Last-modified: 2023-01-12 (木) 09:40:24 (149d)
【M2】 †
1935年に開発されたアメリカ陸軍の戦車。
T1戦闘車をベースとして1933年に開発されたT2軽戦車に更にいくつか改良を加え、M2A1軽戦車として制式化された。
特に目立った特長はない平凡な作りで、アメリカの基本的な戦車設計思想を定義づける嚆矢となった。
エンジン・サスペンション・キャタピラなどは以降のアメリカ製軽戦車、中戦車に踏襲されている。
M2軽戦車はM2A1〜A4まで4種類が開発され、第二次世界大戦ではほとんどが訓練用に使用されたが、M2A4軽戦車の一部は、太平洋戦線の初期やガダルカナル島の戦いで、実戦に投入されている。
また、レンドリース法成立に伴い、初めてイギリスに供与された戦車にもなった。
イギリスではM3?軽戦車と同じく「スチュアート」の愛称で呼ばれた。
スペックデータ †
乗員 | 4名 |
全長 | 4.43m |
全高 | 2.65m |
全幅 | 2.47m |
重量 | 11.6t |
懸架方式 | 垂直渦巻スプリング・サスペンション(VVSS) |
エンジン | コンチネンタルW-670-9A 空冷星型7気筒ガソリンエンジン(最大出力262hp/2,400rpm) |
速度 | 58km/h |
行動距離 | 320km |
装甲厚 | 6〜25mm |
主砲 | M5 53.5口径37mm戦車砲×1門(砲弾数103発) |
副武装 | ブローニングM1919A4 7.62mm機関銃×5挺(銃弾数8,470発) |
主なバリエーション †
- T2:
原型試作車。
リーフスプリング・サスペンションを採用した。
- T2E1:
試作軽戦車T2シリーズの発展型。
VVSS(垂直渦巻スプリング・サスペンション)を採用した。
M2A1とは砲塔形状が異なっている。
後にM2A1として採用された。
- T2E1:
- M2A1:
初期生産型。
砲塔2基を、左右並列配置(M2機銃1挺装備のキューポラ付きの左砲塔が車長兼機銃手、M1919A4機銃1挺装備のキューポラ無しの右砲塔が機銃手)で搭載している。
砲塔には12.7mm機銃×1門と7.62mm機銃×1門を搭載したほか、車体前部右側に7.62mm前方機銃を装備。
- M2A2:
二つの砲塔を持つモデル。
左右の砲塔に1丁ずつ機銃を搭載した。
- M2A2E1:
試験用車両。
ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載した。
- M2A2E2:
試験用車両。
改良型サスペンションを搭載した。
- M2A2E3:
試験用車両。
誘導輪を接地式とし、GM製ディーゼルエンジンを搭載した。
- M2A2E1:
- M2A3:
A2の装甲強化型。
装甲強化のほか、転輪間を長くし接地面積を拡大、サスペンションを改良している。
双砲塔型で、左砲塔に12.7mm機銃×1門、右砲塔に7.62mm機銃×1挺を、車体前部右側に7.62mm前方機銃を装備している。
- M2A3E1:
試験用車両。
ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載。
- M2A3E2:
試験用車両。
試作の電動型変速機を搭載。
- M2A3E3:
試験用車両。
M2A3をベースに、M2A2E3と同様の改修が加えられた。
- M2A3E1:
- M2A4:
最終生産型。
一つの大型砲塔を搭載、主砲は37mm対戦車砲を転用して搭載、副武装に7.62mm同軸機銃を、車体前部右側に7.62mm前方機銃を装備している。
また、この型から車体左右袖部のスポンソン前面に7.62mm機銃を固定装備として追加しているほか、砲塔上面に7.62mm機銃を選択装備できるようにした。
- スチュアート(Stuart):
英国に供与されたM2A4に付けられた名称。
- スチュアート(Stuart):