Last-modified: 2021-06-08 (火) 17:38:05 (134d)

【F6F】(えふろくえふ)

Grumman F6F "Hellcat(ヘルキャット)*1".

グラマン社が開発し、第二次世界大戦の中盤以降で使用された艦上戦闘機
海軍航空隊の主力戦闘機だったF4F「ワイルドキャット」の後継機として1938年から開発が開始され、1942年に原型機が初飛行。
翌年、日本海軍と対峙する太平洋戦線から実戦配備された。

機体は低翼配置の主翼や油圧式の引き込み脚を持ち、生存率を高めるため操縦席周りには装甲板と防弾処理された風防を有していた。
また、燃料搭載量もF4Fの二倍となっており、さらに胴体下にも増槽を装備することができた。

性能面では突出したものこそ持っていなかったが、どんなパイロットにも対応できる良好な操縦応答性と構造の頑丈さを併せ持ち、一方でその見た目に反し、日本軍パイロットにも一目置かれるほどの良好な運動性能を持っていた。

戦歴では大戦中盤以降、F4Uと共に機動部隊の主力戦闘機として活躍*2陸軍P-38P-47P-51と共に、零戦を擁する日本海軍から太平洋の航空優勢を奪取した*3
また、対潜攻撃ではTBF/TBM「アベンジャー」雷撃機と組んで、ハンターキラーのハンター役を担当し、レーダーを搭載したタイプは夜間戦闘機としても活躍した。

第二次世界大戦終盤にはF4Uの不具合解消による本格的な配備によって第一線から引き上げられ、終結後はフランスをはじめとする西側諸国に売却され各国で運用された。

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スペックデータ

タイプF6F-3F6F-3N
乗員1名
全長10.24m
全高4.39m
全幅13.06m/4.93m(主翼折り畳み時)
主翼面積31.03
空虚重量4,176kg4,232kg
総重量5,704kg5,904kg
翼面荷重183.82kg/190.27kg/
燃料容量946リットル(250gal)
エンジンP&W R-2800-10W「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒×1基
(離昇2,000hp/2,110hp(最大))
プロペラハミルトンスタンダード3枚翅(プロペラ直径:4m)
最高速度599km/h(高度5,486m)579km/h(高度5,486m)
降下制限速度769km/h
航続距離*42,157km1,988km
実用上昇限度11,826m11,613m
海面上昇率16.51m/s15.70m/s
上昇力20,000ftまで7分20,000ftまで7分24秒
固定武装ブローニングAN/M2 12.7mm機関銃×6門(弾数計2,400発)
爆装以下の組み合わせで最大搭載量1,814kgまでの兵装を搭載可能。
胴体下搭載:
2,000/1,600/1,000/500ポンド爆弾×1発
Mk.13航空魚雷×1発
「テイニー・ティム」大型空対地ロケット弾×1発

翼下搭載:
1,000/500/250ポンド爆弾×2発
100ポンド爆弾×6発
HVAR*5/FEAR*6 5インチロケット弾×6発
「テイニー・ティム」大型空対地ロケット弾×2発


タイプF6F-5F6F-5N
乗員1名
全長10.24m
全高4.39m
全幅13.06m/4.93m(主翼折り畳み時)
主翼面積31.03
空虚重量4,190kg4,191kg
離陸重量5,779kg5,797kg
翼面荷重186.24kg/186.82kg/
燃料容量946リットル(250gal)
エンジンP&W R-2800-10W「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒×1基
(離昇2,000hp/2,110hp(最大))
プロペラハミルトンスタンダード3枚翅(プロペラ直径:4m)
最高速度611km/h(高度7,132m)629km/h(高度5,730m)
降下制限速度796km/h(初期型)
815km/h(機体番号71098以降)
航続距離*71,759km2,631km
実用上昇限度10,272m11,278m
海面上昇率15.14m/s13.61m/s
上昇力20,000ftまで7分42秒20,000ftまで8分30秒
固定武装ブローニングAN/M2 12.7mm機関銃×6門(各門弾薬400発)
または
イスパノ・スイザAN/M3? 20mm機関砲×2門(各門弾薬225発)
+
AN/M2 12.7mm機関銃×4門(各門弾薬400発)
爆装以下の組み合わせで最大搭載量1,814kgまでの兵装を搭載可能。
胴下搭載:
2,000/1,600/1,000/500ポンド爆弾×1発
Mk.13航空魚雷×1発
「テイニー・ティム」大型空対地ロケット弾×1発

翼下搭載:
1,000/500/250ポンド爆弾×2発
100ポンド爆弾×6発
HVAR*8/FEAR*9 5インチロケット弾×6発
「テイニー・ティム」大型空対地ロケット弾×2発

派生型

  • XF6F-1:
    原型機。エンジンはライト R-2600-10(1,600hp)を搭載。

  • XF6F-2:
    改良型原型機。エンジンは排気タービン付きのR-2800-16を搭載。
    完成前にXF6F-3へと改装。

  • XF6F-3:
    原型2号機。XF6F-1およびXF6F-2からの改装。
    エンジンはR-2800-10(2,000hp)を搭載。

  • XF6F-3N:
    F6F-3N原型機。

  • XF6F-4:
    原型機。F6F-3より1機改装。
    エンジンは2段過給器付きのR-2800-27(2,100hp)を搭載。

  • XF6F-6:
    強化型原型。F6F-5から2機改装。
    エンジンは水噴射装置付のR-2800-18W(2,450hp)を搭載し、プロペラも4翅に換装した。
    次世代機であるF8F「ベアキャット」?が完成していたため量産されず。

  • F6F-3:
    XF6F-3に準ずる初期生産型。

  • F6F-3E:
    F6F-3の夜間戦闘機改装型。右主翼下にAN/APS-4レーダーを搭載。

  • F6F-3N:
    夜間戦闘機型。右主翼下にAN/APS-6レーダーを搭載。

  • F6F-3P:
    写真偵察機型。

  • F6F-5:
    改良量産型。F6Fシリーズでは最多生産機。
    カウリングエルロン風防、尾部を若干設計変更し、防弾装備が強化された。
    エンジンは水噴射装置付のR-2800-10W(2,200hp)を搭載。

  • F6F-5K:
    標的曳航機型。
    武装を撤去し吹き流しを巻き取るウインチなどを追加、機体色はオレンジに塗装されている。
    標的機など無人航空機の試験機としても利用されたほか、朝鮮戦争時にはA-1から遠隔操作する飛行爆弾としても使用された。

  • F6F-5N:
    夜間戦闘機型。右主翼下にAN/APS-6レーダーを搭載。
    一部は機関銃を換装し、AN/M2 20mm機銃×2門、12.7mm機銃×4門を装備。

  • F6F-5P:
    写真偵察機型。胴体中央部左側面にK-18偵察カメラを搭載。

  • F6F-5D:
    無人標的機型。
    尾翼は無線周波数ごとに色分けされている。

  • F6F-5DK:
    無人標的機型を飛行爆弾に改修した物。

  • ヘルキャット F Mk.機
    英海軍供与機体の英国呼称。F6F-3相当。当初はガネット Mk.気噺鴇痢

  • ヘルキャット F.Mk.供
    英国へ供与された機体の英国呼称。F6F-5相当。

  • ヘルキャット NF.Mk.供
    英国へ供与された機体の英国呼称。F6F-5N相当。
    大戦中に2個中隊が編成されたが、実戦参加は間に合わなかった。

  • ヘルキャット FR.Mk.供
    英国へ供与された機体の英国呼称。F6F-5P相当。

  • FV-1:
    カナダで製造された機体向けに用意された名称。製造されず。


*1 性悪女、意地の悪い女という意味がある。
*2 もともとの調達計画ではF4Uの方が本命であり、本機はF4Uが失敗したときに備える「保険」のような立場であった。
*3 一方、日本海軍が本機に対抗しうる性能を持った烈風を開発したのは終戦直前のことであり、工業生産力の低下と軍部の方針(紫電改への生産集中を指示された)により8機しか完成しなかった。
*4 いずれも150galタンク×1基搭載時。
*5 High Velocity Aircraft Rocket(高速航空ロケット)の略。
*6 Forward Firing Aircraft Rocket(前方発射航空ロケット弾)の略。
*7 いずれも150galタンク×1基搭載時。
*8 High Velocity Aircraft Rocket(高速航空ロケット)の略。
*9 Forward Firing Aircraft Rocket(前方発射航空ロケット弾)の略。

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