Last-modified: 2017-07-16 (日) 07:50:00 (128d)

【KC-135】(けいしーひゃくさんじゅうご)

Boeing KC-135 "Stratotanker(ストラトタンカー)"

ボーイング社が1950年代に開発した空中給油機輸送機
B707旅客機の原型である「ボーイング367-80」をベースに開発された。

米ソ冷戦真っ只中だった当時、アメリカ空軍では核兵器の運搬手段であった戦略爆撃機航続距離を伸ばすべく、空中給油のできる機体を要求していた。
本機はこのニーズに適合する機体と判断され、B707が完成するよりも先に契約が進められ、生産も先に行われた*1

本機による空中給油は、本機が受油機に先行して飛び、後方に位置した受油機へパイプラインを接続して燃料を送り込む「フライングブーム」方式により行われる。
この方式は、送油機・受油機の両方に大掛かりな装備が必要となるものの、送油速度は「プローブアンドドローグ」方式に比べて速いという利点がある。
(なお、海軍海兵隊機や同盟国軍機への給油を想定して送油ドローグも備えられている。)

また、搭載する燃料を全て自己消費することで長い滞空時間が得られることから、各種電子機器を搭載した偵察機や空中指揮所、VIP輸送機などに改造された機体も多数ある。

本機は各型合わせて820機が生産されたが、その大部分(700機以上)が空中給油機型として完成した。
現在でもエンジンの更新や各部の補強、改修が行われた機体が多数現役にあり、2020年頃まで使用されるものと見られている。

本機及びKC-10の後継として、エアバスA330をベースにした「A330MRTT(KC-45)」、ボーイングB767をベースにした「KC-767AT(KC-46)」及びB777をベースにした「KC-777」が提案されたが、KC-767ATが「KC-46」として採用されることが決まっている*2

スペックデータ

乗員4名+兵員126名
全長41.53m
全高12.70m
全幅39.88m
主翼面積226.03
空虚重量48,220kg(KC-135A)/54,083kg(KC-135R)
最大離陸重量143,340kg
機内燃料搭載量54,430kg(給油用含む)
エンジンP&W J57-P-59Wターボジェット推力57kN)×4基
速度
高度30,180ft時)
508kt(最大)/460kt(巡航時)
海面上昇率851m/min
実用上昇限度13,700m(KC-135A)/15,240m(KC-135R)
航続距離8,640nm(他機へ給油しない場合)/3,000nm(他機へ10,890kg給油時)


主な派生型(カッコ内は生産・改修機数)

本機のバリエーションは多岐にわたるため、代表的なものを記す。
なお、RC-135系列については当該項目で記す。

KC-135系

  • KC-135A(732機):
    J57ターボジェット装備の空中給油機型。

  • KC-135B(17機):
    A型をC-135B規格に改修した型。エンジンはTF33-P-9?ターボファンを装備。
    完成後にEC-135C/Jへと改造された。

  • KC-135D:
    RC-135Aを空中給油機へと改造したモデル。

  • KC-135E(A型128機):
    空軍州兵予備役軍団向け改修モデル。
    エンジンはP&W TF33-PW-102(推力8,160kg)を搭載し、大型の水平尾翼を持つ。
    KC-135ファミリーで唯一スラストリバーサーを装備している。

  • KC-135Q(A型56機):
    超高速戦略偵察機・SR-71「ブラックバード」支援用の特殊燃料タンカー。
    航法/通信機器類を強化し、同機専用の特殊低揮発性航空燃料「JP-7」を搭載する。

  • KC-135T(54機):
    F-117「ナイトホーク」支援用にQ型をR型規格に改修した型。

  • KC-135R(389機):
    A型の近代化改修型。
    エンジンをF108?ターボファンに換装し、燃料搭載量増加とAPUの追加が行われた。

  • C-135F/FR:
    フランス空軍向けの機体。

  • KC-135AII「オフィス・ボーイ」:
    SIGINT機。
    延長されたノーズレドームと前部胴体側面の長いアンテナフェアリングが外見上の特徴である。
    1965・1966年に電子偵察装備を更新してRC-135Dとなった。

C-135系

  • C-135A"Stratolifter(ストラトリフター)"(15機(他にKC-135Aから3機改造)):
    輸送機型。

  • C-135B(20機):
    水平尾翼を拡幅し、TF33ターボファンを装備した型。

  • C-135C(3機):
    WC-135Bを輸送型に再改造した型。

  • C-135F(12機):
    フランス空軍向け空中給油・輸送型。
    プローブアンドドローグ方式の空中給油機能を実装している。

  • C-135FR(11機):
    F型をKC-135Rと同様の仕様に改修したもの。

  • VC-135A:
    VIP輸送機型。
    一部の機体は空中給油装置が付いたままでVKC-135A等とも呼ばれた。

  • VC-135B(B型11機):
    VIP輸送機型。

  • WC-135「コンスタントフェニックス」(B型11機):
    気象観測機型。

EC-135系

  • EC-135B(C-135Bから2機):
    電子戦機型。

  • EC-135C(KC-135Bから14機):
    空中指揮機型。

  • EC-135E:
    宇宙ロケット追跡観測機型。

  • EC-135G:
    EC-135Aの内部装備変更型。

  • EC-135H:
    EC-135Aの内部装備変更型。司令部用。

  • EC-135J(KC-135Bから3機とEC-135Cから1機):
    太平洋方面司令部用。

  • EC-135K(1機):
    EC-135Aを改修した戦術航空軍団の空中指揮機型。

  • EC-135L:
    空中指揮・通信中継機型。KC-135Aを改装。

  • EC-135N:
    C-135Aの特殊電子装備型。アポロ/レンジ装備。

  • EC-135P:
    EC-135Aの長距離空中指揮改装型。

  • EC-135Y(NKC-135A):
    空中実験機型。


*1 後に、B707からも「C-137」「C-18」という軍用の派生型が作られた。
*2 KC-767は日本の航空自衛隊イタリア空軍・コロンビア空軍でも採用されており、実績があった。
  ただし、アメリカ軍に納入される機体は仕様が異なるものになるという。


トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS