Last-modified: 2016-10-20 (木) 21:00:29 (247d)

【G3】(じーすりー)

Heckler & Koch G3

西ドイツ(現ドイツ)のH&K社が開発した7.62mmNATO弾規格の自動小銃
ソビエトのAK47、アメリカのM16、ベルギーのFALと並んで冷戦期を代表する突撃銃である。

起源は第二次世界大戦末期にナチ政権下で開発されていたStG45突撃銃まで遡る。
完成を待たずに終戦を迎えた後、スペインへ渡ったドイツ人技術者らの手により「セトメ?」突撃銃として結実した。

一方、そのころの西ドイツ陸軍はベルギーからFALを輸入し、「G1」の呼称で採用していた。
しかしドイツ国内でのライセンス生産が許可されなかったため調達に不安があり、国産自動小銃の開発が模索されていた。
セトメのパテントを買い戻して技術者を呼び戻し、改良を加えて完成したものが現在のG3である。

この銃が持つ構造上の特徴は、ローラーロッキングディレイドブローバックの組み合わせである。
MG42機関銃を参考にしつつ、ショートリコイル?ではなく銃身固定の擬似閉鎖機構によるディレイドブローバックを採った。
これらにより発射時の反動やブレを抑えており、7.62mm口径の銃としてはフルオート時を含め高い命中精度を誇る。

一方でこの機構は複雑であり、信頼性維持のために硬度・精度の高い部品を要求する。このためコストが高く整備も煩雑である。
また、自動火器では一般的なホールドオープン機能があえて廃されており、弾倉交換後に再度コッキング?が必要になる。
また薬室に弾を残したまま弾倉交換するタクティカル・リロードも、ボルトに負担をかけるとして推奨されていない。
ローラーロッキングという特殊な閉鎖機構の関係上、ボルトを前進させるスプリングが強力で初弾装填・コッキングがやりづらい。

製造元のH&K社はシェア拡大のためにG3を設計ベースとして多彩な小火器を開発している。
もっとも、それらは総じて性能面で高い評価を得ているものの、高級志向が災いして商業的には振るわずに終わっている。

例外的に短機関銃MP5は多大な成功を収めているが、評価されるまでにかなり時間がかかっている。

同社製のG36が登場するまで長く制式採用が続けられ、現在でもマークスマンライフルとして一部が現役である。
H&K社の商品カタログからは除籍されたが、第三世界各国でのライセンス生産(不法デッドコピー含む)が未だ続いている。

関連:PSG-1? MSG-90? MP5

スペックデータ

種別自動小銃
口径7.62mm
全長1,026mm
銃身長450mm
重量4,410g
装弾数20発(箱型弾倉)
30発、43発(箱型弾倉)
50発(ドラム型弾倉)
使用弾薬7.62mm NATO弾
作動方式ローラー・ロッキング/ディレイド・ブローバック
発射速度600発/分
銃口初速790m/秒
有効射程500m

主なバリエーション

7.62mm×51NATO弾モデル

  • G3:
    基本モデル。
  • G3A1:
    MP40やAKMSに類似した回転式フォールデングストックモデル。
  • G3A2:
    ドラム式リアサイトモデル。
  • G3A3:
    樹脂製の固定式ストック、ハンドガードを装備するモデル。最も普及している。
    • G3A3A1:
      G3A3の両手利きトリガーグループモデル。
    • G3A3ZF:
      G3A3にスコープを搭載したモデル。
  • G3A4:
    G3A3の伸縮型ストックモデル。
    • G3A4A1:
      G3A4の両手利きトリガーグループモデル。
    • G3KA4:
      G3A4のカービンモデル。
      • G3KA4A1:
        G3KA4の両手利きトリガーグループモデル。
  • G3A5:
    G3A3のデンマーク向けモデル。
    デンマーク軍ではGv m/75の名称で制式化された。

  • G3A6:
    G3A3のイラン向けモデル。

  • G3A7:
    G3A3のトルコ向けモデル。
    • G3A7A1:
      G3A4のトルコ向けモデル。
  • G3P4:
    G3A4にパキスタン・オーディナンス・ファクトリー(POF*1)社製のニ脚を付けたモデル。

  • G3-TGS:
    HK79?グレネードランチャー搭載モデル。

  • Ak4:
    G3A3のスウェーデン製作モデル。
    M203グレネードランチャー、光学サイトが装着できる。
    • Ak4HV:
      Ak4のサイトを取り外し、着脱式光学機器内蔵キャリングハンドルを装備したモデル。

  • BA-63:
    G3A3のミャンマーでのライセンス生産モデル。
    グリップや銃床など一部の部品が木製に変更されている。

  • BA-100:
    G3A3ZFのミャンマーライセンス生産モデル。

  • G3SG/1:
    精度の良い個体に命中精度を向上させる改良を施し、ニ脚やスコープを付けたマークスマンライフルモデル。

  • G8:
    HK11をドイツ国内向けにしたモデル。

  • G3 BP:
    アメリカのArmament Research社が作ったブルパップ式ライフル。

再設計モデル

  • PSG-1:
    G3をベースに再設計された狙撃銃。

  • MSG-3:
    G3をベースに再設計された狙撃銃。
    G3タイプの狙撃銃のなかで一番G3に近い、MSG-90タイプのストックを装備する。

  • MSG-90:
    PSG-1を軽量化・低コスト化したモデル。フロントサイトがあるA1もある。

  • PSR-90:
    パキスタン・オーディナンス・ファクトリー社製が独自に開発したフロントサイトなしのG3SG/1にPSG-1のストックを組み合わせたモデル。

  • ブルパックG3:
    イランの防衛産業機構(DIO)がG3をブルパップ化したもの。

  • HSG-1:
    ルクセンブルクのLUXDEFTECがPSG-1にオリジナルパーツをつけたもの。

  • MSG-90 SDN:
    メキシコのSEDENA社がMSG-90の銃床の顔当てとハンドガードを木製にしたもの。

  • PTR91:
    アメリカのPTR-91 Inc.社が製造するG3。
    ハンドガードはPTR-91 Inc.社のオリジナルパーツを装備する。

  • MSG 91:
    アメリカのPTR-91 Inc.社が製造するG3タイプの狙撃銃。
    ハンドガードはオリジナルで、マグプル社のPRS2ストックを装備している。

  • BA-72:
    BA-63の短銃身化モデル。
    ハンドガードを縮小したためG3Kとは別物である。

HKシリーズ

  • HK11:
    ドラム弾倉式式軽機関銃(分隊支援火器)。

  • HK21:
    弾帯式式汎用機関銃。

  • HK41:
    G3の民間向けモデル。

  • HK91:
    HK41の改良型。フルオート機構を追加出来ないようにした。

  • SR9:
    HK91にサムホールストックを装備したモデル。

  • SR9(T):
    SR9にPSG-1タイプのトリガとピストルグリップ、MSG-90タイプのストックを装備したモデル。

  • SR9(TC):
    SR9にPSG-1タイプのトリガとピストルグリップ、ストックを装備したモデル。

  • XR41:
    HK41をイギリスのセイブルディフェンス社がライセンス生産したもの。

社外カスタムガン

  • HK51:
    HK91をサブマシンガンサイズに切り詰めたモデル。
    アメリカのガンスミスの作品で、規制に合わせ銃身が突き出ている。

  • MC51:
    イギリスのFRオーディナンス製カスタムガンで、G3をサブマシンガンサイズに切り詰めたモデル。

  • MC51 SD:
    イギリスのFRオーディナンス製カスタムガンで、MC51に内装式サイレンサーを装備したモデル。

7.62mm×39弾モデル

  • HK32:
    AK-47と共通の弾薬・弾倉を用いるモデル。

  • HK32KA3:
    カービンモデル。

  • PK7:
    パキスタン・オーディナンス・ファクトリー社製のオリジナルカービン。G3A3がベース。

  • SW-32:
    アメリカのSpecial Weapons社が製造するモデル。

  • PTR32:
    アメリカのPTR-91 Inc.社が製造するHK32。
    ハンドガードはPTR-91 Inc.社のオリジナルパーツである。

5.56mm×45弾モデル

  • HK33:
    5.56mm口径突撃銃
    • HK33K:
      カービンモデル。

  • T223:
    HK33のアメリカのH&R Firearmsでのライセンス生産モデル。

  • T43:
    HK33A2のトルコMKE社でのライセンス生産モデル。

  • PK8:
    パキスタン・オーディナンス・ファクトリー社製のG3A3ベースのオリジナル。
    G3A3の装填口に新設計部品を付けHK33用マガジンが使えるようにしている。

  • T50:
    トルコのMKE社が独自に開発したもの。
    独自のハンドガードと半透明マガジンとM4カービンの伸縮式銃床、ピカティニー・レールを装備している。
    G36タイプの折りたたみ式銃床を装備したものもある。

  • HK33SG/1:
    命中精度を上げ、ニ脚を付けたマークスマンライフルモデル。

  • T12:
    トルコのMKE社が独自に開発した狙撃仕様のモデル。
    HK33のバレルを延長し、リアサイトを取り外し、PSG-1のストックとピカティニー・レールのハンドガードを装備している。

  • 11式:
    タイ製。HK33をブルパップ化したもの。
    サイトがM16タイプになっており、ステアーAUGタイプのバーティカル・フォアグリップが付いている。

  • HK13:
    HK11の5.56mm口径版。

  • HK23:
    HK21の5.56mm口径版。米軍のトライアルにおいてM249に敗れた。

  • HK43:
    HK33の民間向けモデル。

  • HK53:
    サブマシンガンサイズに切り詰めたモデル。

  • HK93:
    HK43の改良型。フルオート機構を追加出来ないようにした。

  • G41:
    M16と共通の弾薬・弾倉を用い、ポリゴナルライフルを備える、NATO?トライアル仕様。
    イタリア軍トライアルにおいてベレッタAR70/90に敗れた。

  • G13:
    マガジン装填式軽機関銃。
    M16マガジンと互換性を持つ、NATO?トライアル仕様。

MP5シリーズ

  • MP5
    G3ベースの短機関銃。詳しくは項を参照。


*1 Pakistan Ordnance Factories.

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