Last-modified: 2019-04-17 (水) 08:03:54 (7d)

【Il-62】(あいえるろくじゅうに)

旧ソ連のイリューシン設計局が1960年代〜1990年代に開発・生産した四発ジェット旅客機
ソ連初の長距離ジェット旅客機でもあった。
NATOコードは「クラシック」であった。

機体は4基のターボファンエンジンを機体後部にまとめて装備するレイアウトを取っていたが、これはスパイ活動で入手した英国のヴィッカースVC-10の設計図を模範としたことによる。
1962年に開発が始まり、1963年に初飛行
しかし量産への移行には手間取り、量産機の初飛行は1964年、路線への就航は1967年になった。

その後、より経済性の高いエンジンに換装した「Il-62M」やアビオニクスを改良した「Il-62MK」といったモデルが開発されたが、西側諸国のようなエンターテイメント設備や騒音規制に適合したエンジンを手に入れることはできなかった。

しかし、一時期は共産圏の長距離旅客機の代名詞となるほどよく用いられ、共産圏諸国では政府専用機としても多く用いられた。

結局本機は、ソ連崩壊後の1993年まで生産が続けられ*1、合計285機が生産された*2
現在ではロシアやウズベキスタンなどのCIS諸国の各航空会社や北朝鮮の高麗航空、キューバのクバーナ航空、イランの航空会社などで用いられているが、徐々に数を減らしてきている。

主な運用者

  • 民間
    • ラーダ航空(ベラルーシ)
    • 高麗航空(北朝鮮)

かつての運用者

  • 民間
    • アンゴラ
      • TAAGアンゴラ航空
    • カンボジア
      • Yana Airlines
    • 中央アフリカ
      • Centrafricain
    • 中国
      • 中国民航
    • キューバ
      • クバーナ航空
    • チェコスロバキア
      • チェコ航空
    • 東ドイツ
      • インターフルーク
    • エジプト
      • エジプト航空
    • フランス
    • ガンビア
      • New Millenium Air
    • ジョージア
      • エアゼナ*3
    • ガイアナ
      • ガイアナ航空
    • ハンガリー
      • マレーヴ・ハンガリー航空
    • インド
      • エアインディア(リース)
    • イラン
      • アリーヤー航空
    • 日本
    • カザフスタン
      • Air Kokshetau
      • Air Trust
      • DETA Air
    • ラトビア
      • Inversija Airlines, Riga
    • リビア
      • リビア航空
    • モザンビーク
      • LAMモザンビーク航空
    • ギリシャ
      • オリンピック航空
    • オランダ
    • ポーランド
      • LOTポーランド航空
    • ルーマニア
      • タロム航空
    • ソ連/ロシア
      • アエロフロート・ロシア航空
      • Aviaenergo
      • Bural
      • ダリアビア航空
      • ドモジェドヴォ航空
      • Interavia Airlines
      • KAPO Avia
      • KrasAir?
      • MAVIAL Magadan Airlines
      • ロシア航空
      • Russian Sky Airlines
      • サハリン航空
      • VIM航空
    • トルコ
      • Greenair
    • ウズベキスタン
      • ウズベキスタン航空
    • ウクライナ
      • ウクライナ航空
      • Ukraine Air Enterprise
    • ベトナム
      • Mekong Air International
    • ザイール
      • Pride African International

  • 軍用/政府
    • チェコスロバキア政府
    • キューバ空軍
    • 国家人民軍航空軍(東ドイツ)
    • ドイツ空軍
    • モザンビーク空軍
    • ルーマニア空軍
    • ソ連空軍

スペックデータ

乗員5名
乗客数168〜186名
全長53.12m
全高12.35m
翼幅43.20m
翼面積279.55
空虚重量71,600kg
最大離陸重量165,000kg
燃料容量105,300リットル
エンジンソロヴィヨフ D-30KUターボファン×4基(出力107.9kN)
最高速度900km/h
航続距離10,000km(ペイロード10,000kg時)
実用上昇限度12,000m(最高巡航高度)
上昇率18m/s


バリエーション

  • Il-62:
    初期生産型。
    エンジンはクズネツォフNK-8?ターボファン×4基(出力103kN)を搭載。

  • Il-62M:
    改良型。
    エンジンはソロヴィヨフ D-30KUターボファン×4基(出力107.9kN)を搭載し、貨物搭載装置、自動操縦装置、ウイングスポイラーなどが近代化・アップグレードされ、搭載燃料容量が増加している。

  • Il-62MK:
    主翼構造や着陸装置を強化した型。
    内装も変更され、西側機のコンセプトが取り入れられている。
    また航行機器もアップグレードされ、慣性航法装置が導入された。

  • Il-62MGr:
    M型の貨物輸送型


*1 原因として、後継機になるはずだったIl-86用の高バイパス比エンジンが入手できず、航続距離が短くなってしまったことがあげられる。
*2 これは模範とした英国のVC-10に比べればはるかに多い数字である。
*3 現ジョージアン・エアウェイズ。

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