Last-modified: 2018-05-28 (月) 19:03:30 (21d)

【F4U】(えふよんゆー)

Vought F4U "Corsair(コルセア)"(海賊の意)

チャンス・ヴォート?社が第二次世界大戦中期に開発したアメリカ海軍艦上戦闘機

1940年に試作型XF4U-1が、1942年には量産型F4U-1が初飛行し、アメリカ海軍で初めて時速400マイルを突破した高速の艦上戦闘機として大きく期待されていた。
一方で設計思想に野心的な側面が見られたため、海軍当局は保険としてグラマンにも競合機種の設計を依頼していた(後のF6F「ヘルキャット」)。

そして実際、本機は艦上戦闘機としてはいくらか問題を伴っていた。
機首が長いため下方の視界が悪く、また高速化のために大型化したプロペラが地面に激突して破損する可能性がある。
さらに、2000馬力を越える大出力エンジンは低速時の機体挙動を不安定化させ、着艦作業時に失速を起こす危険性があった。
結局、艦上戦闘機としての適性は保険であったF6F「ヘルキャット」に劣るものとなった。

一方、大口径の機関銃に加え、爆弾ロケット弾など対地兵装の搭載にも対応し、攻撃機に転用可能な汎用性を備えている。
このため、本来の用途よりも攻撃機として重用され、もっぱら海兵隊の航空部隊で陸上基地から展開された。
後期型にはレーダーを装備した夜間戦闘機型もあり、最終生産型では空対地ミサイルの搭載も可能だった。

大戦中はイギリスとニュージーランドにも輸出された。
大戦終結と同時に生産ラインは閉鎖されたが、朝鮮戦争の勃発で生産再開。一部はフランスにも納入された。
アルゼンチン・エルサルバドル・ホンジュラスにも中古機が輸出されている。

朝鮮戦争が勃発すると、それまで閉鎖されていた生産ラインが海兵隊向けに再開され、一部はフランスにも納入された。
また、米海軍の中古機がアルゼンチン・エルサルバドル・ホンジュラスに引き渡されている。
冷戦下の軍拡競争で陳腐化していったが、南米では長らく主力機として扱われ、1969年の「サッカー戦争」でも実戦投入され空中戦を行っている。

関連:フェルナンド・ソト?

スペックデータ

形式F4U-1AF4U-4
乗員パイロット1名
全長10.16m10.30m
全高4.90m
全幅12.50m
主翼面積29.1732.5
翼面荷重215.97kg/195.38 kg/
空虚重量?4,073kg4,175kg
最大運用重量?6,300kg6,350kg
発動機P&W R-2800-8「ダブルワスプ」
空冷星型18気筒×1基
(離昇2000馬力)
P&W R-2800-18W「ダブルワスプ」
空冷星形複列18気筒×1基
(離昇2,100馬力)
最高速度671km/h
高度6,000m)
717km/h
(高度7,986m)
巡航速度595km/h
航続距離1,634km1,618km
2,510km(外部燃料タンク装備時)
実用上昇限度11,200m12,650m
固定武装12.7mm機銃×6門
(携行弾数2,350発)
12.7mm機銃×6門
(携行弾数2,400発)
または
AN/M2 20mm機関砲×4門
(F4U-4B or F4U-4C)
兵装127mmロケット弾×4発
または
2,000ポンドまでの爆弾
127mmロケット弾×8発
または
4,000ポンドまでの爆弾


バリエーション

  • V-166:
    当機の社内呼称。

  • XF4U-1:
    XR-2800エンジン搭載する原型機の呼称。
    後にR-2800-4(2,000馬力)を搭載。
    主翼下面の5か所に2.4kg空対空小型爆弾を4発ずつ搭載する爆弾倉を持っていた。

  • F4U-1:
    R-2800-8エンジン搭載の初期生産型。海軍では使用されず。
    通称「バードゲージ」と呼ばれる、枠の多いキャノピー形状を持つ。

    • F3A-1:
      ブリュースター社で製造されたF4U-1の呼称。
      生産品質の問題による空中分解事故が発生させたため、機体に掛かる負荷に制限の掛けられた訓練用としてのみ運用された。

    • FG-1:
      グッドイヤー社で製造されたF4U-1の呼称。
      陸上での運用を前提としているため、主翼の折りたたみ装置が廃止されている。

  • F4U-1A:
    前方視界向上のための操縦席位置上昇とバブルキャノピーへの変更、降着装置の改良を施した機体。
    生産途中で爆弾架が取り付けられ爆撃任務への使用が可能になった。

  • F4U-1B:
    英国に供与された機体の米国内呼称(総称)。

  • F4U-1C:
    搭載機銃を20mm機関砲×4門に変更したモデル。
    対空戦では過剰な火力・携行弾数不足として問題視されたが、対地支援には有効とされた。


  • F4U-1D:
    水噴射装置付きR-2800-8Wエンジンを装備した戦闘爆撃機型。

    • F3A-1D:
      ブリュースター社で製造されたF4U-1Dの呼称。

    • FG-1D:
      グッドイヤー社で製造されたF4U-1Dの呼称。

      • FG-1E:
        グッドイヤー社で製造されたF4U-1Dにレーダーを搭載した型。

  • F4U-1P:
    F4U-1を改修した写真偵察機型。

  • F4U-2:
    機上迎撃レーダーポッドを装備した夜間戦闘機型。
    搭載武装は減少している。

  • F4U-3/-3B:
    R-2800-18WまたはR-2800-16エンジンとターボスーパーチャージャーを装備した超高々度戦闘機型。
    原型機は戦後初飛行した。

    • FG-3:
      グッドイヤー社製機体に2段ターボ過給機付きのR-2800-14Wを搭載した超高々度飛行研究機の呼称。

  • XF4U-4:
    F4U-4の原型機。

  • F4U-4:
    R-2800-18Wまたは-47Wエンジンを装備した第二期生産型。

    • F4U-4B:
      イギリスに供与された機体の米国内呼称(総称)。

    • F4U-4C:
      F4U-4の搭載機銃をAN/M2(イスパノ・スイザ HS.404)20mm機関砲×4門に変更した型。

    • F4U-4E:
      機上迎撃レーダーポッドを装備したF4U-4の夜間戦闘機型。
      AN/APS-4を装備。

    • F4U-4N:
      機上迎撃レーダーポッドを装備したF4U-4の夜間戦闘機型。試作のみ。
      AN/APS-5AN/APS-6を装備。

    • F4U-4P:
      F4U-4を改修した写真偵察機型。

    • FG-4:
      グッドイヤー社で生産される予定だったF4U-4。キャンセルされた。

  • F4U-5:
    第二次大戦中の最終生産型で、R-2800-32Wエンジンを装備した高高度戦闘機型。
    スーパーチャージャーカウルフラップ、インタークーラードア、オイルクーラードアの自動制御機能及び、戦闘出力システムの自動化が行われている。

    • F4U-5N:
      機上迎撃レーダーポッドを装備したF4U-5の夜間戦闘機型。

    • F4U-5NL:
      F4U-5Nの寒冷地対応型。

    • F4U-5P:
      F4U-5の写真偵察機型。

  • XF4U-6:
    R-2800-83Wエンジンを装備した低空攻撃機型原型。

    • AU-1:
      R-2800-18WAエンジンを装備し、武装搭載量が増加した攻撃機型。XF4U-6準拠。
      基本性能の低下と引き換えに爆弾搭載量が8,200lbs(3,719kg)まで増加している。

  • F4U-7:
    軍事援助計画によりフランス海軍へ供与された最終生産型。

  • F2G:
    グッドイヤー社が独自改良した発展型。試作のみ。
    エンジンはR-4360-4「ワスプメジャー」(3,000hp)を搭載。
    試作機のうち1機はワシントン州シアトルにある航空博物館「ミュージアムオブフライト?」にて静態保存されている。

  • Corsair Mk.I:
    英国海軍におけるF4U-1の呼称。

  • Corsair Mk.II:
    英国海軍におけるF4U-1Aの呼称。

  • Corsair Mk.III:
    英国海軍におけるF3A-1Dの呼称。

  • Corsair Mk.IV:
    英国海軍におけるFG-1Dの呼称。


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