Last-modified: 2022-10-14 (金) 11:29:46 (158d)

【F-117】(えふひゃくじゅうなな)

Lockheed F-117

防諜上の理由から愛称は設定されていないが、非公式に「Nighthawk(ナイトホーク)」とも呼ばれる。
また、不安感を覚える機体形状から「Wobbly Goblin(不安定な子鬼)(Wobblin)」とも揶揄された。

1980年代、ロッキード社の設計チーム「スカンクワークス」が設計・開発したステルス攻撃機
1981年6月18日に初飛行し、1983年に実戦配備が開始、1988年11月10日にアメリカ国防総省が存在と保有を明らかにした。

型式戦闘機を示すFナンバーが付いているが、制空戦闘能力は持たない。
アメリカ空軍近接航空支援に投入可能な機体のみを攻撃機に分類しており、地上固定目標への攻撃は「空中戦闘任務」の一部と定義している。
従って、アメリカ空軍の分類上、F-117は地上固定目標への攻撃に特化した戦闘機と見なされる。

従来のレーダーに殆ど映らない利点を活かし、湾岸戦争では先陣を切って中枢施設に対する夜間攻撃を行い、全機帰還という快挙を成し遂げた。
誘導爆弾を使用した「ピンポイント爆撃」という言葉を世間に広めたのもこの機体である。

本機は任務を後継のF-22に譲り、2008年をもって全機退役した。
2014年頃から訓練・実験用の標的機として運用再開。残存機体はモスボール状態で予備役として保管されている。
オハイオ州デイトンのライトパターソン空軍基地?に隣接する国立アメリカ空軍博物館に1機が収蔵、展示されている。

f117.jpg

Photo: USAF

機体特性

レーダー反射面積を低減するため、直線のみで構成されたくさびの様な独自の形状をしている。
この形状は空気力学的に非常に不安定で、操縦はフライバイワイヤーに依存している。

開発当時のコンピュータでは曲面に対するレーダー反射をシミュレーションできなかったため、計算の容易な直線で構成されている。

既存機からの技術も採用されており、操縦系統はF-16コックピット機能はF/A-18、ナビゲーションシステムはB-52から採用している。

レーダー警戒装置による逆探知を警戒してレーダーを搭載しておらず、索敵・照準にはレーザー目標指示装置やFLIR/DLIRを使用する。
赤外線探知を避けるために排気口を機体上面に移し、ジェット排気を外気と混ぜて排出するなどの対策が採られている。

レーダー不搭載で目視外射程に対応できず、機体形状から運動性も劣悪であるため、敵性戦闘機との直接交戦はほぼ不可能。
赤外線誘導による短距離空対空ミサイルAIM-9)を搭載可能だが、実際に対空攻撃を行う事はまずない。

材料工学的な特性は公表されていないが、木材等の非金属素材が多用されていると推定される(コソボ紛争で撃墜された機体からの推定)。

スペックデータ

乗員1名
全長20.09m
全高3.78m
翼幅13.21m
主翼面積72
翼型Lozenge section, 3 flats Upper, 2 flats Lower
空虚重量13,381kg
最大離陸重量23,814kg
最大兵装搭載量2,268kg
エンジンGE F404-GE-F1D2?ターボファン×2基
エンジン推力47kN(10,600lbf)
最高速度マッハ0.92(594kn、1,100km/h)
航続距離1,720km
戦闘行動半径570nm(無給油、兵装満載時)
上昇限度14,000m
翼面荷重329kg/
推力重量比0.40
固定武装なし
兵装
搭載能力内部爆弾倉(ハードポイント×2箇所)に以下の兵装を搭載可能
ミサイル類AIM-9L「サイドワインダー」
AGM-154「JSOW」?
AGM-65「マーベリック」
AGM-88「HARM」
各種爆弾Mk.82/Mk.84無誘導爆弾
BLU-109/BまたはBLU-116レーザー誘導爆弾バンカーバスター
GBU-10/12「ペイブウェイ供廖GBU-27「ペイブウェイ掘レーザー誘導爆弾
GBU-29/-30/-31/-32
B61戦術核爆弾
その他増槽


派生型

いずれも計画のみ。

  • F-117N「シーホーク」:
    ロッキードから提案された艦上攻撃機型。
    バブルキャノピーの採用、尾翼追加、主翼の大型化、着艦装置および構造強化がされる予定であった。

  • F-117B(A/F-117X):
    N型の地上攻撃機型。


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