Last-modified: 2016-09-16 (金) 00:17:27 (188d)

【EC135】(いーしーいちさんご)

Eurocopter(Airbus Helicopters) EC135.
ドイツのMBB社が、Bo105の後継として開発したライトツインヘリコプター
現在は企業再編により、ユーロコプターエアバス・ヘリコプターズ社の製品として生産・販売されている。

MBBにおけるBo105の後継機種としては、既にBK117(日本の川崎重工と共同開発)が存在したが、Bo105に比べると大柄な機体であったため、それとは別に、MBB側単独の機体として「Bo108」の名称で開発が開始された。
BK117譲りの空力に優れた形状*1に加え、複合素材の多用による軽量化、グラスコックピット化や計器飛行能力の獲得などが成された。
エンジンは実績があるものの陳腐化したアリソン250を廃し、チュルボメカ・アリウスやPW206を採用することとなる。
キャビンは、当初Bo105と同程度の大きさのものが試作されていたが、製品版では市場調査の結果に基づきやや大型化し、通常の座席レイアウトでは操縦士2名のほか乗客5名*2が乗れる。

Bo108開発の途中でMBBはダイムラーグループに吸収されDASAとなり、さらにアエロスパシアルと合併してユーロコプターとなった。
このため、機体の名称もBo108からEC135へと変更された*3
また、この合併により、アエロスパシアル社が持っているフェネストロンの技術を得ることができた。
これは、Bo105から引き続き装備される胴体後部のクラムシェルドアと相性が良く、荷物や担架を積み下ろす際の安全性が高まった。

Bo105に引き続きセールスは順調で、日本でも企業や自治体などで運用されるほか、海上自衛隊ではOH-6DAの後継となる初等練習ヘリコプターとしての導入が決まり、TH-135の名称が付与された。
初等操縦訓練用としてはやや高級すぎる機体ではあるが、SH-60KCH/MCH-101に備わっているFADECグラスコックピットに早くから慣れるためには適しているとも言える。
また、現在TC-90が受け持っている計器飛行訓練の一部を代替するともされている。

軍用型は「EC635」として開発され、ポルトガル陸軍が採用を検討していたがキャンセル。
かわりにヨルダン空軍やスイス空軍、新イラク軍で採用されている。

参考リンク:http://www.eurocopter.co.jp/products/ec135.html

ec135_.jpg
EC135T2

スペックデータ

乗員1名+兵員7名
主ローター直径10.20m
全長12.16m
胴体幅2.62m
全高3.51m
回転円盤面積81.7
空虚重量1,455kg
最大離陸重量2,910kg
エンジンチュルボメカ アリウス2B2(推力473kW)またはP&W・C PW206Cターボシャフト(推力498kW)×2基
速度
(超過禁止/巡航)
155kt/137kt
海面上昇率468m/min
実用上昇限度6,096m
航続距離342nm


バリエーション(民間型)

  • EC135P:
    初期型。エンジンはPW206B1を搭載。
    後期型はセンターパネル・ディスプレイシステム(CPDS)を搭載する。

  • EC135T1:
    初期型。
    エンジンはアリウス2B1/B1A/B1A1を搭載。その他仕様はP1に準ずる。

  • EC135P2:
    エンジンを片発停止時(OEI)の緊急出力を向上させたPW206B(621軸馬力)に変更したモデル。

  • EC135T2:
    エンジンを緊急出力を向上させたアリウス2B2(652軸馬力)に変更したモデル。

  • EC135P2i:
    FADECを更新したPW206B2(667軸馬力)を搭載するモデル。旧称EC135P2+。
    最大離陸重量が2,910kgになり、オーバーホール間隔が延長されている。

  • EC135T2i:
    FADECを更新したアリウス2B2(634軸馬力)を搭載するモデル。旧称EC135T2+。
    その他の仕様はP2+に準ずる。

  • EC135P3:
    FADECを更新したPW206B3(708軸馬力)を搭載するモデル。
    最大離陸重量は2,980kgに増加した。

  • EC135T3:
    FADECを更新したアリウス2B2プラス(660軸馬力)を搭載するモデル。
    それ以外の仕様はP3に準ずる。

  • EC135 Hermes:
    ファッションブランドのエルメスと共同開発したVIP機。
    P2iまたはT2iをベースに、革張りの内装*4や特製のランディングスキッドを備える。

バリエーション(軍用型)

  • H135M*5
    軍汎用型。旧称EC635。
    オプションで空気取入口にエアフィルターを追加可能。
    アウトリガーを装着すればAGM-114HOT、70mmロケット弾、機銃などで武装可能。

  • TH-135:
    海上自衛隊向けの練習型。
    EC135T2iをベースに、気象レーダーやエアフィルターを備える。


*1 本機で改良された機首形状が、後にBK117C-2へフィードバックされている。
*2 簡易座席の場合は6名。副操縦士サイクリックを取り外せば乗員1名+乗客6〜7名の構成も可。
*3 更にその後、エアバス・ヘリコプターズへの改編に伴い商品名が「H135」となった。
*4 定員は1+5名。
*5 エンジンの違いによる型名は民間型に準拠する。

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