Last-modified: 2023-02-05 (日) 10:42:46 (237d)
【MICA】 †
Missile d' Interception, de Combat et d'Autodéfense (仏, 「要撃・戦闘および自衛用ミサイル」の意)
フランスのマトラ社(現MBDA)が開発した空対空ミサイル。
中射程空対空ミサイルのR-530シリーズ、短射程空対空ミサイルのR-550の後継として1982年から開発が開始された。
同一の機材で終端誘導だけ交換して短距離赤外線誘導型(MICA IR)と中距離アクティブレーダー誘導型(MICA EM)を兼用できるのが特徴。
これは整備・調達を容易にした反面、短距離用としては過剰性能で費用対効果が劣悪、中距離用としては有効射程がやや不足している。
発射後の中間誘導により目標再設定が可能で、発射母機がTWSに対応していれば複数のMICAを数個の目標に向けて同時攻撃できる。
実戦配備は1997年からでフランス軍のミラージュ2000-5用に、その後中華民国に少数輸出された。
現在ではカタール、アラブ首長国連邦、ギリシャで採用されている。
また、地対空/艦対空ミサイル型としてVLS発射型であるVL MICA及びVL MICA-M(VL MICA NAVAL)が開発され、オマーンの警備艇に12セルの搭載が予定されている。
内側パイロンの4発はMICA、外側パイロンの2発はR-550。
Photo :中華民国国防部(台湾)
主な採用国 †
- 運用中
- フランス
- ボツワナ
- エジプト
- ジョージア
- ギリシャ
- インド
- インドネシア
- モロッコ
- オマーン
- カタール
- サウジアラビア
- シンガポール
- 中華民国(台湾)
- タイ
- アラブ首長国連邦(UAE)
- 採用予定
- マレーシア
- クロアチア
- ブルガリア
- ウクライナ
スペックデータ †
全長 | 3.10m |
直径 | 16cm |
翼幅 | 48cm |
発射重量 | 112kg |
推進方式 | 固体推進ロケットモーター |
最大速度 | 空中発射:マッハ4 垂直発射:マッハ3 |
射程 | 空中発射:500m〜80km 垂直発射:1〜20km |
飛行高度 | 0〜9km(垂直発射) |
G限界 | 50G |
弾頭 | HE 破片弾頭 |
弾頭重量 | 12kg |
信管 | 近接及び直撃 |
誘導方式 | 中間誘導:慣性誘導+データリンク 終端誘導: Jバンド・アクティブレーダー誘導(MICA EM/RF) 赤外線画像誘導(MICA IR) |
発射プラットフォーム | 水上艦艇 地上発射機 ラファール ミラージュ2000 ミラージュF1 F-16E Block60 Su-30MKI |
バリエーション †
- MICA EM(MICA RF):
アクティブレーダー誘導型。
- MICA IR:
画像赤外線誘導型。
オールアスペクト発射能力を達成し、フレアを検出・無視するECCM能力を持つ。
シーカーは大気の条件が良ければ60km先の目標を探知可能。発射せずにシーカーだけをIRSTとして使用する事もできる。
- VL MICA RF:
アクティブレーダー誘導の地対空ミサイル型。
- VL MICA IR:
画像赤外線誘導の地対空ミサイル型。
- VL MICA-M RF:
海軍向けアクティブレーダー誘導型。VLSから発射可能。
- VL MICA-M IR:
海軍向け画像赤外線誘導型。VLSから発射可能。
- MICA NG:
2018年に開発が発表された発展型。
赤外線誘導型はより高い感度を提供するマトリクスセンサー、電波誘導型はAESAを採用する予定。