Last-modified: 2015-12-15 (火) 18:25:50 (734d)

【MIRV】(まーぶ)

Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle (複数個別誘導再突入機)

弾道ミサイルの形態のひとつで、1基に複数の弾頭を搭載し、それぞれの弾頭が個別に終端誘導を行うもの。
主として戦略核兵器としての大陸間弾道ミサイルで採用されている。

このシステムを搭載したミサイルは、成層圏への到達後、角度・目標への到達時期ごとに弾頭が1発ずつミサイル本体から離脱する。
弾頭は個々に半ば独立したミサイルであり、姿勢制御を行いながら大気圏に再突入・起爆する。
しかし、弾頭単体での航続距離は短く、ミサイル本体の弾道から大きく外れた場所には着弾できない。
加えて、通常の弾道ミサイルと比べてさらに半数必中界が増加する。

MIRVを採用する主要な利点は、同じペイロードを単弾頭で用いる場合より危害面積が増える事である。
破壊力の総量が同等であれば、それを1箇所に集めるより分散させた方が効率的に広い地域を破壊できる*1
また、弾頭の数が実質的に数倍以上になるため、迎撃・対処が著しく困難となる上、最も巨大で高価なロケットエンジン部分を共用する事で大幅なコスト削減ともなる。

核弾頭の小型化が開発上の課題であったが、1970年代に実用化され、ICBMの主流に躍り出た。

ちなみに、このシステムは当初、SALT機弊鑪兵器制限条約)の抜け道として開発された。
同条約で制限の対象とされたのが核ミサイルの「保有数」のみで、搭載される弾頭の数については考慮外であったためである。
結果、その後のSTART(戦略兵器削減条約)で核弾頭そのものの保有数が制限されるに至っている*2


*1 ごく単純に換算して、爆発の危害半径を2倍にするためには8倍の破壊力が必要となる。半径が2倍になれば体積は8倍になるからだ。
*2 現在、このシステムを搭載したミサイルに搭載できる核弾頭は1個に制限されている。

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