Last-modified: 2023-03-08 (水) 22:03:21 (272d)
【MLI-84】 †
MLI-84.
ルーマニア陸軍で運用されている歩兵戦闘車。
1984年に制式採用され、1985〜91年にかけて178両が生産された。
BMP-1をベースに車体を延長したものである。
エンジンはソ連製のUTD-20ディーゼルから、ルーマニア製の8V-1240-DT-Sディーゼル(355馬力)に換装され、最大速度は70km/hに向上している。
また、燃料タンクの容量も増大したため航続距離も延長されている。
武装は変更されなかったが、DShK38 12.7mm対空重機関銃が、左後部兵員区画のルーフハッチの上に取り付けられたターレットに搭載された。
1995年からMLI-84Mへの改良が行われ、イスラエル・ラファエル社製のOWS-25Rリモートウェポンシステムの搭載やキャタピラー社製C9エンジン(395馬力)の換装が行われた。
スペックデータ †
タイプ | MLI-84 | MLI-84M |
要員数 | 3名(車長・操縦手・砲手)+兵員8名 | |
全長 | 7.335m | |
全高 | 2.11m | 2.942m |
全幅 | 3.15m | 3.30m |
重量 | 16.6t | 17.6t |
エンジン | 液冷ディーゼルエンジン | |
8V-1240-DT-S 4ストロークV型8気筒 (出力350hp) | キャタピラーC9 4ストローク直列6気筒 (出力400hp) | |
懸架・駆動方式 | 第1・第6接地輪にそれぞれ油圧式ショックアブソーバーのトーションバー | |
速度 | 70km/h | 65km/h |
航続距離 | 550〜600km | |
武装 | 2A28「グロム」73mm低圧滑腔砲×1門 9S415「マリュートカ」対戦車ミサイル 発射機×1基 Dshk 12.7mm重機関銃×1挺 PKT 7.62mm機関銃×1挺 | RWSに以下の兵装を搭載 エリコンKBA 80口径25mm機関砲×1門 PKT 7.62mm機関銃×1挺 9M14-2T「マリュートカ2T」または スパイクLR対戦車ミサイル発射機×1基 発煙弾発射機×4基 |
装甲 | 14.5mm弾から防護可能 | 12.7mm弾から防護可能 |
派生型 †
- MLI-84:
ルーマニアでのライセンス生産型。
エンジンが国産の8V-1240-DT-S(出力355hp)に換装されている。
- MLI-84M(MLI-84M1とも):
改良型。
砲塔をイスラエルのラファエル社製のOWS-25Rリモートウェポンシステムに換装した。
武装としてスイスのエリコン社製のKBA 80口径25mm機関砲とPKT 7.62mm機関銃を同軸に装備している他、左側面にユーゴスラヴィア製の9M14-2T「マリュートカ2T」もしくはイスラエル製のスパイクLR対戦車ミサイルの連装発射機を備えている。
- MLI-84M1 Punct de Comanda Batalion:
大隊指揮車型。砲などの代わりに大型の上部構造となっている。
- MLI-84M1 Tractor Pentru Evacuare Tehnică:
装甲回収車型。
砲塔は、外部から操作する大型3セクション油圧クレーンに置換され、ウインチフレームが車体後部上に取り付けられている。
車体後部上の左に1つ、車体後部上の右に2つ収納庫が存在する。
- MLI-84M1 Vehicul de Evacuare Medicală:
装甲救急車型。
大隊指揮車に見られるような大型の上部構造を装備している。
- Md.89:
MLI-84を延長した車体に2S1「グヴォズジーカ」?122mm自走榴弾砲の砲搭を搭載した自走榴弾砲。
現在、全車が退役し倉庫に保管されている。
- MLI-84M(MLI-84M1とも):