Last-modified: 2018-09-11 (火) 17:51:53 (8d)

【F-84】(えふはちじゅうよん)

Republic F-84"Thunderjet" / F-84F"Thunderstreak" / RF-84F"Thunderflash".

アメリカのリパブリック社が1940〜1950年代に開発・生産した、黎明期の亜音速ジェット戦闘機
大きく分けて、直線翼を持つA〜E/G型「サンダージェット」と後退翼を持つF型「サンダーストリーク」に分けられる。

当初、本機はP-47「サンダーボルト」の後継となるジェット戦闘機「P-84」として、1944年に開発が始まった。
1946年に原型機が初飛行すると、アメリカ陸軍航空隊から226機が発注され、量産が始まった。

機体は機首にエアインテークを取り付け、主翼にはオーソドックスな直線翼を採用した。
速度性能はF-86に劣らなかったが、高高度での機動性は同機に負けていた。
また、エンジンの推力も不足気味で離陸滑走距離も長かった。
しかし、機体のタフさではP-47譲りの頑強さを示しており、後々の活躍につながっていった。

ジェット機としてはかなり早い段階で空中給油能力を備えており、1950年には単座ジェット戦闘機としては初めて大西洋の無着陸横断に成功している。

部隊配備中に朝鮮戦争が勃発していたが、本機はその初動対応の主力として投入された。
当初は北朝鮮軍の防空能力が貧弱だったこともあり活躍を見せたが、中華人民共和国が「義勇軍」として介入しだすと、ソ連から供与されたMiG-15が飛来するようになり、防戦一方になっていった*1
その後、対戦闘機戦闘をF-86に譲り、本機は機体の頑強さと2トンのペイロードを活かして戦闘爆撃機として用いられるようになった。

休戦後も本機の量産は続き、最終的には(後退翼を装備した「サンダーストリーク」も含め)各型合わせて7,524機が生産されている。
最後の運用国はギリシャで、偵察機型の「サンダーフラッシュ」を1991年まで運用していた。

スペックデータ(F-84G「サンダージェット」)

乗員1名
全長11.60m
全高3.84m
翼幅11.10m
翼面積24
空虚重量5,200kg
積載重量8,200kg
最大離陸重量10,590kg
エンジンアリソン J35-A-29?ターボジェット×1基(出力24.7kN)
最高速度1,000km/h
巡航速度770km/h
フェリー航続距離3,200km(外部タンク装備時)
実用上昇限度12,350m
上昇率19.1m/s
翼面荷重342kg/
推力/重量0.31lbf/lb
固定武装ブローニングAN/M3 12.7mm機関銃×6挺(装弾数300発)
兵装最大2,020kgの兵装を搭載可能。
454kg爆弾×4発、ロケット弾×24発、マーク7核爆弾×1発
アビオニクスA-1CMまたはA-4照準器
AN/APG-30またはMK-18測距レーダー

バリエーション

  • XP-84(2機):
    試作機。
    直線翼でアリソンJ35エンジンを搭載。

  • XP-84A:
    増加試作機。

  • YP-84A(15機):
    実用試験機。固定武装を搭載。

  • F-84B(226機):
    初期量産型。

    • EF-84B:
      「ティップ・トゥ」計画用に製作された寄生戦闘機型。
      B-29の翼端に取り付けるというものだった。

  • F-84C(191機):
    エンジンをJ35-A-13に換装した型。

  • F-84D(154機):
    エンジンをJ35-A-17に換装し、燃料システムや降着装置を改良した型。

  • F-84E(843機):
    エンジンをJ35-A-17Dに換装し、胴体を延長、燃料容量を拡大した型。
    レーダー照準器や離陸補助ロケットの装備が可能。

    • EF-84E:
      テストベッド機型。
      空中給油の試験にも使用された。

  • F-84G(3,025機):
    戦闘爆撃機型。
    エンジンをJ35-A-29に換装し、空中給油能力や自動操縦装置を追加した。
    また、フレームを追加して強化したキャノピーを標準装備し、以前の型も後から換装された。

  • F-84KX(80機):
    米海軍向けにB型を無人標的機に改造した機体。

  • YF-96:
    試作機。

  • F-84F「サンダーストリーク」:
    後退翼に再設計した型。
    エンジンはライトJ65-W-7またはJ65-W-3を搭載。

    • GRF-84F(24機):
      B-36を母機とする「トム・トム」計画用に改設計された機体。

    • RF-84F「サンダーフラッシュ」(715機):
      偵察機型。
      機首に偵察用カメラを搭載するスペースを確保するため、空気取入口を左右の主翼付け根部分に移動させた。

    • RF-84K(25機):
      戦術偵察戦闘機(寄生戦闘機)型。
      引き込み式のフック装置を装備し、母機のGRB-36内により密着するように水平尾翼に下反角がついている。

  • XF-84H:
    機首にターボプロップエンジンと超音速プロペラを装備した試作機。
    期待通りの性能は得られず、方向安定性の欠如、振動など多くの問題が露呈し、さらに40km先でも地上でのエンジンテストの音が聞こえたほど騒音がひどかった。
    非公式に「サンダースクリーチ」の愛称で呼ばれた。

  • YF-84J:
    J73エンジンを装備した型。試作のみ。


*1 それでも9機の撃墜戦果を挙げている。

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