Last-modified: 2023-09-01 (金) 16:36:46 (94d)

【La-5】(エルアー・ピャーチ)

大祖国戦争?第二次世界大戦)期にラヴォーチキン設計局(OKB-301)*1が開発、赤軍で運用された単発単葉レシプロ戦闘機

本項では発展型のLa-7La-9La-11についても解説する。

La-5

Лавочкин Ла-5 / Lavochkin La-5

1942年9月8日以前の制式呼称はLaGG-5ЛаГГ-5)。
不具合が多く搭乗員から好まれなかった液冷エンジン搭載、木金混合構造のLaGG-3?を原型として、大直径大出力の空冷星形14気筒エンジンASh-82*2を搭載、低・中高度の運動性能に優れた機体として1941年12月に初飛行
翌年6月に最初の実戦部隊が編成され、スターリングラードの戦いで初めて実戦投入された。
低高度であればルフトバッフェメッサーシュミットBf109F型にも十分に対抗可能であった。
総生産機数は9,920機。
1944年に後継機のLa-7?へ生産ラインが移行された後も大戦の終結まで運用され続けた。

La-7

Лавочкин Ла-7 / Lavochkin La-7

1944年に実用化、同年6月から実戦投入されたLa-5FN原型の発展型。
空力特性が改善されたことにより、当時のルフトバッフェ主力戦闘機であったBf109Gに比類する飛行性能を発揮、戦争後半の赤軍による大規模攻勢でYak-3と共に強力な制空戦闘機として活躍した。
戦後も1946年まで生産され、ソビエト連邦の影響が強いポーランドなど共産圏の各国に供与されており、特に北朝鮮の機体は朝鮮戦争の開戦時点における同国空軍の主力戦闘機となった。

La-9

Лавочкин Ла-9 / Lavochkin La-9

戦後の1946年から生産されたLa-7の発展型。
機体設計が大きく変更されたことにより、飛行性能が大きく向上した。
共産圏の各国へ供与されたほか、朝鮮戦争で運用された。

La-11

Лавочкин Ла-11 / Lavochkin La-11

戦後の1947年から生産されたLa-9の発展型。
航続距離増大のため燃料タンク容量が増加したほか、軽量化のため系列機で初の全金属製機体となった。

全金属製となったにも関わらず機体重量はLa-9より増加しているが、これは燃料タンク増設分の影響である。

運用国

  • La-5
    • ソビエト連邦
    • チェコスロバキア
    • ナチス・ドイツ(鹵獲機)
    • ポーランド(装備検討のために1945年に1機を受領。最終的にYak-9P?が選ばれ不採用)
  • La-7
    • ソビエト連邦
    • チェコスロバキア
  • La-9
    • ソビエト連邦
    • ルーマニア
    • 中華人民共和国
    • 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
  • La-11
    • ソビエト連邦
    • 中華人民共和国
    • 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
    • インドネシア

性能諸元

型式La-5La-5FN
全長8.67m
全幅9.76m
全高2.54m
翼面積17.5
空虚重量2,681kg2,706kg
全備重量3,360kg3,290kg
最大離陸重量
エンジンシュベツォフASh-82 空冷星形14気筒×1基
ASh-82AASh-82FN
過給器1段2速スーパーチャージャー
出力離昇1,700hp
通常1,330hp
離昇1,850hp
通常1,460hp
プロペラ定速3翅
最高速度509km/h@0m
535km/h@0m(出力増強)
580km/h@6,250m
551km/h@0m
583km/h@0m(出力増強)
634km/h@6,250m
航続距離*3660km590km
上昇率13.8m/s17.7m/s
上昇性能
(5,000mまでの到達時間)
6分00秒(平均13.8m/s)
5分42秒(緊急出力、平均14.6m/s)
5分18秒(平均15.7m/s)
4分42秒(緊急出力、平均17.7m/s)
上昇限度9,500m10,000m
固定武装
機首ShVAK 20mm機関砲×2門
追加装備
翼下なし片側100kgずつ計200kgまでの爆弾


型式La-7La-9La-11
全長8.67m8.625m8.62m
全幅9.80m
全高2.54m3.60m3.47m
翼面積17.5617.59
翼形-TsAGI Lamimar Airfoil*4
空虚重量2,625kg2,638kg2,770kg
全備重量3,310kg3,425kg3,730kg
最大離陸重量3,996kg
燃料容量846kg
エンジンASh-82FN 空冷星形14気筒×1基
過給器1段2速スーパーチャージャー
出力離昇1,850hp
通常1,460hp
プロペラ定速3翅
最高速度579km/h@0m
613km/h@0m(緊急出力)
661km/h@6,000m
640km/h@0m
690km/h@6,250m
562km/h@0m
674km/h@6,250m
航続距離*5570km1,735km2,535km
上昇率19m/s24m/s12.6m/s
上昇性能
(5,000mまでの到達時間)
5分15秒(平均15.8m/s)
4分36秒(出力増強、平均18.1m/s)
4分42秒(平均17.7m/s)6分36秒(平均12.6m/s)
上昇限度10,450m10,800m10,250m
固定武装
機首ShVAK 20mm機関砲×2門NS-23 23mm機関砲×4門NS-23×3門
追加装備
翼下片側100kgずつ計200kgまでの爆弾

*出力増強は連続稼働10分まで。

型式

分類型式解説生産機数
生産La-5
(Ла-5)
1942年実用化。ASh-82Aエンジン搭載。
武装はShVAK 20mm機関砲×2門。
9,920
La-5F(Ф)1942年実用化。ASh-82Fエンジン搭載。
FN(ФН)1943年実用化。
ASh-82FNエンジン(ASh-82Fのガソリン直噴型)搭載。
Bf109G-2と遜色ない性能になった。
UTI(УТИ)複座練習機型。ASh-82Fエンジン搭載。
試作M-71(М-71)M-71(出力2,200hp)エンジン搭載。最高速度720km/h。
TK(TK)TK-3ターボチャージャーを備える高高度戦闘機。
最高速度660km/h@8,000m、上昇限度12,200m。
生産La-7
(Ла-7)
1944年実用化のLa-5FN発展型。
機体各部の設計変更により空力特性を改善。
6,337
La-7B-20(Б-20)武装はB-20S 20mm機関砲×3門。少数生産。
試作TK(TK)TK-3ターボチャージャーを備える高高度戦闘機。
130La-9の開発段階における呼称。試作機の名称。
生産La-9
(Ла-9)
1946年実用化のLa-7発展型。
武装はNS-23 23mm機関砲×4門。
1,882
生産La-11
(Ла-11)
1947年実用化のLa-9発展型。長距離戦闘機。
武装はNS-23 23mm機関砲×3門。
1,182



*1 現:S・A・ラヴォーチキン記念科学製造合同。
*2 M-82とも。
*3 出力90%での巡航時。
*4 層流翼。
*5 出力90%での巡航時。

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