Last-modified: 2018-07-10 (火) 10:57:14 (40d)

【M2ハーフトラック】(えむつーはーふとらっく)

第二次世界大戦中に開発されたアメリカ軍の兵員輸送用半装軌装甲車

4,000両近くが生産されており、戦後は余剰となった車輛が日本の警察予備隊イスラエル軍にも供与された。

派生型として装甲兵員輸送車型のM3や廉価版のM5、M2の廉価版のM9、対戦車自走砲型(M3A1)、自走対空砲型(M15/M16)がある。

スペックデータ

全長5.96m
全高2.26m
全幅2.2m
全備重量8.707t
乗員2名+兵員7名
エンジンホワイト160AX 4ストローク直列6気筒液冷ガソリンエンジン
最大出力147hp/3,000rpm
最大速度72km/h
航続距離322km
武装M2 12.7mm重機関銃×1門(700発)
M1919A4 7.62mm機関銃×1挺(7,750発)
装甲6.35〜12.7mm


バリエーション

  • M2:
    初期型。
    105mm榴弾砲の牽引用に開発された。乗員10名。
    他の型より後部兵員室が短いのが特徴。
    また、後部兵員室外側に牽引砲の弾薬収納用ドアが設けられ、兵員室全周に機銃用の移動レールが付いていた。
    • M2A1:
      M49リングマウント式機関銃架を装備した型。

  • M3:
    M2をベースにした歩兵輸送型。
    後部兵員室の延長と弾薬箱廃止による容積増加が図られ、乗員は13名に増えている。
    機銃用移動レールの代わりに、後部兵員室中央にマウント支柱が設けられた。
    戦後、陸上自衛隊にも供与された。

    • M3A1:
      M49リングマウント式機関銃架を装備した型。

    • M3A2:
      M2とM3の車体共用を狙った試作車。
      制式採用されながら結局生産されなかったが、本車で試作された後部兵員室外部の地雷ラックや装備品ラックは他の生産型に追加導入された。

  • M5:
    M3のレンドリース用簡易生産型。
    装甲を厚さ5/16インチ(7.9mm)均質圧延鋼板の溶接構造に変更、装甲厚増加に伴う重量増加によりエンジンや足回りの強化が行われた。
    後端が丸くなった後部兵員室と平面的になった前輪フェンダーが特徴。
    M3と比べて対弾性は低下している。

    • M5A1:
      M49リングマウント式機関銃架を装備した型。
  • M9:
    M2のレンドリース用簡易生産型。
    車体はM5と共通となり、後部兵員室内部以外は外観上の差異は見られない。

    • M9A1:
      M49リングマウント式機関銃架を装備した型。

派生型

  • 自走対戦車砲型(GMC*1
    • M3 GMC 75mm自走対戦車砲:
      M3ハーフトラックの車体にM1897 75mm野砲をM2A3砲架を用いて搭載した自走対戦車砲型。

      • M3A1 GMC 75mm自走対戦車砲:
        M3ハーフトラックの車体にM1897 75mm野砲をM2A2砲架を用いて搭載した自走対戦車砲型。

    • T48 GMC 57mm自走対戦車砲:
      M3ハーフトラックの車体にM1 57mm砲を搭載した自走対戦車砲型。

      • SU-57:
        T48がソ連に供与された際の名称。

  • 自走榴弾砲型(HMC*2
    • T12 HMC 75mm/105mm自走榴弾砲:
      M3ハーフトラックの車体に75mmあるいは105mm榴弾砲を搭載した自走榴弾砲型。
      アメリカ海兵隊により使用された。

    • T30 HMC 75mm自走榴弾砲:
      M3ハーフトラックの車体にM1A1(M116)75mm榴弾砲を搭載した自走榴弾砲型。
      自由フランス軍にも供与され、後にインドシナ戦争で使用された。

    • T38 HMC 105mm自走榴弾砲:
      M3ハーフトラックの車体にM3 105mm榴弾砲を搭載した自走榴弾砲型。
      T19 HMCの生産が軌道に乗ったため、キャンセルされた。

    • T19 HMC 105mm自走榴弾砲:
      M3ハーフトラックの車体にM2A1 105mm榴弾砲を搭載した自走榴弾砲型。

  • 自走迫撃砲型(MMC*3
    • M4 MMC 81mm自走迫撃砲:
      M2ハーフトラックの車体にM1 81mm迫撃砲を車体に対して後向きに搭載した自走迫撃砲型。
      • M4A1 MMC 81mm自走迫撃砲:
        M4の一部改良型。
        M21自走迫撃砲の製造が軌道に乗るまでの繋ぎという扱いであったが600両が生産された。

    • M21 MMC 81mm自走迫撃砲:
      M3ハーフトラックの車体にM1 81mm迫撃砲を車体に対して前向きに搭載した自走迫撃砲型。

  • 自走対空砲型(MGMC*4
    • M13 MGMC 自走対空砲:
      M3ハーフトラックの車体に「M33」2連装M2 12.7mm重機関銃架を搭載した自走式対空砲型。

      • M14 MGMC 自走対空砲:
        廉価版のM5ハーフトラックの車体に「M33」2連装M2 12.7mm重機関銃架を搭載した自走式対空砲型。

    • M16 MGMC 自走対空砲:
      M3ハーフトラックの車体に「M45D」4連装M2 12.7mm重機関銃架を搭載した自走式対空砲型。
      戦闘室上端の装甲が折りたたみ式になっている。
      戦後、陸上自衛隊にも供与された。

      • M16A1 MGMC 自走対空砲:
        通常型M3ハーフトラックの車体に「M45F」4連装M2 12.7mm重機関銃架を搭載した自走式対空砲型。
        戦闘室上端の装甲が折りたたみ式になっておらず、その分機銃架が高い位置に設置されている。

    • M17 MGMC 自走対空砲:
      廉価版のM5ハーフトラックの車体に「M45D」4連装M2 12.7mm重機関銃架を搭載した自走式対空砲型。

    • T10 MGMC 自走対空砲:
      M45機銃架にエリコンFF 20mm機関砲2丁を搭載した車両。
      車体はM2ハーフトラックが使用されている。

      • T10E1 MGMC 自走対空砲:
        T10の車体をM3ハーフトラックに変更したもの。
  • 自走対空砲型(CGMC*5
    • T28 CGMC 自走対空砲:
      短車体のM2ハーフトラックの車体にM1 37mm機関砲1門と水冷式のM1 12.7mm重機関銃2丁を搭載した自走式対空砲型。
      性能に問題があるとしてキャンセルされた。
      • T28E1 CGMC 自走対空砲:
        M3ハーフトラックの車体にM1 37mm機関砲1門と水冷式のM1 12.7mm重機関銃2丁を搭載した自走式対空砲型。

    • M15 CGMC 自走対空砲:
      M3ハーフトラックの車体にM1 37mm機関砲1門と空冷式のM2 12.7mm重機関銃2丁を搭載した自走式対空砲型。

      • M15A1 CGMC 自走対空砲:
        M15の銃塔部を軽量化するなどした改良型。戦後、陸上自衛隊にも供与された。

イスラエル軍での派生型

  • ハーフトラック Mk.A:
    アメリカ軍でのM3/M5に相当する兵員輸送型。
    M49リングマウントを装備していない。

  • ハーフトラック Mk.B:
    アメリカ軍でのM3/M3A1に相当する兵員輸送型。
    M49リングマウントを装備している。

  • ハーフトラック Mk.C:
    アメリカ軍でのM21自走迫撃砲に相当する81mm迫撃砲を搭載したハーフトラック。

  • ハーフトラック Mk.D「マクマト*6」:
    ソルタム社製M65 120mm迫撃砲を搭載した自走迫撃砲型。

  • M5ハーフトラック(火炎放射器搭載型):
    M5ハーフトラックに火炎放射器を搭載した車両。
    第一次中東戦争で使用された。当時のイスラエル軍による現地改修品である。

  • M5ハーフトラック(銃塔搭載型):
    M5ハーフトラックに銃塔を搭載した車両。
    第一次中東戦争で使用された。当時のイスラエル軍による現地改修品である。

  • M5ハーフトラック(6ポンド砲搭載型):
    M5ハーフトラックにイギリス製オードナンス QF 6ポンド砲を搭載した車両。
    第一次中東戦争で使用された。
    アメリカ軍のT48 GMCとほぼ同じ仕様であるが、砲と車体が両方イギリス軍仕様である点が異なる。

  • TCM-20 自走対空砲型:
    イスパノ・スイザHS.404 20mm機関砲2丁をM45機関銃架に搭載したTCM-20対空機関砲を搭載したハーフトラック。
    砲架の後部、車体後部には弾薬箱が追加設置されている。
    アメリカ軍のM16と異なり、戦闘室側面の装甲板上部は折りたたみ式ではない。

  • 装甲回収車型(Eyal大型クレーン搭載):
    助手席部分に大型クレーンを搭載したハーフトラック。
    予備履帯ラックが装備されている。

  • 装甲回収車型(Bambino中型クレーン搭載):
    後部兵員室に中型クレーンを搭載したハーフトラック。
    運転席上にラックが増設されている。

  • 無線通信車型:
    大型の通信アンテナを搭載した車両。詳細不明。

  • SS.11対戦車ミサイル搭載型:
    フランス製のSS.11?対戦車ミサイルおよび発射機4基を、兵員室前半に設置した屋根の上に搭載したハーフトラック。

  • GIAT F1 90mm砲搭載型:
    フランス製のGIAT F1 90mm砲を兵員室に搭載したハーフトラック。
    90mm砲は車体中央ではなくやや右舷寄りに搭載されており、助手席部分を切り欠いて砲身が前方に突き出している。

  • 12.7mm銃塔搭載型(南レバノン軍):
    1970年代にイスラエル軍から武器供与を受けていた南レバノン軍による改造車両。
    M3ハーフトラックの兵員室上面を装甲板で塞ぎ、側面に防弾ガラス入りの観測窓を取り付け、同じく防弾ガラス入りの観測窓付きの銃塔が設置された。


*1 Gun Motor Carriageの略。
*2 Howitzer Motor Carriageの略。
*3 Motor Mortar Carriageの略。
*4 Multiple Gun Motor Carriageの略。
*5 Combination Gun Motor Carriageの略。
*6 ヘブライ語でMargema Kveda Mitnayaat(自走重迫撃砲)の略称。

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