。

  • アビア CS-92:
    B-1aと同型。チェコスロバキアが生産。

  • A-1c/B-1c:
    2003年より、アメリカ・テキサス州のTexas Airplane Factoryが作成中のMe262のレプリカ。
    現時点で2機が完成、飛行可能の状態。
    発動機はゼネラル・エレクトリック社製CJ610エンジン(民間用モデル)で、安全装置の追加、脚の強化などが行われている。
    名称はメッサーシュミット社(現在のエアバス・グループ)の承認のもと A-1c(単座型)とB-1c(複座型)が当てられている。


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