Last-modified: 2017-04-16 (日) 17:01:27 (11d)

【F4F】(えふよんえふ)

Grumman F4F "Wildcat(ワイルドキャット)*1".

アメリカ合衆国のグラマン社が1930年代に開発した艦上戦闘機
F3Fの後継として1935年に開発が開始され、当初は複葉機として開発を進めていた(XF4F-1)が、ブリュースター社のXF2A-1(後のF2A「バッファロー」)が海軍から試作発注を取り付けたのに伴い、僅か三ヶ月でキャンセルとなった。
これを受けてグラマン社は単葉機にした設計案を提出、1935年7月28日に原型機試作が発注された。

このXF4F-2は1937年9月2日に初飛行し、さらに2年後の1939年2月12日初飛行の改良型、XF4F-3はテストにおいて時速530km以上の最高速度と、それまでの機体と比較して良好な運動性能を発揮した。
1939年8月に量産型F4F-3が生産を開始され、その後すぐにヨーロッパの航空戦の戦訓から防弾板の追加等が施され、アメリカ海軍の他、イギリス軍でも使用された。

太平洋戦線においては海軍の艦上戦闘機の主力として投入された。
速度・上昇率・機動性(特に低速時の格闘性能)ではライバルである日本の零戦に比べれば劣っていたが、機体の頑丈さ、そして急降下制限速度で勝っており、二機一組となっての一撃離脱戦法やサッチウィーブ?によって勝利を収めることが可能だった。
特に無線機の性能が日本より高く、相互に連携した戦闘が可能だったため、戦争中期まで第一線機として使用された。

1943年から後継のF6Fが投入されるようになると第一線からは引き下がり、護衛空母に搭載されたり、哨戒機として活躍した。

IMG_8799.jpg

FM-2ワイルドキャット

関連:グラマン鉄工所

スペックデータ

型式F4F-4
種別艦上戦闘機
主任務制空
主契約グラマン社
初飛行1935年7月28日(XF4F-2)
乗員パイロット1名
全長8.76m
全高2.81m
全幅11.58m
主翼面積24.15
最大離陸重量3,600kg
エンジンP&W R-1830-86「ツインワスプ」空冷星型複列14気筒(1,200馬力)×1基
速度
(最高/巡航)
512km/h / 249km/h
最大上昇高度12,000m
航続距離1,239m
固定武装12.7mm機関銃×6門

バリエーション

  • XF4F-1(社内呼称G-16):
    複葉機型原型の提案。

  • XF4F-2(社内呼称G-18)(1機):
    単葉機型原型。

  • XF4F-3(社内呼称G-36):
    XF4F-2の改造型で、XR-1830-76(1,050馬力)搭載の原型機。

  • F4F-3(285機(3A型の95機を含む)):
    R-1830-76搭載の最初の量産型。12.7mm機銃4門を搭載。

  • F4F-3A:
    R-1830-90搭載のF4F-3発展型。F4F-6から改称。

  • F4F-3P:
    F4F-3の偵察型。ごく少数機が改装。

  • F4F-3S(2機):
    二式水上戦闘機に対抗して試作された水上機型試作機の非公式呼称。
    通称「ワイルドキャットフィッシュ(WildcatFish?)」。

  • F4F-4(1,169機):
    珊瑚海海戦での戦訓を元に手動式の主翼折りたたみ機構を搭載した型。
    エンジンは中高度向けのR-1830-86(1,200馬力)を搭載。
    最も多く生産された。
    固定武装として12.7mm機銃を2挺追加し6挺となったが、1挺あたりの弾数が450発から240発に低下し、反動による機体の振動が増したため、乗員からの評判は良くなかった。

  • F4F-4A:
    マートレットMk.IIIの米国内呼称。エンジンはR-1830-90を搭載。

  • F4F-4B:
    マートレットMk.IVの米国内呼称。R-1820系エンジンを搭載。

  • F4F-4P:
    F4F-4の偵察機改装型。ごく少数機が改装。

  • XF4F-5(社内呼称G-36):
    AR-1820-40エンジン搭載の原型機。

  • F4F-6:
    F4F-3Aに最初につけられていた呼称。

  • F4F-7(社内呼称G-52)(21機程度):
    カメラを搭載し、燃料を増やした偵察機型。

  • XF4F-8:
    新設計のフラップカウルを搭載した試作原型機。

  • FM-1(1,060機(マートレット含む)):
    ジェネラルモーターズ社製作の機体。F4F-3と同じ機体。

  • FM-2(4,127機(イギリス給与機含む)):
    同社製作の機体。XF4F-8をベースに軽量化されている。
    エンジンはライトR-1820-56「サイクロン9」(1,350hp)を搭載。

  • XF2M-1:
    同社提案の発展開発型。製作されず。

  • マートレット*2 Mk.I:
    フランスが発注していたが、降伏したため英軍へ供給されたG-36Aの呼称。
    主翼折りたたみ機能無し。

  • マートレット Mk.II:
    英軍に供給されたG-36Bの呼称。Wildcat Mk.IIと改称。
    主翼折り畳み機能付きで、エンジンはP&W R-1830-S3C4-Gを搭載する。
    武装はF4F-4に準拠する。

  • マートレットMk.III:
    ギリシャが発注していたが、降伏したため英軍に供給されたF4F-4Aの呼称。ワイルドキャットMk.IIIと改称。
    基本はF4F-3Aに準ずる。主翼折り畳み機能無し。

  • マートレットMk.IV:
    英軍に供給されたF4F-4Bの呼称。ワイルドキャットMk.IVと改称。
    エンジンはR-1820-40BおよびGR-1820-G250A-3を搭載した。

  • マートレットMk.V:
    英軍へ供与されたFM-2の呼称。ワイルドキャットMk.Vと改称。

  • ワイルドキャットMk.I:
    マートレットMk.Iを改称した後の呼称。

  • ワイルドキャットMk.VI:
    英国が発注したFM-2の英国呼称。


*1 山猫または野良猫の意。意地悪女という意味も持つ。
*2 Martlet:イワツバメの意。

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