Last-modified: 2020-06-29 (月) 04:14:58 (1187d)
【M1903】 †
- スプリングフィールドM1903
アメリカ軍が20世紀はじめに制式採用したボルトアクション式小銃。
開発・生産はスプリングフィールド兵器廠が担当した。
性能面では特筆すべきことはあまりない。
だが、二度の世界大戦、さらに戦後も狙撃銃モデルが使用された、非常に息の長い小銃である*1*2。
第二次世界大戦の時点で後継のM1ライフルが採用されていたが、全軍への配備には当然時間が掛かるもので、結局は終戦までも第一線で使われ続けたうえ、ベトナム戦争や朝鮮戦争でも狙撃用途に用いられた。
セミオートで連射が可能なM1と比べると、手動連発式の本銃は旧式めいた印象を受けるが、長距離の射撃ではM1より高い遠射性能を発揮したようだ。
スペックデータ 全長 1,115mm 銃身長 610mm 重量 3.9kg 装弾数 5発(箱型弾倉・クリップ) 使用弾薬 .30-03スプリングフィールド・.30-06スプリングフィールド 作動方式 ボルトアクション 発射速度 15発/秒 銃口初速 823m/秒
【バリエーション】
- M1903:
.30.03(30-45)弾を使用するS型銃床の基本型。
- M1903A1:
C型銃床の改良型モデル。
- M1903A2:
A1またはA3をベースにした、砲兵の縮射訓練用モデル。
大口径火器の銃身に配置し、その小銃弾を砲弾に見立てての射撃訓練に使われた。
- M1903A3:
A1にプレス加工を取り入れたモデル。
銃把・銃床部分の形状にも差異がある。後期型は指溝のないS型銃床となった。
- M1903A4:
A3にM73またはM73B1(2.2倍スコープ)などを取り付けた狙撃用モデル。
銃床の形も改善された。1960年代まで陸上自衛隊も装備した。
- M1941:
A1にユナートル製7.8〜10倍スコープを装備した狙撃用モデル。
- M1903:
- コルトM1903
アメリカのコルト社が設計・製造した自動拳銃。
「コルト.32オート」の名で知られる。
ハンマーがスライドに内蔵されており、マニュアルセフティとグリップセフティの二つの安全装置を持つのが特徴。
しかし、初期に生産された型*4は安全装置が設けられていなかった事や撃鉄内蔵型でローディングインジケータがなく、薬室への充填状況が確認しづらい事もあり、暴発事故が多発した。
主に、第二次世界大戦時の高級将校や航空搭乗員の護身目的などで使用された。
また、小型で携行しやすいこと、撃鉄内蔵型であるために銃を隠し持ち、有事に抜き撃ちをする必要性から、諜報員や工作員にもよく使用されたといわれる。
スペックデータ 口径 .32口径(7.65mm)(M1903)
.38口径(9mm)(M1908)全長 205mm 銃身長 127mm 重量 930g 作動方式 ストレートブローバック 使用弾薬 .32ACP弾(M1903)
.380ACP弾(M1908)装弾数 8+1発(M1903)
7+1発(M1908)
【派生型】
- コルトM1908:
.380ACP弾を使用する型。
- コルトM1908:
- FN M1903
アメリカ人銃器デザイナーのジョン・ブローニングが1902年に設計し、ベルギーのファブリック・ナショナル社で製造されていた自動拳銃。
同社製の自動拳銃「M1900?」に続く製品であることから、「ブローニング No.2」とも呼ばれた。
主にベルギー、スウェーデン、ドイツ帝国、イギリス、オスマン帝国やロシア帝国などで採用された。
スウェーデン軍では制式拳銃として「m/1907」の名称で採用され、ハスクバーナ社でライセンス生産もされた。
スペックデータ 口径 9mm 全長 205mm 銃身長 127mm 重量 930g(弾薬未装填時) 使用弾薬 9mm×20 ブローニングロング弾 装弾数 7発(箱型弾倉) 作動方式 ブローバック方式
*1 儀仗用としてなら今尚現役。
*2 アメリカ沿岸警備隊では余剰品として放出されたM1903を索発射銃に改造して使用している。
*3 .30口径拳銃弾を連射できる装置。
*4 製造番号468096まで。