Last-modified: 2021-01-24 (日) 05:08:49 (89d)

【Fw190】(えふだぶりゅういちきゅうまる)

Focke-Wulf Fw190 "Würger*1".

フォッケウルフ社が開発した戦闘機。
第二次世界大戦後半のドイツ空軍主力戦闘機で、レシプロ軍用機を代表する機体の一つ。
Bf109の補完、あるいは量産中に不測の事態が発生した場合の保険として開発された機体である。

Bf109とは対照的に頑丈で、前線における酷使にも耐えられ扱いやすかった上、中・低高度ではBf109をしのぐ高性能を発揮した。

1941年の登場と同時に最新鋭のスピットファイアMk.を圧倒し、英仏海峡の航空優勢を奪い取るほどの活躍を見せた。
その後、BMW?空冷エンジンを積んだA型の他、液冷エンジン搭載した高々度戦闘機型のD型、戦闘爆撃機型のF、G型などの改良型も開発され、終戦までに20,000機以上生産された。

参照:フォッケウルフ? メッサーシュミット ルフトバッフェ スピットファイア

スペックデータ(Fw190A-3)

乗員1名
全長8.80m
全高3.95m
全幅10.50m
翼面積17.70
自重2,900kg
最大重量3,980kg
発動機BMW 801Dg 空冷星形複列14気筒(出力1,800馬力)×1基
速度
(最高/巡航)
610km/h / 500km/h
上昇限度10,600m
航続距離864km
武装MG17s 7.92mm機銃×2挺、MG151/20 20mm機関砲×4挺

バリエーション(カッコ内は生産機数)

  • Fw190V:
    原型機。

    • Fw190V1:
      試作1号機。BMW139エンジン(出力1,550hp)を搭載する。
      機首は短いカウルに、プロペラ基部を丸ごと覆う巨大なスピナーを装備する特徴的な外見を持つ。
      しかし、冷却能力は不足していたため、1940年1月には通常の機首形状に変更された。

    • Fw190V2:
      試作2号機。
      両翼にMG17 7.92mm機関銃とMG131 13mm機関銃を1丁ずつ装備した。
      若干の改良の上でV1と同じ機首形状を採っていた。
      1号機と同じく、冷却能力の不足により1940年1月に通常の機首形状へと変更された。

    • Fw190V3:
      試作3号機。交換部品のストック用。

    • Fw190V4:
      試作4号機。破壊・強度試験用。

    • Fw190V5:
      試作5号機。
      エンジンは開発中止となったBMW139の代わりにBMW801C-0(離昇出力1,600hp)を搭載する。
      従来の全幅9.515m、翼面積が14.90屬亮舁磴鯀備したV5kの他に、全幅10.5m、翼面積が18.30屬梁膩人磴鮑陵僂靴V5gが生産されて試験の結果、V5gが採用された。

  • Fw190A-0(28機):
    先行量産型。
    通常主翼型と翼幅延長型の2種類がある。

  • Fw190A-1(102機):
    最初の本格的量産型。
    エンジンはBMW 901C-1(出力1,660hp)を搭載。
    武装はMG17 7.92mm機銃×4挺(弾数各900発)、MGFF 20mm機関砲×2挺(弾数各55発)。

  • Fw190A-2(426機):
    降着装置を強化し、主翼付け根のMG17をMG151/20 20mm機関銃(弾数各250発、ベルト給弾・プロペラ同調式)へ変更。
    武装はMG17×2挺、MG151/20×2挺、MGFF×2挺。
    エンジンはBMW 801C-2を搭載。

  • Fw190A-3(509機):
    エンジンをBMW801D-2(離昇出力1,700hp)に変更した型。

    • Fw190A-3/U1/U3:
      A-3に500kgまでの爆弾搭載能力を追加した近接支援型。

    • Fw190A-3/U4:
      偵察機型。
      20mm機関砲を2丁に減らし、カメラを搭載した。

    • Fw190TL*2
      Fw-190A-3をベースにしたジェット推進の実験機型。
      エンジンはT1ターボジェットエンジン(推力6kn/600kg)で二段式遠心圧縮機、アニュラー型燃焼室、単段式タービンのターボジェットを搭載予定だった。
      1943年に計画中止。

  • Fw190A-4(906機):
    BMW801D-2エンジンにMW50 水メタノール噴射装置を追加した出力強化型(出力2,100hp(水メタノール噴射時))。

    • Fw190A-4 Trop:
      エンジンに防砂フィルターを装着した熱帯仕様。

    • Fw190A-4/R6:
      水メタノール噴射装置を撤去し、翼下にロケット弾を搭載可能にした型。

    • Fw190A-4/U8:
      20mm機関砲を2丁に減らし、増加燃料タンクを搭載可能にした型。

  • Fw190A-5(723機):
    エンジンの取付架を前方に152.5mm延長し重心位置を修正した型。

    • Fw190A-5/U2:
      消炎マフラーを装備する夜間戦闘機型。

    • Fw190A-5/U14:
      魚雷を搭載可能にした対艦攻撃型。

    • Fw190A-5/U12:
      翼下に20mm機関砲ポッドを装備する武装強化型。

  • Fw190A-6(569機):
    主翼外翼のMGFFをMG151/20 20mm機関銃(弾数各125発)へ変更した型。
    武装はMG17×2挺、MG151/20×4挺。
    コックピット周辺に防弾装甲が付されている。

    • Fw190A-6/R1:
      武装を20mm機関砲×6門を装備する型。

    • Fw190A-6/R2:
      20mm機関砲1丁を30mm機関砲に変更した型。

    • Fw190A-6/R3:
      翼下に30mm機関砲×2挺を装備した型。

    • Fw190A-6/R6:
      ロケット弾ポッドが搭載可能な型。

  • Fw190A-7(80機):
    Fw190A-5/U9の制式化モデル。
    機首のMG17をMG131 13mm機関銃×2挺(弾数各475発)へ変更。
    武装はMG131×2挺、MG151/20×4挺。

  • Fw190A-8(約8,300機):
    A-7型に若干の改良を加えた型。
    コックピット直後に115リットルの出力増強装置用のタンク(燃料・亜酸化窒素(GM-1)・水メタノール(MW50)のいずれか)を増設。
    武装は主翼外翼のMG151/20をMK108 30mm機関砲(弾数各55発)へ変更した。
    突撃仕様のR2、R8仕様の場合はMG131×2挺、MG151/20×2挺、MK108×2挺。
    一部の機体には新型のBMW801TUエンジン(離昇出力1,810hp)を搭載した。
    キャノピーを視界が向上した「ガーラント・ハウベ」へ変更した機体も生産された。

    • Fw190-A-8/R7:
      装甲付き操縦席を装備する型。

    • Fw190-A-8/R11:
      暖房装置付き操縦席を装備する全天候型。

    • Fw190-A-8/U1:
      複座練習機型。

    • Fw190-A-8/U3:
      ミステル特攻機)誘導機改修型。

  • Fw190A-9(少数機):
    エンジンをBMW801TS/TH(離昇出力2,000hp)に、キャノピーを「ガーラント・ハウベ」に変更。
    エンジンに14枚タイプの強制冷却ファンと幅の広いDVM9-12157H3木製プロペラを装備。

  • Fw190A-10:
    ターボ過給器を備えたBMW 801F-1エンジンを搭載した高高度戦闘機型。計画のみ。

  • Fw190B:
    出力強化型のBMW 801を搭載した高々度性能改良型計画機。各種テスト機が製作された。
    GM-1出力強化装置を装備し、与圧キャビンも装備した。

  • Fw190C(9機):
    DB603エンジン搭載の高々度性能改良型計画機。
    機首の延長や主翼位置を前進させ、DB603A液冷12気筒エンジン(離昇出力1,750hp、高度10000mで950hp)を搭載した。
    基本型のC-0型、与圧キャビンの無いC-1型、与圧キャビンを装備したC-2型が生産されテストされた。

  • Fw190D-0:
    A-7にJumo213A-1液冷エンジン(離昇出力1,776hp、高度5,800mで1,600hp、高度9,800mで1,020hp)を装備した高々度戦闘機型原型機。

  • Fw190D-9「ドーラ」(約700機):
    D-0の生産型。1944年8月より生産開始。
    エンジンをユンカース社のJumo213A液冷エンジンへ換装することにより、高々度性能・最高速度・上昇力・旋回性能が向上した。
    エンジン換装により機首が長くなったため、後部胴体の50cm延長と垂直安定板を増積して重心位置を修正している。
    キャノピーは通常型と「ガーラント・ハウベ」がある。
    武装は機首にMG131 13mm機銃×2挺(弾数各475発)、主翼付け根にMG151/20 20mm機関銃×2挺(弾数各250発)。

  • Fw190D-10:
    D-9から13mm機銃を撤去し、エンジンをJumo213Cに変更した型。

  • Fw190D-11:
    Jumo213Fエンジンを搭載する型。主翼に30mm機関砲と20mm機関砲を各2門搭載。

  • Fw190D-12:
    30mm機関砲2門を機首部に装備した型。

  • Fw190D-13:
    30mm機関砲を20mm機関砲に変更した型。

  • Fw190E:
    戦闘偵察機型の提案型。製作されず。

  • Fw190F-1:
    A-4を基にした戦闘爆撃機型。
    対空砲火に備え胴体下面、燃料タンクなどの装甲強化、外翼のMG151/20 20mm機関銃の撤去、胴体下に爆弾架を装備。

  • Fw190F-2:
    A-5を基にした型。武装はF-1と同様。

  • Fw190F-3:
    F-2の改良型。両主翼下にも爆弾架を装備。

    • Fw190F-3/R1:
      翼下にETC50爆弾を搭載可能とした型。

    • Fw190F-3/R3:
      翼下に30mm機関砲×2門を装備した型。

  • Fw190F-8:
    A-8を基にした型。
    後期生産型はキャノピーを「ガーラント・ハウベ」に変更している。

    • Fw190F-8/U2/U3:
      BT700及びBT1400爆弾の搭載能力を付与した対艦攻撃型。

  • Fw190F-9(少数):
    A-9の対地攻撃機改修型。
    A-9と同様エンジンはBMW801TS、キャノピーは「ガーラント・ハウベ」へ変更されている。

  • Fw190G-1:
    A-4を基にした長距離戦闘爆撃機型。
    主翼付け根のMG151/20 20mm機関銃×2門、胴体下に爆弾架、両主翼下に300リットル入り増槽が標準装備。

  • Fw190G-2:
    A-5を基にした型。

  • Fw190G-3:
    A-6・A-7を基にした型。PKS11自動操縦装置を追加。

  • Fw190G-8:
    A-8を基にした型。両主翼下にも爆弾架を装備。

  • Fw190S-5:
    A-5を基にした複座練習機型。
    後席は教官席で簡単な操縦装置が追加されている。
    非武装で、キャノピーは前・後席とも右上方へ開く。

  • Fw190S-8:
    A-8を基にした型。
    教官席のキャノピー側面が改修され視界が向上している。

  • Ta152:
    Fw190D-9の発展型。詳細はTa152?を参照。


*1 百舌の意。
*2 ドイツ語でTurbolader Strahltriebwerk(ターボジェットエンジン)の略称。

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