Last-modified: 2022-10-27 (木) 19:48:32 (35d)

【F4F】(えふふぉーえふ)

Grumman F4F Wildcat.

アメリカ合衆国のグラマン社が1930年代に開発した艦上戦闘機
愛称は「ワイルドキャット*1」。

F3Fの後継として1935年に開発が開始され、当初は複葉機として開発を進めていた(XF4F-1)が、ブリュースター社のXF2A-1(後のF2A「バッファロー」)が海軍から試作発注を取り付けたのに伴い、僅か三ヶ月でキャンセルとなった。
これを受けてグラマン社は単葉機にした設計案を提出、1935年7月28日に原型機試作が発注された。

このXF4F-2は1937年9月2日に初飛行し、さらに2年後の1939年2月12日初飛行の改良型、XF4F-3はテストにおいて時速530km以上の最高速度と、それまでの機体と比較して良好な空力性能を発揮した。
1939年8月にはF4F-3の生産が開始、その後にヨーロッパの航空戦の戦訓から防弾板の追加等が施され、標準装備化した。

太平洋戦線においては1943年後半まで海軍の艦上戦闘機の主力として投入された。
相対する日本海軍の零式艦上戦闘機に対し、低速域における旋回性能や低高度における上昇性能で劣っていたが、高高度性能、防弾装備、機体構造の頑丈さと急降下制限速度、無線機の性能で勝っていたことから、高位からの一撃離脱二機一組での連携戦闘によって優位な状況を作り出すことが十分に可能だった。

後継のF6FF4Uが投入される1943年中盤からは主力の座を譲り、護衛空母搭載機や哨戒機としての運用が主になった。

しかし、改良型のFM-2は後継機よりも小型で空母への大量搭載に適していたことから引き続き前線で活躍、数人のエースパイロットをも生み出した。

IMG_8799.jpg

Wildcat Mk.VI (FM-2)

関連:グラマン鉄工所

スペックデータ

型式F4F-3F4F-4
種別艦上戦闘機
主任務制空
主契約グラマン社
乗員パイロット1名
全長8.76m8.8m
全高3.60m2.8m
翼幅11.58m11.6m
主翼面積24.15
空虚重量2,226kg2,674kg
全備重量3,367kg3,617kg
最大離陸重量-3,974kg
エンジンP&W R-1830-76「ツインワスプ」
空冷星形複列14気筒×1基
(出力1,200hp(900kW))
P&W R-1830-86「ツインワスプ」
空冷星型複列14気筒×1基
(出力1,200hp(900kW))
最高速度531km/h(高度6,431m)515km/h(高度5,730m)
航続距離1,360km1,337km
最大上昇高度12,000m10,363m
上昇率11.7m/s11.17m/s
固定武装ブローニングAN/M2
12.7mm機関銃
×4挺
(装弾数各450発)
ブローニングAN/M2
12.7mm機関銃
×6門
(装弾数各240発)
兵装100ポンド(45kg)爆弾×2発又は58gal(220L)ドロップタンク×2基

バリエーション

アメリカ

  • XF4F-1(社内呼称G-16):
    複葉機型原型の提案。

  • XF4F-2(社内呼称G-18)(1機):
    単葉機型原型。

  • XF4F-3(社内呼称G-36):
    XF4F-2の改造型で、XR-1830-76(1,050馬力)搭載の原型機。

  • F4F-3(285機(3A型の95機を含む)):
    R-1830-76搭載の最初の量産型。12.7mm機銃4門を搭載。

    • F4F-3A:
      R-1830-90搭載のF4F-3発展型。F4F-6から改称。

    • F4F-3P:
      偵察機型。ごく少数機が改装。

    • F4F-3S「ワイルドキャットフィッシュ(WildcatFish?)」(2機):
      日本の二式水上戦闘機に対抗して試作された水上機型試作機の非公式呼称。

  • F4F-4(1,169機):
    珊瑚海海戦での戦訓を元に手動式の主翼折りたたみ機構を搭載した型。
    エンジンは中高度向けのR-1830-86(1,200馬力)を搭載。
    最も多く生産された。
    固定武装として12.7mm機銃を2挺追加し6挺となったが、1挺あたりの弾数が450発から240発に低下し、反動による機体の振動が増したため、乗員からの評判は良くなかった。

    • F4F-4A:
      エンジンはR-1830-90を搭載。

    • F4F-4B:
      R-1820系エンジンを搭載。

    • F4F-4P:
      偵察機型。ごく少数機が改装。

  • XF4F-5(社内呼称G-36):
    AR-1820-40エンジン搭載の原型機。
    試作のみ。

  • F4F-6:
    F4F-3Aの初期呼称。

  • F4F-7(社内呼称G-52)(21機程度):
    カメラを搭載し、軽量化で燃料搭載量を増やした偵察機型。

  • XF4F-8:
    FM-2の試作原型機。
    新設計のフラップカウルを搭載した。

  • FM-1(1,060機(マートレット含む)):
    ジェネラルモーターズ社製作の機体。F4F-3と同等の機体。

  • FM-2(4,127機(イギリス供与機含む)):
    同社製作の機体。XF4F-8をベースに軽量化されている。
    エンジンはライトR-1820-56「サイクロン9」(1,350hp)を搭載し、戦争後半においても活躍した。

    • XF2M-1:
      同社提案のXR-1820-70エンジン搭載型。採用されず。

      イギリス
  • Martlet*2 Mk.機兵卞盡鴇G-36A):
    フランス海軍の発注により生産されたが、現地到着以前にドイツに降伏したためイギリスへ供給されたG-36Aの英軍制式名称。
    主翼折りたたみ機能が無く、エンジンは機密保持のため2段過給器の廃止されたR-1820-G205Aを搭載。
    武装は12.7mm機銃×4門。

  • Martlet Mk.供
    イギリスに供給されたG-36Bの英軍制式名称。のちにWildcat Mk.兇伐称。
    主翼折り畳み機能付きで、エンジンはP&W R-1830-S3C4-Gを搭載する。
    武装は12.7mm機銃×6門。

  • Martlet Mk.掘
    ギリシャが発注により生産されたが、現地到着以前にドイツによって降伏したためイギリスへ供給されたF4F-4Aの英軍制式名称。のちにWildcat Mk.靴伐称。
    基本はF4F-3Aに準ずる。主翼折り畳み機能無し。

  • Martlet Mk.検
    イギリスに供給されたF4F-4の英軍制式名称。
    エンジンはR-1820-40BおよびGR-1820-G250A-3を搭載した。

  • Martlet Mk.后
    イギリスへ供与されたFM-1の英軍制式名称。のちにWildcat Mk.犬伐称。

  • Wildcat Mk.此
    イギリスへ供与されたFM-2の英軍制式名称。


*1 山猫または野良猫の意。スラングでは意地悪女という意味も持つ。
*2 マートレット:イワツバメの意。

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