Last-modified: 2017-03-25 (土) 20:15:33 (59d)

【C-97】(しーきゅうじゅうなな)

Boeing C-97 Stratofreighter(ストラトフレイター) /KC-97 Stratotanker(ストラトタンカー) /B377 Stratocruiser(ストラトクルーザー)

第二次世界大戦中にアメリカのボーイング社が開発した輸送機空中給油機
アメリカ陸軍航空隊に採用され、後に空軍に引き継がれた。

同社製の戦略爆撃機B-29からエンジン*1主翼・尾翼を流用し、胴体はB-29の円形のものに変えて上下方向に拡張したダルマ形のものを新規に設計した。

なお、本機で採用された「ダルマ形胴体」は現在の旅客機貨物機にも受け継がれている*2

ペイロードはトラック2輛ないし軽戦車1輛を搭載可能だった。
しかし機体が大きく鈍重なため、前線への輸送は忌避された。
総生産機数(888機)中814機は空中給油機(KC-97)として生産され、残りの輸送機型もほぼ後送に用いられた。

また、戦後には本機をベースにした旅客機・B377「ストラトクルーザー」が生産された。

スペックデータ

C-97
乗員5〜6名(機長副機長ナビゲーター航空機関士ロードマスター1〜2名)
ペイロード兵員134名・担架69席
全長33.7m
全高11.7m
翼幅43.1m
翼面積161.1
空虚重量37,410kg
全備重量54,420kg
最大離陸重量79,370kg
エンジンP&WR-4360B「ワスプ・メジャー」4重星型28気筒空冷エンジン×4基
出力3,500hp(2,610kW)
速度
(最高/巡航)
603km/h / 482km/h
航続距離6,920km
フェリー航続距離9,270km
実用上昇限度10,670m
翼面荷重337.8kg/
パワー/マス192W/kg


KC-97L
乗員6名(機長副機長ナビゲーター航空機関士航空通信士・ブームオペレーター)
全長35.79m
全高11.68m
翼幅43.03m
機体重量37,421kg
積載重量69,400kg
最大離陸重量79,379kg
エンジンP&WR-4360-59「ワスプ・メジャー」4重星型28気筒空冷エンジン×4基
GE J47-GE-23?ターボジェット×2基
出力3,500hp(R-4360-59)
5,790lbf(J47-GE-23)
速度
(最高/巡航)
644km/h / 370km/h
航続距離3,700km
最大上昇限界高度9,144m
燃料搭載量9,000ガロン(34,000リットル)


バリエーション(カッコ内は生産・改修機数)

  • 輸送機
    • XC-97(3機):
      ライトR-3350「サイクロン18」エンジンを装備する原型機。

    • YC-97(6機):
      R-3350エンジン装備の増加試作型で貨物専用型。

    • YC-97A(3機):
      R-3350エンジン装備の増加試作型で兵員輸送型。

    • YC-97B(1機):
      定期路線用の旅客型でB377原型機。
      80席と貨物スペースを持つ。

    • C-97A「ストラトフレイター」(50機):
      R-4360エンジンを装備する量産型。82席・担架79床の兵員・患者輸送型。
      後に貨物輸送兼用型に改造された。

      • JC-97A(A型1機):
        特殊試験用機。

      • VC-97A(A型2機):
        戦略航空軍団司令部用指揮官機。

    • C-97C(14機):
      キャビン床および電子装備を強化した型。

    • C-97D(YC-97A・1機、YC-97B・1機、C-97A・2機):
      旅客輸送型。

      • VC-97D(A型3機):
        戦略航空軍団司令部用指揮官機。

    • C-97E(60機):
      KC-97Eの輸送機改装型。

    • C-97F(159機):
      KC-97Fの輸送型改修型。貨物扉などを改善。

    • C-97G(135機):
      KC-97Gの輸送型。

    • HC-97G(22機):
      KC-97Gの捜索救難機改装型。

    • YC-97J(KC-97G・2機):
      KC-97GのエンジンをP&WYT34-P-5?軸流式ターボプロップ(出力5,700hp)に換装した旅客輸送型。

    • C-97K(KC-97G・26機):
      戦略航空軍団用要員輸送機。

    • 377M「アナク」:
      1960年代、イスラエル空軍が、中古のB377を買い取って輸送機に改装したもの。
      機体後部はC-97と同じ形状になっている。

  • 空中給油機
    • KC-97A(3機改装):
      後部貨物扉を除去し、空中給油装置を付加した空中給油機型。
      KC-135のデビューまで使われた。

    • KC-97E(60機):
      最初から空中給油機として新造された型。
      後部貨物扉はなし。

    • KC-97F(159機):
      E型のエンジン改良型。乗員6名。
      エンジンはR-4360-59B(出力3,800hp)を搭載。

    • KC-97G(592機):
      空中給油機/輸送機兼用型。多くは輸送機として用いられた。
      うち135機は後に空中給油器材を降ろし、C-97Gに改装された。

      • GKC-97G(5機改装):
        地上訓練器材に改装された型。

      • JKC-97G(1機):
        GE J47-GE-23ターボジェットを追加した型。

    • KC-97H(1機改装):
      F型のうち1機をドローグ方式の空中給油装置を試験のために改装した型。

    • KC-97L(81機改装):
      G型にJ47ジェットエンジンを追加搭載した型。

  • 民間型
    • B377「ストラトクルーザー」(56機):
      民間向け旅客機型。
      総二階建ての客室*3と、バー・ラウンジ等の設備から「空飛ぶホテル」の異名を得ていた。
      事故が多発した*4事と、大型過ぎて当時の空港設備の利用が困難な点から、長くは運用されなかった。

    • エアロ・スペースラインB377PG「プレグナント・グッピー」:
      宇宙ロケット「サターン?」の輸送用として、エアロ・スペースライン社がB377をベースに改造した大容積物品対応型重貨物輸送機

    • エアロ・スペースラインB377SG「スーパー・グッピー」:
      B377をベースに改造された大容積物品対応型輸送機。
      「プレグナント・グッピー」と同様にサターンロケット?の輸送に使われた。

    • B377SGT:
      エンジンアリソン?501-D22C*5ターボプロップに換装したモデル。
      1970年代からはエアバス社の部品輸送にも使用された。

    • エアロ・スペースラインB377MG「ミニ・グッピー」:
      「プレグナント・グッピー」「スーパー・グッピー」と同様、B377をベースに改造された大容積物品対応型輸送機。
      搭載量はスーパー・グッピーより小さい。

    • B377MGT:
      B377SGTと同様、エンジンをアリソン 501-D22Cターボプロップに換装したモデル。


*1 当初はライトR-3350を搭載していたが、量産型ではR-4360「ワスプ・メジャー」に変更された。
*2 ただし、現在の機体では空気抵抗を減らすために円形に整形されている。
*3 当時の旅客機は全席が現在のファーストクラス相当の客席だった。
*4 本機のみならず、本機の母体であるB-29DC-7など、大型レシプロ機は大出力化したエンジンと機体とのマッチングに苦慮するケースが多く、これを原因としたトラブルも多発した。
*5 T56?の民間モデル。

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