Last-modified: 2015-06-27 (土) 19:17:20 (672d)

【F-117】(えふひゃくじゅうなな)

Lockheed F-117 Nighthawk(ナイトホーク)*1
1980年代、ロッキード社の設計チーム「スカンクワークス」が設計・開発したステルス攻撃機
1988年11月10日にアメリカ国防総省が存在と保有を明らかにした。

レーダーによって探知されることを防ぐため、直線のみで構成されたくさびの様な独自の形状*2をもち、レーダー等の電波を出す機器を必要最低限(通信機など)しか搭載していない。*3
また、機体には木材等の非金属素材が多用されている。*4
目標の探知や捕捉はレーザー目標指示装置やFLIR/DLIRを使用する。

ステルス性を最優先にした機体設計の結果、空気力学的に不安定な形状となっている為*5、機体は4重に管理されたデジタル・フライ・バイ・ワイヤ・システムによって操縦安定性を確保している。
さらに、赤外線探知を避けるために、排気口を機体上面に移し、ジェット排気を外気と混ぜて排出するなどの対策が採られている。

従来のレーダーに殆ど映らない利点を活かし、湾岸戦争では先陣を切って中枢施設に対する夜間攻撃を行い、全機帰還という快挙を成し遂げた。
誘導爆弾を使用したピンポイント爆撃?という言葉を世間に広めたのもこの機体である。

形式記号に「戦闘機」を示すFナンバーがついていることから、俗に「ステルス戦闘機」と呼ばれることも多いが、実質的には対地攻撃専門機である。
これは、アメリカ空軍では基地や橋梁といった「固定地上目標に対する攻撃」を「敵戦闘機に対する攻撃」と同様に「空中戦闘任務」と定義しているためである。
そのため、本機と同様に実質上攻撃機であるF-111F-16にもFナンバーが割り振られている*6

なお、同じ攻撃機でもA-10AC-130がAナンバーなのは、この「空中戦闘任務」の定義に該当しない敵地上部隊を主目標とするCASを主任務としているからである。
同様の理由から、30ミリ機関砲を搭載したCAS仕様のF-16は「F/A-16」と呼称された。

自己防衛用のAIM-9を搭載することが可能であるが、これは抑止力的意味合いが強く、実際に装備することはほぼ無いと言っても過言ではない。
また、その高いステルス性を活かし対AEW撃墜に用いられるという説があるが、厳しい機動制限がある等、実戦での空戦能力は無いため、そのような運用は行われないと思われる。

本機は任務を後継のF-22に譲り、2008年をもって全機退役した。
しかし、アメリカ空軍では「当面の間は廃棄せず、必要な事態が生じた場合には復帰させる(即ちモスボールする)」と述べている。

スペックデータ

乗員1名
全長20.08m
全高3.78m
全幅13.20m
主翼面積84.8
空虚重量13,381kg
最大離陸重量23,814kg
最大兵装搭載量2,268kg
エンジンGE F404-GE-F1D2?ターボファン推力48.0kN)×2基
最高速度マッハ0.9
戦闘行動半径570nm(無給油、兵装満載時)
固定武装なし
兵装ミサイル類:
AIM-9L「サイドワインダー」
AGM-154「JSOW」?
AGM-65「マーベリック」
AGM-88「HARM」
各種爆弾:
Mk.84無誘導爆弾
BLU-109Bレーザー誘導爆弾
GBU-10・GBU-27レーザー誘導爆弾
GBU-29/-30/-31/-32
増槽


f117.jpg

Photo: USAF


*1 この愛称は非公式のものである。
*2 この形状はレーダー波を一定方向に反射させるためであるが、開発当時のコンピュータでは曲線のレーダー波の反射シミュレーションができなかったため、シミュレーションの容易な角ばった形になってしまったことも影響している。
*3 非戦闘行動時(基地から基地へのフェリー時など)はレーダーリフレクターを装着する。
*4 コソボ紛争?で撃墜された機体片の写真で確認できる。
*5 そのため、Wobblin (Wobbly) Goblinと呼ばれていた。
*6 蛇足ながら、この思想はアメリカ空軍をモデルにした日本の航空自衛隊にも受け継がれており、攻撃機を「支援戦闘機」と呼称したり、事実上攻撃機である国産のF-1F-2にFナンバーを割り振ったりしている。

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