Last-modified: 2019-09-19 (木) 02:47:44 (80d)

【CH-53】(しーえいちごじゅうさん)

Sikorsky CH-53 Seastallion(シースタリオン).

アメリカ海兵隊などで使われる、西側最大級の輸送ヘリコプター。社内呼称S-65。

海兵隊向けの輸送ヘリコプター?として、CH-54?の動力系をベースに開発された。初飛行は1964年。
全長30mを超える巨体でありながら、前線での使用を鑑みループロールが可能という驚異的な機動性を有している。
また機尾にランプドアがあり、迅速な昇降が可能となっている。
さらに水密胴体チタニウム製の防食ローターハブなど、海上での作戦に適した構造をしている。

その代償として部品寿命などが短くなっており、運用コストは非常に高く稼働率は低いといわれる*1

大幅な改良を施したE型は、それまでの約2倍もの輸送能力を持ち、Mi-12?Mi-26?に次ぐ世界第3位の出力を持つヘリコプターである。

派生型として、そのペイロードと海上運用性を活かした機雷掃海型のRH-53DやMH-53Eが存在する。
またGAU-2B/Aで武装した救難型のHH-53は、ベトナム戦争においてジョリーグリーンジャイアントとして頼られる存在であった。

MH-53.jpg
Photo: USAF

スペックデータ

タイプCH-53CH-53ECH-53K
乗員3名
(パイロット2名、クルーチーフ1名)
5名
(パイロット2名、クルーチーフ/右銃手1名、
左銃手1名、後部銃手1名(コンバットクルー))
兵員搭載数38名または担架24床30名37名*2
ペイロード5,900kg
(最大)
13,600kg(機内)
14,500kg(機外)
15,900kg
全長26.97m30.2m
全高7.6m8.46m
主ローター
直径
22.01m24m
回転円盤面積380.48460
空虚重量10,740kg15,701kg
最大離陸重量19,100kg33,300kg38,400kg
エンジンターボシャフト×2〜3基
GE T64-GE-413GE T64-GE-416/416A/419GE GE38-1B
エンジン出力3,925shp
(2,927kW)
4,380shp
(3,270kW)
7,500shp
(5,600kW)
最高速度315km/h278km/h-
巡航速度278km/h222km/h315km/h
航続距離1,000km852km
戦闘行動半径160km333km204km
フェリー
航続距離
1,640km1,833km-
実用上昇限度5,106m5,640m4,380m
上昇率12.5m/s13m/s
ホバリング
高度限界
4,080m(IGE)
1,980m(OGE)
3,520m(IGE)
2,895m(OGE)
-
兵装GAU-15/AまたはGAU-21×2基
MG3?またはM3M/GAU-21(CH-53G)
GAU-15/A×2基
GAU-21×1基
M3M/GAU-21×3基
その他チャフフレアディスペンサーを装備


MH-53J
乗員6名(パイロット2名、フライトエンジニア2名、ガナー2名)
搭載容量兵員37名(代替構成で55名)
全長28m
全高7.6m
主ローター直径21.9m
空虚重量14,515kg
最大離陸重量21,000kg
エンジンGE T64-GE-100ターボシャフト×2基(出力4,330shp(3,230kW))
最高速度315km/h
巡航速度278km/h
航続距離1,100km(空中給油で延長可能)
上昇限度4,900m
兵装M134ミニガンまたはブローニングM2×3基
(機体左右(フライトデッキ後部)とランプ。任意の組み合わせ)


CH-53のバリエーション(カッコ内は生産・改修機数)

  • 輸送型
    • CH-53A(139機):
      初期生産型。
      エンジンはT64-GE-6(出力2,850hp)×2基を搭載。

    • CH-53D(126機):
      A型のエンジン強化型。
      エンジンはT64-GE-413(3,925hp)×2基を搭載。

    • CH-53G:
      D型のルフトバッフェおよびドイツ陸軍向け戦闘捜索救難型。

    • CH-53GA:
      G型の改良型。
      アビオニクスの更新やFLIRの搭載、内部燃料タンクの追加などが施されている。

    • CH-53GS:
      G型のエンジン換装型。T64-GE-100(4,330hp)を搭載。

    • CH-53E「スーパースタリオン」:
      エンジンを4,380馬力×3基、メインローターを7枚ブレードに、トランスミッションを大幅強化、テイルローターを傾斜させるなど大幅強化した機体。

    • CH-53K「キングスタリオン」:
      HLR*3計画で配備が計画されているE型の大規模発展型。
      機体を大型化し*4コックピットグラスコックピット化、エンジンをGE38-1B*5(7,500馬力)×3基に変更、最大搭載可能重量を増加するなどの改良が施されている。
      現在開発中で、2014年末に初飛行し、2018年に初期作戦能力獲得予定。
      当初はE型の延命改修案として提示されたが、飛行時間あたりに要するコストと整備時間が初期の数倍に膨れ上がっていた問題の解決にはつながらないことから採用は見送られ、新規製造に切り替えられた。

  • 捜索救難
    • HH-53B「スーパージョリー」:
      エンジンを3,080馬力×2基へ強化し、全天候飛行能力を備えた米空軍向け戦闘捜索救難型。

    • HH-53C「スーパージョリーグリーンジャイアント」:
      エンジンを3,435馬力×2基へ強化した型。

    • YHH-53H「ペイヴ・ロウI」:
      空中給油受油プローブや地形追随レーダーなどを追加した試作機。

    • HH-53H「ぺイヴ・ロウII」:
      上記の量産型。後にMH-53Hに改称。

  • 機雷掃海型
    • RH-53A(A型15機):
      米海軍向けの機雷掃海型。

    • RH-53D:
      D型ベースの掃海型。

    • MH-53E「シードラゴン」:
      CH-53Eのスポンソンを大型化して燃料タンクを拡大し、掃海具を載せたもの。
      米海軍海上自衛隊で使用されている*6

  • 強襲型
    • MH-53H「ぺイヴ・ロウII」:
      HH-53Hの特殊部隊輸送用。

    • MH-53J「ぺイヴ・ロウIII」:
      上記の改修型で、FLIRGPSなどを追加して航法能力を強化したもの。

    • MH-53M「ぺイヴ・ロウIV」:
      上記の改修型。地上の戦況をディスプレイに表示可能。

  • その他
    • TH-53A:
      アメリカ空軍向け練習機型。

    • VH-53D(D型2機):
      D型のVIP輸送型。

    • VH-53F(6機):
      マリーンワン向け。キャンセル。

    • S-65C-3:
      イスラエル航空宇宙軍向け輸出型。HH-53C相当。

      • Yasur*7 2000:
        イスラエル空軍において1990年代初頭に実施された近代化改修。
        運用寿命を2000年代まで延ばす事が目的とされた。

      • Yasur 2025:
        イスラエル空軍において2007年に実施された近代化改修。
        運用寿命を2025年頃まで延ばす事が目的とされている。

    • S-65Öe:
      オーストリア空軍向け輸出型。CH-53C相当。


*1 特に海上自衛隊のMH-53EはFMS?調達であったため、部品などの供給が遅く、稼働率の低下に拍車がかかった。
*2 センターシート使用時は55名。
*3 Heavy Lift Replacement.
*4 これによりハンヴィーが搭載可能となる予定。
*5 ダッソー ファルコン2000に搭載されているCFE738ターボファンの派生型。
*6 海自ではMCH-101に置き換えられ、2017年までに退役。
*7 ミズナギドリの意。

添付ファイル: fileMH-53.jpg 2226件 [詳細]

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