Last-modified: 2021-05-08 (土) 20:44:59 (759d)
【GBU-39】 †
GBU-39 Small Diameter Bomb (SDB)
ボーイングが製造する新型誘導爆弾、SDBシリーズの基本型。
SDBはその名のとおり弾体の直径が小さく、日本語では直訳の「小直径爆弾」で呼ばれることもある。
従来の航空爆弾に比べて細いことにより、以下のメリットが期待される。
- 少量の炸薬により、ピンポイント爆撃時に目標以外の周囲へ与える被害を軽減することが出来る。
- 全長がAIM-120の半分程度になり、F-22やF-35などの狭いウェポンベイに多数の爆弾を装填可能となる*1。
- 貫通力が高く、小型軽量ながらコンクリート製掩蔽壕を貫通することが出来る*2。
また有効射程を伸延するため、投下後は"Diamond Back"と呼ばれる菱形の主翼を展開して滑空する。
基本型である本型はJDAM等と同様のGPS・INS誘導式となっている。
派生型として、赤外線画像誘導機能を追加して車両などの移動目標に対応したGBU-40が存在する。
また、データリンクや複合センサーなどを追加して誘導能力を高めたGBU-53「ストームブレイカー（SDB-�供法廚�開発中*3。
（上からAIM-9、GBU-39、ペイブウェイ）
スペックデータ †
| 長さ | 70.8インチ（約1.8m） |
| 横幅 | 7.5インチ（19cm） |
| 重量 | 285ポンド（約130kg） |
| 信管 | ESAF（Electronic safe and fire：電気式安全発火信管） 操縦席で触発モードと遅延モードが選択できる。 |
| 弾頭 | 貫通爆散破片弾（鋼製ノーズコーンあり）（GBU-39/B） 超低断片化爆散弾（GBU-39A/B） 貫通爆散破片弾（鋼製ノーズコーンなし）（GBU-39B/B） |
| 弾頭重量 | 206ポンド（約93kg） 36ポンド（約16kg）、AFX757 低感度爆薬を使用（GBU-39/B・GBU-39B/B） 137ポンド（約62kg）、AFX1209 "MBX*4"を使用（GBU-39A/B） |
| 誘導方式 | GPS/INS誘導（GBU-39/B・GBU-39A/B） GPS/INS誘導+セミアクティブレーザー誘導（GBU-39B/B） INSと連携したGPS/デュアルバンドデータリンク セミアクティブレーザー誘導/赤外線誘導*5/ミリ波アクティブレーダー誘導（GBU-53/B） |
| CEP | 5〜8m（SDB-�汽轡蝓璽此� 1m（GBU-53/B（SDB-�供法� |
| 最大射程 | 60海里（110km） 45海里（72km）（移動目標） |
バリエーション †
- GBU-39A/B「SDB Focused Lethality Munition（FLM）」：
弾頭を高密度不活性金属爆薬（DIME）にした型。
- GBU-39B/B「Laser-SDB」：
レーザー誘導爆弾型。セミアクティブレーザー誘導式。
- GBU-40/B：
自動目標識別式の赤外線誘導シーカーを追加した型。
戦闘車両のような熱を発する移動目標攻撃用だとされる。
- GBU-53B「ストームブレイカー（SDB-�供法廖�
データリンクや複合センサーなどを追加して誘導能力を高めた改良型。
F-15E、F/A-18E/F、F-35に搭載される。
- Ground Launched Small Diameter Bomb（GLSDB）：
サーブとボーイングが共同開発した地上発射モデル。
SDBにM26ロケットモーターを取り付けたもので、最大射程は150km。
M270「MLRS」やHIMARSに使われるM26発射ポッドと互換性がある。
*1 BRU-61/Aキャリッジ2基を使用すれば、F-22の中央ウェポン・ベイに最大8発のSDBが搭載できる。
*2 ただしバンカーバスターが用いられるような地下壕への爆撃には適さない。
*3 こちらの主契約者はレイセオン?。
*4 multiphase blast explosive.
*5 非冷却型赤外線カメラを使用。
