Last-modified: 2014-06-06 (金) 10:12:30 (1027d)

【F4U】(えふよんゆー)

Vought F4U "Corsair(コルセア)"(海賊の意)
チャンス・ヴォート?社がF2A「バッファロー」などの後継として開発し、第二次世界大戦中期以降に活躍したアメリカ軍艦上戦闘機

高速を実現するために大型のプロペラがつけられ、地面とのクリアランスを取りつつも降着装置の大型化に伴う重量増加を押さえるため、逆ガル翼?という珍しい翼の形を採用している。
固定武装のブローニングM2 12.7mm重機関銃6挺(一部の機体はAN/M2(イスパノ・スイザ HS.404?) 20mm機関砲4門)に加え、後期型では2,000ポンド爆弾、127mmロケット弾などが装備でき、対地・対空両面で高性能を発揮でき、非常に汎用性の高い機体だった。

1940年に試作型XF4U-1が、1942年には量産型F4U-1が初飛行し、本機はアメリカ海軍で初めて時速400マイルを突破した高性能艦上戦闘機として大きく期待されていた。
しかし、1,200馬力級エンジン及び2,000馬力級エンジンを搭載するという、当時としてはあまりに野心的な設計の機体だったため、海軍当局は本機が失敗したときのための保険として、同時にF6F「ヘルキャット」の設計をグラマンに命じていた。

そして、本機は実際に艦上戦闘機としては使いづらい機体になっていた。
まず、機首が長いため着艦時の視界が悪いうえにプロペラブレードが長く、下手をすると着艦(着陸)時に甲板(地上)にプロペラを打ちつけて破損する可能性があった。
さらに、艦上機に求められる着艦時の低速飛行時に、大出力のエンジンが生むトルクによって失速挙動を起こし容易に機体が傾くという欠点があった。
また、一部のタイプが20mm機関砲を使用していたことも問題とされ、空中戦には携行弾薬が少ない一方、対地支援には有効とされた。

そのため、当初の本機は艦上戦闘機として開発されたにもかかわらず、陸上基地に展開する海兵隊の航空部隊に優先配備され、爆弾やロケット弾を使用して地上部隊の支援をすることになり、本来の艦上戦闘機としての任務はF6Fに与えられた。
同機が艦上運用されたのは終戦間際になってからであったが、日本軍機と交戦した際には撃墜比率11:1という非常に優秀な戦果を収めた。
また、大戦中はイギリスとニュージーランドにも輸出された。

朝鮮戦争が勃発すると、それまで閉鎖されていた生産ラインが海兵隊向けに再開され、一部はフランスにも納入された。
また、米海軍の中古機がアルゼンチン・エルサルバドル・ホンジュラスに引き渡されている。
後期型にはレーダーを装備した夜間戦闘機型もあり、さらにフランスに納入された機体の一部は空対地ミサイルを搭載することができた。
朝鮮戦争ではMiG-15戦闘機を撃墜している。

その後も驚くほど長く使われ、1969年、サッカーの国際試合の判定から戦争まで発展した「サッカー戦争」で、エルサルバドルとホンジュラスの双方が本機種を用いて空中戦を行った。

IMG_5153.jpg


関連:フェルナンド・ソト?

スペックデータ

形式F4U-1AF4U-4
乗員パイロット1名
全長10.16m10.30m
全高4.90m
全幅12.50m
主翼面積29.1732.5
翼面荷重215.97kg/195.38 kg/
空虚重量?4,073kg4,175kg
最大運用重量?6,300kg6,350kg
発動機P&W R-2800-8「ダブルワスプ」
空冷星型18気筒×1基
(離昇2000馬力)
P&W R-2800-18W「ダブルワスプ」
空冷星形複列18気筒×1基
(離昇2,100馬力)
最高速度671km/h
高度6,000m)
717km/h
(高度7,986m)
巡航速度595km/h
航続距離1,634km1,618km
2,510km(外部燃料タンク装備時)
実用上昇限度11,200m12,650m
固定武装12.7mm機銃×6門
(携行弾数2,350発)
12.7mm機銃×6門
(携行弾数2,400発)
または
AN/M2 20mm機関砲×4門
(F4U-4B or F4U-4C)
兵装127mmロケット弾×4発
または
2,000ポンドまでの爆弾
127mmロケット弾×8発
または
4,000ポンドまでの爆弾


バリエーション

  • V-166:
    当機の社内呼称。

  • XF4U-1:
    XR-2800エンジン搭載する原型機の呼称。

  • F4U-1:
    R-2800-8エンジン搭載の初期生産型。海軍では使用されず。

  • F4U-1A:
    前方視界向上のための操縦席位置上昇と降着装置の改良を施した機体。

  • F3A-1:
    ブリュースター社で製造されたF4U-1の呼称。

  • FG-1:
    グッドイヤー社で製造されたF4U-1の呼称。
    主翼の折りたたみ装置が廃止されている。

  • F4U-1B:
    英国に供与された機体の米国内呼称(総称)。

  • F4U-1C:
    搭載機銃を20mm機関砲×4門に変更したモデル。

  • F4U-1D:
    水噴射装置付きR-2800-8Wエンジンを装備した戦闘爆撃機型。

  • F3A-1D:
    ブリュースター社で製造されたF4U-1Dの呼称。

  • FG-1D:
    グッドイヤー社で製造されたF4U-1Dの呼称。

  • F4U-1P:
    F4U-1を改修した写真偵察機型。

  • F4U-2:
    機上迎撃レーダーポッドを装備した夜間戦闘機型。
    搭載武装は減少している。

  • F4U-3:
    超高々度戦闘機型。
    原型機は戦後初飛行した。

  • FG-3:
    グッドイヤー社製機体を改造した超高々度飛行研究機の呼称。

  • F4U-4:
    R-2800-18Wまたは-47Wエンジンを装備した第二期生産型。

  • F4U-4C:
    F4U-4の搭載機銃をAN/M2(イスパノ・スイザ HS.404) 20mm機関砲×4門に変更した型。

  • F4U-4E:
    機上迎撃レーダーポッドを装備したF4U-4の夜間戦闘機型。
    AN/APS-4を装備。

  • F4U-4N:
    機上迎撃レーダーポッドを装備したF4U-4の夜間戦闘機型。
    AN/APS-5AN/APS-6を装備。

  • F4U-4P:
    F4U-4を改修した写真偵察機型。

  • F4U-5:
    第二次大戦中の最終生産型で、R-2800-32Wエンジンを装備した戦闘爆撃機型。

  • F4U-5N:
    機上迎撃レーダーポッドを装備したF4U-5の夜間戦闘機型。

  • XF4U-6:
    R-2800-83Wエンジンを装備した低空攻撃機型原型。

  • AU-1:
    R-2800-18Wエンジンを装備し、武装搭載量が増加した攻撃機型。XF4U-6準拠。

  • F4U-7:
    軍事援助計画によりフランス海軍へ供与された最終生産型。

  • F2G:
    R-4360エンジン(3,000hp)を搭載した、グッドイヤー社製迎撃機型原型。試作のみ

  • Corsair Mk.I:
    英国海軍におけるF4U-1の呼称。

  • Corsair Mk.II:
    英国海軍におけるF4U-1Aの呼称。

  • Corsair Mk.III:
    英国海軍におけるF3A-1Dの呼称。

  • Corsair Mk.IV:
    英国海軍におけるFG-1Dの呼称。


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