Last-modified: 2023-10-07 (土) 20:33:50 (58d)

【MIM-23】(えむあいえむにじゅうさん)

MIM-23(SAM-A-18)"HAWK(ホーク)*1".

アメリカのレイセオン社が、1950年代末に開発した中距離地対空ミサイル
1950年代の開発であるが、2020年代の現在でもNATO各国や日本などで運用されている。

本ミサイルは、1950年代にセミアクティブレーダー誘導方式の中距離地対空ミサイルとして、アメリカ陸軍により開発がはじめられた。
1956年6月に試作モデル「XSAM-A-18*2」を用いて誘導状態での初試射が行われ、1960年に陸軍で初めての運用部隊が編制され、初期作戦能力(IOC)が認定された。
1963年には三軍(陸軍・海軍空軍)の共通命名規則の導入に伴い、型式が現在の「MIM-23」に改められ、試作モデルのXM3は「XMIM-23A」、量産型のM3は「MIM-23A」と改称された。

1964年には低空目標への対処能力を主眼とした近代化改修「HAWK/HIP(HAWK Improvement Program)」計画が始まり、1971年に「MIM-23B*3」として制式化。
1978年までに陸軍海兵隊のすべての部隊のミサイルがこれに更新された。

これに続き、1973年より更なる近代化改修「HAWK-PIP(Product Improvement Program)」計画が開始された。
この計画は3段階に分けて進められ、最初のフェーズ気1981年に実戦配備。
続くフェーズ兇1978年に開発開始され、1983年に装備化。
そしてフェーズ靴1981年に開発開始され、1989年に装備化された。

日本におけるMIM-23

日本では1965年1月に最初の運用部隊である「陸上自衛隊第102高射大隊」が編制され*4、この大隊を基幹として、高射砲を装備していた特科大隊の本ミサイルの運用部隊への改編が進められ、最終的に8個高射特科群が編制された。

なお、本ミサイルは日本国内での実射訓練を行えないため、毎年、アメリカ・ニューメキシコ州のマクレガー射場にて年次訓練を行っている。

部隊編制と並行して、上記の改良型の取得も順次進められ、1977年(昭和52年)度からは改良ホーク(初期型; HIP)、また1982年(昭和57年)度からは改良ホークの改善儀拭PIPフェーズ機砲悗隆港が開始され、1985年(昭和60年)度までに改良ホークへの移行を完了した。
更に1987年(昭和62年)からは改善況拭PIPフェーズ供法1991年(平成3年)度からは改善祁拭PIPフェーズ掘砲悗判膽,帽洪靴気譴討い、2003年(平成15年)度で改善祁燭悗隆港を完了した。

この後、陸上自衛隊は新型地対空ミサイルの導入に踏み切ることを検討していたが、航空自衛隊ナイキの導入後にパトリオットの導入を決定したため、同ミサイルの導入を避けて本ミサイルの運用を継続した。
その後、改良ホークの後継として03式中距離地対空誘導弾が開発され、配備が進められている。

現在の配備部隊は以下の通り。
いずれも「改善祁拭廚鯀備している。

  • 北部方面隊
    • 第1高射特科団(北海道・東千歳駐屯地)
      • 第1高射特科群
        ・第301高射中隊
        ・第302高射中隊(北海道・北千歳駐屯地)
        ・第303高射中隊(北海道・島松駐屯地)
        ・第304高射中隊
      • 第4高射特科群(北海道・名寄駐屯地)
        ・第315高射中隊
        ・第316高射中隊
        ・第317高射中隊
        ・第318高射中隊
  • 東北方面隊
    • 第101高射特科隊(青森県・八戸駐屯地)
  • 西部方面隊
    • 第2高射特科団(福岡県・飯塚駐屯地)
      • 第3高射特科群
        ・第314高射中隊
  • 防衛大臣直轄部隊
    • 高射学校(千葉県・下志津駐屯地)
      • 高射教導隊
        ・第310高射中隊

スペックデータ

タイプMIM-23A
(基本ホーク)
MIM-23B
(改良ホーク)
全長5.08m5.03m
直径0.37m
翼幅1.21m1.19m
発射重量584kg627.3kg
推進方式1段式固体燃料ロケットモーター
エンジンAerojet M22E7/E8Aerojet M112
飛翔速度M2.7(最大)
弾頭HE 爆風破片効果弾頭
弾頭重量45kg54kg
有効射程高高度目標:2,000〜32,000m
低高度目標:3,500〜16,000m
高高度目標:1,500〜40,000m
低高度目標:2,500〜20,000m
有効射高60〜13,700m60〜17,700m


バリエーション

  • MIM-23A:
    基本型。

  • MIM-23B「改良ホーク(I-HAWK)」:
    A型の改良型。
    弾頭重量を54kgに増大、誘導装置の小型化とともに、ロケットモーターも新型のAerojet M112に変更された。
    高高度目標に対する最大有効射程も40kmへと延伸されている。

    • MTM-23B:
      訓練用ミサイル。

    • XMEM-23B:
      テスト・評価用の遠隔測定ミサイル。

  • MIM-23C:
    ECCM能力向上型。1982年頃に導入。

  • MIM-23D:
    C型のアップグレード型。詳細不明。

  • MIM-23E/F:
    C/D型のアップグレード型。1990年頃に導入。
    高クラッター/マルチジャミング環境下での低空交戦性能の向上を図った。

  • MIM-23G/H:
    E/F型のアップグレード型。1995年頃に導入。

  • MIM-23K/J:
    アメリカ海兵隊のMIM-23Bに弾道ミサイル防衛能力を付与した型。 1994年頃に導入。
    新型弾頭と信管を搭載。有効高度は20,000m、有効射程距離は45km。

  • MIM-23L/M:
    漸進的に信管のみを更新した型。


*1 Homing All the Way Killerの略。
*2 1957年7月の開発段階終了時に「XM3」に改称。
*3 ミサイル本体は「I-HAWK(Improved Hawk)」と呼ばれる。
*4 自衛隊における地対空ミサイルの導入は1950年代から検討されていたが、当初は「高射砲の延長」と主張する陸上自衛隊と「無人戦闘機」と主張する航空自衛隊との管轄争いがあった。

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