Last-modified: 2021-09-05 (日) 20:36:24 (749d)
【MIM-72】 †
MIM-72 "
1969年にアメリカ陸軍に配備された地対空ミサイルシステム。
短距離の目標をカバーするM163VADSと併用し、長距離の目標をカバーする目的で開発された。
搭載するミサイルはAIM-9D「サイドワインダー」をベースにしているが、空気抵抗を減らすために、弾体のフィンのうちの2枚がローレロン*1を持っていることがAIM-9との違いである。
発射機はM113装甲車と同型のM548装軌貨物輸送車から改装したM730装軌車両である。
誘導方式は初期型のA型はパッシブ式の赤外線誘導(後方のみ)だったが、改良型のC型はオールアスペクト方式のパッシブ式の赤外線誘導を採用し、弾頭には12.6kgのHE爆風破砕弾頭を搭載している。
1998年に退役するまで約21,000発が生産され、イスラエル(イスラエル国防軍)、エジプト、中華民国(台湾)等に輸出された。
スペックデータ †
M730(M48)発射機 | |
乗員 | 5名 |
全長 | 6.06m |
全高 | 2.68m |
全幅 | 2.69m |
重量 | 11t |
緩衝装置 | トーションバー |
機関 | 6気筒水冷ディーゼルエンジン(出力215PS) |
出力重量比 | 22.27PS/t |
最大速度 | 68km/h |
最大装甲厚 | 44mm |
行動距離 | 483km |
兵装 | M54 4連装ミサイル発射機×1基(MIM-72×4発) |
MIM-72 | ||
形式 | MIM-72A | MIM-72G |
全長 | 2.9m | |
直径 | 127m | |
翼幅 | 63m | |
直径 | 0.127m | |
発射重量 | 86kg | |
速度 | M1.5 | |
射程 | 500〜6,000m | 9,000m |
目標高度 | 15〜3,000m | |
誘導方式 | パッシブ赤外線誘導 (後方攻撃能力のみ) | パッシブ赤外線誘導 (全方向攻撃能力) |
推進方式 | 固体燃料ロケットモーター | |
エンジン | Mk50固形燃料ロケットモーター (推力12.2kN) | ハーキュリーズ M121 無煙固形燃料ロケットモーター |
弾頭 | Mk48コンティニュアス・ロッド (11kg) | M250 爆風破片効果弾頭 (12.6kg) |
派生型 †
- MIM-72A:
初期生産型。
- MIM-72B:
訓練用。信管以外はA型と同様である。
- MIM-72C:
全方向攻撃能力が付与され、射程が9,000mにまで延伸された改善型。
AN/DAW-1シーカーとM817指向性ドップラー信管を搭載し、弾頭はM250爆風破片効果弾頭を使用する。
1976年〜1981年に生産され、1978年11月に運用が開始された。
- RIM-72C「シーチャパラル」:
艦対空ミサイル型。
アメリカ海軍には採用されなかったが、台湾で制式採用された。
- MIM-72D:
実験的にA型のシーカーとC型の弾頭を組み合わせた型。
生産前にキャンセルされた。
- MIM-72E:
C型のロケットモーターを新型のM121無煙ロケットモーターに換装した型。
- MIM-72F:
改善されたM121無煙ロケットモーターを搭載する型。
- MIM-72G:
FIM-92のシーカーを元にした新型のAN/DAW-2シーカーを取り付け、妨害に対する抵抗性を向上させた型。
1980年代後期、運用されていたMIM-72の全ユニットにこの改造が施された。
1990年〜1991年に生産された。
- MIM-72H:
F型の輸出仕様。
- MIM-72J:
G型のダウングレード輸出仕様。
- M30:
イナート訓練ミサイル型。