Last-modified: 2017-03-18 (土) 10:48:52 (102d)

【F-35】(えふさんじゅうご)

Lockheed Martin F-35 Lightning II(ライトニング・ツー)
ロッキード・マーチン社が、JSF計画で勝ち残ったX-35をベースに生産中のステルス戦闘爆撃機マルチロールファイター)。

機体は3つのバリエーション(A型・B型・C型)があり、各型ともF-22などと同様に各兵装は胴体下のウェポンベイに収納される。
固定兵装はA型のみがジェネラルエレクトリック GAU-22/A 25mmガトリング砲1門を装備する*1

本機の大きな特徴として挙げられるのは、スナイパーXRと同等の能力を持つAN/AAQ-40"EOTS*2"や、全天周の索敵・監視・照準を可能とするAN/AAQ-37"DAS*3"といった強力なパッシブセンサーを内蔵し、従来にはない高度な戦闘能力を発揮できることである。
これらの画像はHMDに投影することが可能で、あたかもコックピットの構造物を透視するかのように全周囲を見回すことができる*6
また高度なセンサーフュージョンにより、脅威情報の警告や移動目標の追尾を自動で実現する。

一方でそれまでのHUDは廃止され、計器部には大型のMFDだけが存在するシンプルな内観となっている。
レーダーとしては、F-22用のAN/APG-77を小型化し、空対地機能と空対空機能に加え、電子戦能力を付与したAN/APG-81 AESAを搭載する。
これらの情報はリンク16や、新規に採用されるMADLといった双方向のデータリンクにより共有され、広大な戦場を瞬時に把握することができる。

量産機のF-35は2006年に初飛行したが、センサーフュージョンに代表される統合アビオニクスの実現が難しいこと等から開発が遅れており、米空軍米海軍では2017年に、米海兵隊では2018年*7に初期作戦能力を獲得する予定とされていた。
しかし米海兵隊が運用するAV-8Bの老朽化が進んでいるため、F-35Bの予定は前倒しされて2015年7月に初期作戦能力を取得・実戦配備された*8

本機は、アメリカ空軍が2,000機以上、海軍が300機、海兵隊が600機以上、英海軍が60機以上、日本の航空自衛隊が40機前後*9と、合計3,000機以上の調達計画が出されており、この結果の後に国際的に評価されれば、F-4F-16に続き世界的に多く輸出される戦闘機となる。
国防総省の発表では、2040年代まで使用される予定としていることから、F-22PAK FAと並ぶ次世代戦闘機の顔となることが期待されている。

関連:JSF 最後の有人戦闘機

640px-First_F-35_headed_for_USAF_service.jpg

Photo:USAF F-35A

ALGS

Autonomic Logistics Global Sustainment.

本機の採用に当たって構築される全世界的な兵站システム。
交換部品の流通や保守について全世界的なネットワークを構築し、システム参加国相互間で機体運用国の区別なく、流動的かつ自動的に処理するもので、本機のアビオニクスが持つ高度な自己診断システムと組み合わせて運用される。

特に、FACO*10と呼ばれる機体組み立て・検査拠点は、今のところ世界中でアメリカ・イタリア・日本の3箇所のみに設置が予定されており、部品交換で済まないレベルの故障はこれらいずれかのFACOへ持ち込んで修理されることになる。
機体の国籍とは関係なく、個々の機体の置かれた状態の中で最も適した場所から部品が供給され、最も適したFACOで修理が実施される。

このALGSとFACOが導入されるにあたり、日本の参入は武器輸出にあたると解釈され、F-35を武器輸出三原則等の例外とする措置が採られた*11

スペックデータ

形式F-35AF-35BF-35C
乗員1名
全長15.41m15.50m
全高4.60m
全幅0.97m13.12m/9.10m(主翼折りたたみ時)
主翼面積42.7457.6
空虚重量12,426kg13,888kg13,924kg
機内燃料重量8,165kg+5,897kg+8,618kg+
最大離陸重量22,680kg27,216kg
エンジンターボファン×1基
P&W F135-100P&W F135-600P&W F135-400
エンジン推力約177.9kN
最大速度M1.7M1.6M1.7
航続距離2,220km1,670km2,520km
戦闘行動半径1,092km833km1,111km
実用上昇限度19,240m
固定武装GE GAU-22/A
25mmガトリング砲
×1門
-
兵装胴体のウェポンベイに左右で最大4発のミサイル
内部ベイに2,000lbのJDAM2発と中距離AAM2発
左右3ヶ所の翼下パイロン*12に各種ミサイル・爆弾を搭載可能。
空対空ミサイルAIM-9X「サイドワインダー2000」ミーティア、IRIS-T、AIM-132「ASRAAM」、
AIM-120「AMRAAM」、パイソン6
空対地/空対艦ミサイルAGM-65「マーベリック」、AGM-154「JSOW」、
JSM(Joint Strike Missile)?、LRASM、ブリムストーン/SPEAR-3
対レーダーミサイルAGM-88「HARM」/AGM-88E「AARGM」
巡航SCALP-EG ストーム・シャドウ、SOM-J、AGM-158「JASSM」
爆弾Mk.80シリーズ(Mk.82/83/84)、CBU-103/105クラスター爆弾
ペイブウェイシリーズ(GBU-10/12/16/24)GBU-39小直径爆弾?)、
JAGM、JDAM、スパイス、GBU-53/B、B61 Mod.12核爆弾
その他装備-25mm機関砲ポッド(弾数220発)
多機能ポッド


派生型

派生型は以下の通り。
以下の他にも、同機を無人航空機としても使用できるタイプの機体の開発を計画している。

  • F-35A:
    F-16の後継として開発されている基本タイプ。
    ほかの2つのタイプと違い固定武装としてGAU-22/A 25mmガトリング砲1門を装備する。
    2015年に配備予定であったが、開発遅延により2017年頃に延期。その後2016年に前倒しされた。

  • F-35B:
    アメリカ海兵隊イギリス空軍、イギリス海軍のシーハリアーハリアー及びアメリカ空軍のA-10の後継として開発されているSTOVL型。
    買収したYak-141の技術が使われており、エンジンノズルは可変式で下方に折り曲げることができる。
    加えてエンジンから伸びるシャフトでクラッチを介し、前方のリフトファンを駆動する。
    リフトファンにより重いリフトジェットが不要になったうえ、滑走路飛行甲板に与える熱ダメージをある程度低減することができる。
    ただし、A/C型で燃料タンクの存在した場所にリフトファンを装備するため、燃料搭載量が制限される*13
    リフトファンの吸気ダクト扉は後方ヒンジによる一枚扉となっている。
    キャノピーの形状はA/C型と違い、完全な水滴型になっていない。
    2014年に配備予定であったが、開発遅延により2018年頃に延期。その後2015年に前倒しされた。

  • F-35C:
    F/A-18の後継機として開発されている艦載型。
    主翼垂直尾翼は低速時の安定性を考慮して大型化されたほか、機体構造や降着装置の強化、前脚の2重車輪化、アレスティングフックの装備や主翼の折り畳み機構が追加されている。
    ステルス性はシリーズ中もっとも高く、燃料搭載量はF-22を超える。
    2015年より配備予定であったが、開発遅延により2017年頃に延期。


*1 B/C型は専用のガンポッドで対応。
*2 Electro-Optical Targeting System:電子光学照準システム。
*3 DAIRS*4やEODAS*5とも呼ばれる。
*4 distributed aperture infrared sensor:分配開口赤外線センサー。
*5 Electro-Optical Distributed Aperture System:電子光学分配開口システム。
*6 ただしHMDの投影角度はやや狭く、一度に広い範囲を見渡せるわけではない。
*7 特にB型はリフトファン周りのトラブルもあり、A/C型以上の遅延が存在するとされていた。
*8 当初はデータリンクや武装の一部に制限のある形での配備となる。
*9 2011年12月、第4次F-Xとして採用されることが決まり、2012年度防衛予算で4機分の導入が承認、2016年9月に初号機が引き渡された。
*10 Final Assembly and Check Out.
*11 その後、2014年に抜本的な見直しがあり、これに代わる「防衛装備移転三原則」が閣議決定されている。
*12 一番外側は空対空ミサイル専用。
*13 ただし、本機の燃料搭載量は元来多めに設計されているため、航続力はハリアーに勝るとも劣らないとされる。

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