Last-modified: 2017-10-14 (土) 08:28:01 (38d)

【F-15E】(えふじゅうごいー)

McDonnell? Douglas F-15E Strike Eagle(ストライクイーグル)

「ストライクイーグル」はマクダネル・ダグラス社の命名。
「マッド・ヘン(Mudhen、アメリカオオバン)」「ビーグル(ボマー・イーグルの略)」などの愛称でも呼ばれる。

マクダネル・ダグラス社の大型制空戦闘機F-15をベースに開発された戦闘爆撃機マルチロールファイター)。
後世主流のマルチロールファイター戦闘攻撃機)ではなく戦闘爆撃機として設計され、F-111「アードバーグ」の後継機として採用された。

外見は原型機と大差なく、複座型のF-15Dにコンフォーマルタンクをつけただけのように見える。
しかし内部は全面的な改修を受けており、エンジンアビオニクス以外の共通点はほとんどない。

構造材にチタニウムを多用して軽量化・構造強化され、電装系をグラスコックピット化。
全世界の戦闘機の中で最大級のペイロードを持ち、最も航続距離が長く、アメリカ空軍採用の兵装全てを搭載可能。
にも関わらず原型機の制空戦闘能力はほとんど損なわれておらず、戦闘機爆撃機を無理なく兼任できる。
なお、原型機に比べ翼面荷重が小さく、低空侵攻時の安定性はやや劣る。

湾岸戦争・ユーゴスラビア戦争・アフガン戦争・イラク戦争などで戦闘実証済み。
特に湾岸戦争では、F-111と並び精密爆撃を実施し、任天堂戦争における戦車狩りの華々しい戦果を演出した。

夜間の近接航空支援任務において、2機編隊で計16発のレーザー誘導爆弾を投下して16両の車輌に直撃させたという。
また別の機体はホバリング中のヒューズ500ヘリコプター爆弾を直撃させたという。

スペックデータ

乗員2名(パイロットWSO
全長19.43m
全高5.63m
全幅13.05m
主翼面積56.5
空虚重量14,515kg
最大離陸重量36,741kg
最大兵装搭載量11,113kg
エンジンターボファン×2基
P&W F100-PW-220(初期)
P&W F100-PW-229(135号機以降)
GE F110-GE-129C(F-15SG/F-15S)
推力129.4kN(A/B使用時)(F100-PW-229)
最大速度マッハ2.5
海面上昇率15,240m/min+
実用上昇限度18,290m
最大航続距離2,400nm
戦闘行動半径685nm
武装M61A1 20mmバルカン砲×1門(装弾数450〜512発)
兵装下記兵装を11,113kgまで搭載可能。
AAMAIM-9「サイドワインダー」
AIM-120「AMRAAM」
AGM/ASMAGM-65「マーベリック」
AGM-84「ハープーン」(F-15K以降)
AGM-84K「SLAM-ER」(F-15K以降)
AGM-154「JSOW」
ARMAGM-88「HARM」
爆弾類Mk.80シリーズ(Mk.82/83/84)
ペイブウェイII(GBU-10/-12/-15/-24)レーザー誘導爆弾
GBU-28「バンカーバスター」レーザー誘導地中貫通爆弾
Mk.20「ロックアイ」クラスター爆弾
CBU-87/-89/-97クラスター爆弾
JDAM
B61・B63核爆弾
B83熱核爆弾
ロケット弾LAU-3Aロケット弾ポッド
その他兵装増槽LANTIRNポッド
AN/AAQ-33「スナイパーXR」照準用ポッド
AN/AXQ-14・AN/ZSW-1データリンクポッド
アビオニクスAN/APG-70?火器管制レーダー


バリエーション

基本型

  • F-15E(236機):
    初期量産機。

  • F-15I「ラーム*1」(25機):
    イスラエル向け。
    エンジンはF100-PW-229を、レーダーはAN/APG-70、電子戦装置はイスラエル製のエリスラSPS-2110IEWSを搭載している。
    後にエルビットシステムズが開発したDASHヘルメット内蔵式照準装置の運用能力が追加され、近年ではUAVの管制能力も付加されている。

  • F-15K "Slam Eagle(スラムイーグル)":
    韓国空軍向け。
    アメリカ空軍向けの最終アップグレード型「E-227」をベースに、更にアップグレードを加えたもの。
    初めて戦術電子戦システムが輸出されている。
    エンジンはF110-GE-129のライセンス生産*2型であるF110-STW-129およびF100-PW-229EEP*3を搭載している。
    新たに、AGM-84「ハープーン」空対艦ミサイルAGM-84H「SLAM-ER」空対地ミサイルの搭載能力が付加されている。

    • F-15K41:
      第2次調達分の機体。
      エンジンはF100-PW-229EEPを搭載する。

  • F-15S:
    サウジアラビア向けダウングレード型。
    レーダーはグランドマッピングモード廃止、合成開口モードの精度の低下などのダウングレードを施したAN/APG-70Sを搭載し、やや空対地能力に劣る。
    照準システムもLANTIRNのダウングレード型であるAN/AAQ-19「シャープシューター」照準用ポッド・AN/AAQ-20「パスファインダー」航法用ポッドを搭載している。

    • F-15SA:
      サウジアラビア向け。
      AN/APG-63(V)3 AESAレーダーやデジタル式電子戦システム(DEWS)などを搭載する。
      また、一度は廃止された主翼外側ステーション1およびステーション9のECMポッドハードポイント空対空ミサイル用として再び開放したことで、従来の最大8発に加えてさらに4発の空対空ミサイルを追加装備できるようになっている。
      84機が導入され、既存のS型70機もSA仕様に能力向上させる予定である。

  • F-15SG:
    シンガポール空軍向け。旧呼称F-15T。
    基本的にF-15Kと同じだが、エンジンは運用寿命延長(SLEP)ハードウェア型のF110-GE-129Cを採用し、レーダーはAPG-63(V)3*4AESAレーダーを、照準ポッドとしてスナイパーATPの輸出型「パンテーラ」を搭載している。

  • F-15QA:
    カタール空軍向け。

発展型

  • F-15SE "Silent Eagle(サイレントイーグル)":
    輸出市場向け改修型。
    設計を一部見直し、コンフォーマル燃料タンクのウェポンベイ化やレーダー波吸収素材を使用するなどステルス性を高めている。
    元のF-15Eより軽量に設計されている。
    1機あたり1億USドル(約100億円)で販売する予定で、イスラエル・サウジアラビア・日本・韓国・シンガポールに提案している。

構想・計画のみ

  • F-15F:
    単座の制空戦闘機型。
    イスラエルやサウジアラビア、西ヨーロッパ諸国への売り込みが図られていたが、構想のみに終わった。

  • F-15FOWW:
    F-4G「ワイルド・ウィーゼル」の後継機計画「FOWW*5」で提案された機体。
    ワイルド・ウィーゼル用の機材を搭載し、その一部は胴体下面にコンフォーマル・パックに収めて装着される。
    武装はAGM-88「HARM」AGM-65「マーベリック」が予定された。
    FOWW候補機としては本機のほか、F-16とトーネードECRが検討対象とされたが、F-16が採用されたため実現せず。

  • F-15H:
    ギリシャ空軍向け。Hはヘラス(Hellas)を意味する。
    F-16ミラージュ2000が採用された為実現せず。

  • F-15L:
    F-15Iの空対空特化仕様。実現せず。

  • F-15FX:
    第四次FX(F-4EJ改の後継機)において提案された、日本向け改修型。
    F-15SAと同様に主翼外側ハードポイントを空対空ミサイル用として再び開放し、レーダーはAPG-63(V)3もしくはAPG-63(V)4を搭載予定だった。
    F-35の導入が決まったため実現せず。

  • F-15U:
    E型の主翼面積を若干拡大したアラブ首長国連邦(UAE)向けの発展型。
    同国はF-16を採用したため実現せず、韓国向けとして提案されたが、こちらも実現しなかった。

    • F-15U+:
      水平尾翼を廃してデルタ翼化した大規模発展型。
      アラブ首長国連邦(UAE)に提案したがF-16E/Fの選定により構想のみに終わった。


*1 Raam:稲妻の意。
*2 サムスン・テックウィン(STW)社が担当している。
*3 Enhanced Engine Packageの略。
*4 ただし、走査能力など一部の機能がダウングレードされている。
*5 Follow on Wild Weasel.

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