Last-modified: 2023-04-19 (水) 14:18:45 (44d)
【MT-LBu】 †
MT-LBの拡大発展型として、ソ連で開発された汎用装甲車。
MT-LBuとは「Mnogotselevoy Tyagach -Lekhko Bronirovannyi univjersal'nyi*1」の略である。
より貨物もしくは機器の搭載に適した設計とされており、転輪を一組増やし片側7輪として全長と全高を拡大し、重量の増加に合わせてより強力なエンジンを搭載している。
車内配置等の構成はMT-LBと同一だが、後部兵員/貨物室の標準状態での座席数はMT-LBよりも少ない。
なお、銃塔は搭載していない。
MT-LBと同様、車体を流用した各種の派生型が多数開発されており、主に対空・対地レーダーや通信中継装置、電子戦装置の搭載車、野戦電子システムの指揮車両として用いられている。
スペックデータ †
乗員 | 2名+兵員6名 |
全長 | 7.21m |
全高 | 1.905m |
全幅 | 2.86m |
戦闘重量 | 15.55t |
エンジン | YaMZ-238N 4ストロークV型8気筒液冷ディーゼル(出力300hp) |
最大速度 | 61.5km/h |
行動距離 | 500km(整地) |
装甲 | 10mm(最大) |
バリエーション †
旧ソ連(ロシア・ウクライナ) †
- MT-LBu:
基本型。
- 1L219"Zoopark-1":
1L219目標捜索・火器管制システムのレーダー車両。
- 1L219M"Zoopark-1M":
改良型。
- 1L245:
レーダー抑制装置。出力1kW。
- 1RL243"Rubicon" MASRR(mobilnaya avtomatizirovannaya stantsiya radiotekhnicheskoy razvedki):
自走SHF無線モニタリングステーション。
- 1S80"Sborka" PPRU(podvizhnyj punkt razvedki i upravleniya):
防空部隊用のGバンド早期警戒レーダー車両。最大範囲80km。
NATOコードでは「ドッグ・イヤー」として知られている。
改良型として、PPRU-M、PPRU-M1、PPRU-M1-2がある。
- 1V12 "Mashina" KSAUO(kompleks sredstv avtomatizirovannogo upravleniya ognyom):
砲兵部隊向け火器管制車両型。
改良型として1V12-3 "Mashina-M"、1V12M "Faltset"、1V12M-1、1V12M-2がある。
- 1V13:
砲兵部隊向け火器管制車両。
PAB-2AM照準器、APKまたはAPPK自動データ処理システム、R-123M(またはR-173)無線セット3基のほか、砲塔上部にPV-1観測装置、車体右後部にGIV-8/8000発電機を装備する。
武装としてDShK-M?またはNSVT?を装備する。
- 1V14:
砲兵部隊向け指揮・前線監視車両。
砲塔上部と右側にVOP-7、1PN44、DAK-2M観測システムを装備。
無線セットはR-107無線機1基が追加されている。
武装としてPKMB 7.62mm機関銃を装備。
- 1V15:
大隊長向けの車両。
1V14に似ているが、R-130M無線機用のアンテナマストが追加されている。
また、R-123M無線機のうち1台がR-111に置き換えられている。
- 1V16:
大隊向け火器管制車両。
9V59コンピュータとMDK7「メテオ」セットを装備。
無線セットは1V15に準じるが、R-326が1基追加されている。
- 1V13:
- 9V514"Beta-3":
PASUVセットに属する師団向けコンピュータ車両。
"Argon-40"コンピュータとT-244データ処理ユニットを装備。
- ARK-1(artilleriskiy radiolokatsionnyi kompleks):
Hバンド対砲レーダー。1RL-239としても知られる。
- ARK-1M:
発電機を搭載した改良型。
- ARK-1M:
- I-52:
地雷散布車両型。
車体上部に、対戦車・対人地雷PFM-1、PMF-1S、KSO-1、POM-1 or POM-2、GTM-1 and/or PTM-3用のカセットが90個ずつ入った地雷散布機を2基搭載する。
- KDKhR-1N"Dal"(kompleks nazemnoy distantsionnoy khimicheskoy razvedki):
化学検出システム型。
PRKhR検出システムやGSA-12ガス検出装置、KPO-1サンプリングセットなどを搭載。
- KLM-3 or P-256B:
ケーブル敷設車両型。
- MP21-25:
PASUV "Manyevr"指揮統制システムに属する車両。
8kWの発電機、AMUアンテナマスト、可動式ワイプアンテナを搭載している。
- 1L219"Zoopark-1":
- MP21(9S743):
派生型として師団・幕僚長向けのMP21M、NBC防御部隊向けのMP21M-2、情報部隊向けのMP21M-3がある。
- MP22(9S716):
防空部隊向け指揮車両。
- MP23(9Sxxx):
空軍の連絡部隊向け車両。R-809M2無線セットを搭載。
- MP24(9S775):
DAK-2測距儀と1V57M砲兵コンピュータを装備。
主に野戦砲兵・ロケット軍司令官(MP24M)、砲兵連隊参謀長(MP24M-1)、師団砲兵群(MP24M-2)向け。
- MP25(9S717):
レーダーのデータ処理車両型。
- MP22-1"Ranzir"(9S737):
9K331「トール」の配備部隊向け指揮車両。
- MP95"Beta-4":
"PASUV-R"セットの分割コンピュータ車両。
"Argon-50"コンピュータを搭載。
- MZS-83(moshchnaya zvukoveshchatel’naya stantsiya):
拡声器を搭載した心理戦車両型。
- PPRI-5:
師団向け信号車両型。
- R-149BMRg:
信号車両型。
- R-161B:
HF/VHF信号車両型。
- R-161BM:
R-161-10を2基搭載した近代化型。
- R-161BM:
- R-330B:
電子妨害車両型。
- R-330KB:
R-330BおよびR-378Bシステム用の移動式自動指揮所。
- R-330P"Piramida-I":
VHFジャマーシステムを搭載した妨害車両型。
- R-378B:
ASP R-378HFジャマーシステムを搭載した妨害車両型。
- R-381T"Taran":
師団向けSIGINTシステム。
以下の車両7台で構成される。
- R-381T1"Taran 1":
インターセプターステーション(2台)。
- R-381T2"Taran 2":
方向探知ステーション(4台)。
- R-381T3"Taran 3":
T1およびT2の指揮車両(1台)。
- R-381T1"Taran 1":
- R-412B:
師団向け中継局車。
R-133パラボラアンテナ2基とGAB-8-T/230発電機を搭載。
- R-439BG"Legenda-2BG":
自走Satcomステーション。
- R-934B:
通信妨害車両型。航空機のVHF/UHF通信を妨害する自動システムを搭載。
- TGM(transportnaya gusenichnaya mashina):
民間向け輸送車型。
- 2S1「グヴォズジーカ」?:
122mm自走榴弾砲。詳しくは項を参照。
ポーランド †
- ZWDSz 1(zautomatyzowany wóz dowódczo sztabowy):
MP21-25をベースにした"Iris"自動指揮セットの指揮車型。
ブルガリア †
- KShM 9S743:
指揮・幕僚車両型。
- MTP-1:
工兵車両型。試作のみ。
後部に大型ドーザーブレード、車体上部にクレーン、右前方にTKB-01機関銃塔を装備。
- KShTMS:
指揮統制車型。
- KShM-R-55:
指揮車両型。
R-55R HF無線機、R-55P受信機、R-33 VHF無線機、R-23受信機で構成されるR-55B通信セットを搭載。
ハンガリー †
スウェーデン †
- Pbv 4020(pansarbandvagn):
基本シャーシ(1V12系、改良型)のスウェーデンでの呼称。
- Stripbv 4021(stridsledningbandvagn):
指揮車両型。
- Sjvpbv 4024(sjukvårdspansarbandvagn):
救急車型。担架4床を搭載可能。
フィンランド †
- MT-LBu-TP(tulipatterin komentopaikkapanssarivaunu):
1V13をベースにした砲兵中隊の指揮車両型。
NSVT 12.7mm機関銃、「ウェグマン」76mm煙幕弾発射器、収納箱、発電機を装備する。
- MT-LBu-P(paikantamispanssarivaunu):
1V14/15をベースにした車両。
外観はMT-LBu-TPに似ているが、武装はPKM?機関銃を装備する。
- MT-LBu-PS(patteriston komentopaikkapanssarivaunu):
1V16をベースにした大隊向け指揮車両型。