Last-modified: 2017-03-30 (木) 20:37:50 (90d)

【MU-300】(えむゆーさんびゃく)

Mitsubishi MU-300"Diamond(ダイヤモンド)"
日本の三菱重工が1970年代後半に開発・生産した双発小型ビジネスジェット機
なお、実際の生産は(後述する理由により)アメリカの三菱現地法人で行われていた。

1960年代、三菱はターボプロップビジネス機「MU-2」を開発・販売していたが、日本では固定翼ビジネス機の需要がほとんどなかった*1ため、販売は海外(主としてアメリカ)向けがメインとなっていた。
そうした背景の下、本機はMU-2の上位グレードとなる機体として計画・開発が進められ、1977年に初号機が初飛行、1979年にはFAA耐空審査にも合格した。
しかしこの当時、アメリカ国内で航空事故が頻発していたことを受けて、FAAは耐空審査基準を大幅に見直すことを決めていた*2
本機はこの基準改正後の試験対象第1号となってしまい、これによって大幅な設計変更を余儀なくされ、型式証明を取得できたのは1981年になってしまった。
加えて、この間の景気後退と同業他社との販売合戦による収益の悪化で、膨大な赤字が発生。これにより、三菱が機体の販売を続けることは困難になってしまった*3

そこで三菱は、軽飛行機業界の老舗であったビーチ・エアクラフト社と提携を組み、同機(及びMU-2)の販売・ユーザーサポートを委託、名称も「ビーチジェット400」と改めて販売を続けた*4
その後、三菱の関与は段階的に縮小され、1988年には設計・開発・生産・ユーザーサポートの一切をビーチに売却*5、小型機業界から完全撤退した。

1994年、ビーチ社の親会社だったレイセオン社が英国ブリティッシュ・エアロスペース(BAe)社から「ホーカー・ビジネスジェット」の生産ラインを購入し、これをビーチ社と合併したため、同機の名称は「ホーカー400」と再改称された。

スペックデータ

乗員2名+乗客9名
全長14.73m
全高4.19m
全幅13.23m
主翼面積22.43
自重4,420kg
最大離陸重量6,305kg
エンジンP&W JT15D-5ターボファン×2基(出力1,315kg)
速度(最大/巡航)468kts(866km/h)/443kts(820km/h)
航続距離2,800km
実用上昇限度13,700m
上昇率19.2m/s


バリエーション

  • MU-300:
    初期モデル。
    海外では「DIAMOND機廚箸靴独稜筺

  • DIAMONDA:
    高温・高標高地域向けモデル。海外販売のみ。
    エンジンはJT15D-4を搭載。

  • DIAMOND供
    速度・航続距離向上型。海外販売のみ。
    エンジンはJT15D-5を搭載。

  • ビーチジェット400:
    DIAMOND兇ビーチ社へ販売権が移行された後の呼称。
  • ホーカー400:
    レイセオン社へ合併後の呼称。
    • ホーカー400XP:
      現在の最新モデル。


*1 MU-2も、国内販売のほとんどが防衛庁自衛隊)向けであった。
*2 1979年5月のアメリカン航空DC-10墜落事故の検証で「油圧・電気系統のバックアップ機構の不備」「審査規定の再考」を指摘されたのが契機になったという。
*3 当時、前作のMU-2と違って防衛庁自衛隊)からの発注もなかった。なお、本機が航空自衛隊に採用されたのはビーチ・エアクラフトに販売権が移ってからのことである。
*4 この名称での型式証明は1985年に下りている。
*5 ユーザーサポート業務については後年、三菱が買い戻している。

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