Last-modified: 2017-04-02 (日) 17:04:29 (87d)

【DC-4】(でぃーしーふぉー)

Douglas DC-4/C-54"Skymaster"/R5D.

1930〜1940年代、アメリカのダグラス・エアクラフト社が開発・生産した大型レシプロ旅客機
開発完了が第二次世界大戦中となったため、生産当初は軍部に徴用され「C-54『スカイマスター』」(アメリカ陸軍航空隊)/R5D(アメリカ海軍/アメリカ海兵隊)として用いられた。

当初、本機はDC-3の後継となる大型四発機として「DC-4E*1」の名で1938年に開発された。
しかし、完成した機体はエンジンの出力に比して機体重量が重すぎ、整備性・経済性にも難があったため1機のみが製作されただけで終わった。

なお、当該機体は大日本帝国海軍が「大日本航空*2」名義で入手し、中島飛行機で海軍向け大型陸上攻撃機「深山」の設計の参考とされた。

その後、一から設計をやり直して1942年に開発を完了したが、時あたかも第二次世界大戦の最中であったため軍部に輸送機として徴用され、前述のとおり「C-54」「R5D」という型式をつけて活躍した。
この「C-54」「R5D」名義では合計1,134機生産されたが、戦後、そのうちの500機が民間に払い下げられ、旅客機として改装されて「DC-4」となった。
更に74機が民間機として生産され、パンアメリカン航空日本航空*3、キャセイ・パシフィック航空やカンタス航空など世界各国の航空会社で中・長距離路線の主力機として用いられた。

1950年代になると、より大きなエンジンと与圧キャビンを備えたDC-6DC-7の登場で国際航路の第一線からは退き、国内線や貨物便に転用されていった。
更にその後、ジェット推進のDC-8B707の登場で大手航空会社のフリートからは引退することになった。

2010年代現在でも、本機は数十機が貨物機や消防機として用いられている。

スペックデータ

DC-4-1009
乗員4名(機長副操縦士航空機関士航空士
乗客数40〜80名
全長28.6m
全高8.38m
翼幅35.8m
翼面積135.6
空虚重量19,640kg
積載重量28,800kg
最大離陸重量33,100kg
発動機P&WR-2000「ツインワスプ」空冷星形複列14気筒×4基(出力1,450hp)
速度
(最大/巡航)
450km/h / 365km/h
航続距離6,839km
実用上昇限度6,800m
翼面荷重212.4kg/
出力重量比?6.6kg/kW


C-54G
乗員4〜6名
乗客数42〜50名
ペイロード空挺兵50名を搭載可能
全長28.6m
全高8.38m
翼幅35.81m
翼面積135.63
空虚重量19,641kg
最大離陸重量33,113kg
発動機P&WR-2000「ツインワスプ」空冷星形複列14気筒×4基(出力1,450hp)
速度
(最大/巡航)
451km/h(高度4,265m)/ 349km/h(高度2,590m)
航続距離4,023km
実用上昇限度6,800m


バリエーション

  • DC-4E:
    プロトタイプ。日本へ売却された。

  • DC-4A:
    民間向け生産型。P&W R-2000エンジンを装備。
    全機軍用に転換された。

  • C-54「スカイマスター」(24機):
    DC-4Aを軍が徴発した後の呼称。

  • C-54A(252機):
    R-2000-7エンジン搭載型。基本的にC-54と同型。

  • C-54B(220機):
    A型の搭載燃料を増加させたモデル。

  • C-54C(1機):
    A型を改修したVIP輸送機。後にVC-54Cと改称。
    当時の大統領・フランクリン・D・ルーズベルトの専用機「セイクリッド・カウ」として採用された。

  • C-54D(380機):
    R-2000-11エンジン搭載の生産変換型。

  • スカイマスターMk.I(B型1機・D型22機):
    英国へ貸与されたB型およびD型の英軍呼称。

  • AC-54D(数機):
    D型を改修した無線中継機型。1962年にEC-54Dに改称。

  • SC-54D(38機):
    D型を改修した救難機型。1962年にHC-54Dに改称。

  • VC-54D(1機):
    D型をVIP輸送機に改修した機体。

  • C-54E(125機):
    燃料搭載量とペイロードを増加した改良型。

  • XC-54F(1機):
    パラシュート降下用扉を持つ軍用輸送型。試作のみ。

  • C-54G(162機):
    R-2000-9エンジンを搭載する最終生産型。

  • VC-54G(数機):
    G型をVIP輸送機に改修した機体。

  • C-54H:
    パラシュート部隊輸送用の提案型。製作されず。

  • C-54J:
    旅客機型の内装を持つ参謀輸送機型。製作されず。

  • XC-54K(1機):
    長距離飛行型に改修されたR5D-3(C-54D)。

    C-54L(1機):
    A型の燃料系統を新型に換装した機体。

  • C-54M(38機):
    ベルリン大空輸に際し、石炭輸送用に改修された機体。

  • MC-54M(30機):
    E型を患者輸送機に改修した機体。

  • EC-54U:
    C-54Uのうち1機だけにつけられた呼称。

  • JC-54:
    試射ミサイルの回収用に改修された機体。

  • TC-54:
    操縦訓練用に改修された機体。

  • XC-114(1機):
    アリスンV-1710エンジン(1,620hp)搭載の実験用機。

  • XC-116(1機):
    防氷装置の実験用機。アリスンV-1710エンジン搭載。

  • R5D-1(58機):
    海軍へ移管されたC-54Aの呼称。1962年にC-54Nに改称。

  • R5D-1C:
    R5D-1の燃料系統をR5D-2準拠に改修した機体の呼称。

  • R5D-1F:
    R5D-1を参謀輸送機に改修した機体。後にR5D-1Zと改称。

  • R5D-2(47機):
    海軍へ移管されたC-54Bの呼称。1962年にC-54Pに改称。

  • R5D-2F:
    R5D-2を参謀輸送機に改修した機体。後にR5D-2Zと改称。

  • R5D-3(92機):
    海軍へ移管されたC-54Dの呼称。1962年にC-54Qに改称。

  • R5D-4(20機):
    海軍へ移管されたC-54Eの呼称。1962年にC-54Uに改称。

  • R5D-4R(数機):
    沿岸警備隊向けに改修された機体の呼称。1962年にC-54Rに改称。

  • R5D-5:
    R-2000-9エンジン搭載型に改修された機体。1962年にC-54Sに改称。

  • R5D-5Z:
    R5D-5を参謀輸送機に改修した機体。1962年にVC-54Sに改称。

  • R5D-5R:
    沿岸警備隊のR5D-5を旅客機型に改修した機体。1962年にC-54Tに改称。

  • R5D-6:
    C-54Jの海軍向けモデル。提案のみ。

  • DC-4(79機):
    戦後製作された純民間向け旅客機モデル。

  • DC-4M:
    カナデア社でライセンス生産された機体の総称。

  • North Star(24機):
    カナデア社製造の無与圧機。カナダ空軍の輸送機として使用。

  • C-5(1機):
    カナデア社製造の全与圧機。カナダ空軍のVIP輸送機として使用。

  • Carvair:
    自動車輸送用に改造された機体。英エビエーション・トレーダーズ社改造。


*1 EはExperience(試作)の意味。
*2 戦前の日本にあった半官半民の民間航空会社。現在の日本航空とは直接の関係はない。
*3 日本で本機を導入したのは同社だけであった。
  また、当時発行されていた航空郵便用切手(航空切手)の図案にも採用されている。


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