Last-modified: 2021-09-23 (木) 08:05:48 (4d)

【C-130】(しーひゃくさんじゅう)

Lockheed C-130"Hercules(ハーキュリーズ)"

ロッキード社が開発した中型の四発ターボプロップ輸送機
愛称は、ギリシア神話に登場する英雄「ヘラクレス」に由来する。

1954年の初飛行以来2,000機以上が生産され、世界約50ヶ国で使用されている軍用輸送機の傑作*1
基本設計の優秀さは特筆に値するもので、以下の特徴は後世代の戦術輸送機の基本形となった。

機体の完成度も高く、この60年間で変更された部分は、アビオニクスプロペラの形状と枚数、エンジンほどしかない。
また、高い短距離離着陸能力を持ち、補助ロケットを装備する事でより短い滑走距離での離陸も可能である。

本来の輸送機型以外にも、空中給油機救難機電子戦機ガンシップなどの派生型が非常に多い。

関連:AC-130 EC-130? MC-130? L-100

スペックデータ(C-130H)

乗員5名(機長副機長、CSO/航法員航空機関士ロードマスター
全長29.8m
全高11.6m
翼幅40.4m
ペイロード20,400kg
容量C-130E/H/J
貨物室寸法(長さ×幅×高さ):12.19m×3.02m×2.74m
後部ランプ寸法(長さ×幅):3.12m×3.02m

C-130J-30
貨物室寸法(長さ×幅×高さ):16.76m×3.02m×2.74m
後部ランプ寸法(長さ×幅):3.12m×3.02m
主翼面積162.1
空虚重量34,400kg
全備重量70,310kg(過荷重79,380kg)
最大離陸重量70,300kg
燃料容量36,416L(機内+主翼下増槽
エンジンアリソン T56-A-15ターボプロップ×4基(出力4,910shp(3,430kW))
プロペラ4枚(プロペラ径:4.1m)
最高速度592km/h(高度6,060m)
巡航速度540km/h
航続距離3,800km
上昇率(海面上)9.3m/s
実用上昇限度10,060m(空荷)
7,077m(ペイロード19,000kg時)
離陸滑走距離1,093m(最大総重量70,300kg時)
427m(総重量14,300kg時)
積載能力兵員92名または空挺部隊64名または患者74名と医療関係者5名
パレット6枚、ハンヴィー2〜3台、M113装甲車2台、カエサル 155mm自走榴弾砲1台
レーダーAN/APN-241気象/航法レーダー


基本型

  • YC-130:
    試作原型機。
    三翅プロペラを使用し、短いノーズを持つ。
    エンジンはアリソン YT56-A-1を搭載。

  • C-130A:
    初期生産型。
    三翅プロペラを使用するが、後にプロペラブレードを四翅化した機体もある。
    エンジンはT56-A-1(51号機以降はA-1A、後期型はA-9あるいはA-11)を搭載。
    当初はYC-130と同様ノーズが短かったが、28号機からレーダーの装備により突き出たノーズとなった。
    翼下のエンジン外側に450ガロン増槽を装備。

    • C-130D/D-6:
      A型を元に、ソリと短距離離陸(RATO)用の補助ロケットエンジンを装備した極地仕様。

  • C-130B:
    第2期生産型。
    エンジンをT56-A-7に換装し補助翼を追加、プロペラブレードを四翅化した。
    また、最大離陸重量が引き上げられ、コックピット後部に交代乗員用のベッドを増設した。
    機内燃料搭載量が増加したため、翼下の増槽は搭載していない。

    • C-130BZ:
      南アフリカ空軍向け。

  • C-130E:
    B型の改良型。
    容量1,360ガロンの外部燃料タンクを主翼外側・内側エンジンの間に装備し、エンジンをアリソン T-56-A-7Aに換装している。
    構造や電子機器も改善され、最大離陸重量や航続距離も延伸された。

    • C-130E-I:
      フルトン回収システムを搭載した型。
      実戦での回収任務は行っておらず、基本的には通常の輸送機として使用された。

  • C-130F(GV-1):
    第3期生産型。アメリカ海兵隊向け。
    C-130Bを元に、出し入れ可能な燃料タンクを貨物室に設置できる。

  • C-130G:
    アメリカ海軍向け。
    E型をベースに機体の構造を強化し、積載量を向上させた。

  • C-130H:
    第4期生産型。
    翼の設計を改め、電子機器を一新し、エンジンをアリソン T56-A-15に換装した。
    1964年頃からアメリカ以外の国でも採用され、1974年に後期型の配備が始まった。
    1996年までに1,087機が生産された。

    • C-130H1/H2/H3:
      C-130Hのアビオニクス近代化型。H2とH3は新規製造も行われている。

    • C-130H-30:
      C-130Hの胴体延長型で輸出型の基本モデル。
      胴体の前後にプラグを挿入することで4.57m胴体を延長し、離着陸性能の低下と引き換えに積載能力が向上している。

    • T.10:
      H型のスペイン空軍での呼称。

  • Tp84:
    E/H型のスウェーデン空軍での呼称。

  • CC-130E/H:
    E/H型のカナダ空軍での呼称。

  • C-130K(ハーキュリーズ C.1):
    C-130Hのイギリス空軍向けモデル。
    各種装備品にイギリス製のものを使用している。
    イギリス空軍では既に退役し、オーストリア軍が中古機を取得して運用中。

  • C-130T:
    アメリカ海軍向け。H型に準ずる。
    内1機は2019年5月に退役するまでブルーエンジェルス専用機「ファットアルバート」を務めていた。
    後継機はイギリス空軍から取得したC-130Jになる予定。

  • C-130J「スーパーハーキュリーズ*2」:
    1999年に配備が開始された、現在も生産を行っている最新モデル。
    エンジンをロールス・ロイス/アリソン AE2100に換装し、ブレードを三日月形状の六翅プロペラに変更、グラスコックピット化が施された。
    また、電子機器をデジタル化して航法士搭乗の必要をなくすことで、運用経費を軽減している。

    • C-130J-30:
      C-130Jの胴体延長型。

    • CC-130J:
      J-30型のカナダ空軍での呼称。

    • ハーキュリーズ C.4:
      J-30型のイギリス空軍での呼称。

    • ハーキュリーズ C.5:
      J型のイギリス空軍での呼称。

    • C-130XJ:
      胴体を短縮し、電子機器などを簡素化した廉価版。現在開発中。

  • C-130M:
    ブラジル空軍が独自に近代化改修したC-130E/H。

  • C-130R:
    アメリカ海兵隊が運用していたKC-130Rから空中給油機能を取り除いたもの。
    海上自衛隊YS-11の後継輸送機として導入。

派生型

  • AC-130「スペクター/スプーキー」
    対地攻撃機(ガンシップ)。詳しくは別項を参照。

    • AC-130J「ゴーストライダー」:
      J型ベースの対地攻撃機(ガンシップ)。

  • DC-130A/E:
    無人標的機管制機。
    主翼下にBQM-34「ファイアービー」無人標的機を搭載する。

  • EC-130:
    電子戦機型。

    • EC-130E「コマンド・ソロ」:
      テレビなどによる宣伝放送を行う心理戦・情報戦活動型。

    • EC-130E(RR)「リベットライダー」:
      「コマンド・ソロ」の派生型。

    • EC-130E「ABCCC掘廖
      空中指揮統制センター型。

    • EC-130H「コンパス・コール」:
      通信妨害機型。

    • EC-130J「コマンド・ソロ」:
      J型ベースの心理戦・情報戦活動型。

    • EC-130G/Q:
      潜水艦と通信中継を行うTACAMO機型。
      現在はE-6「マーキュリー」と交代済み。

    • EC-130V:
      E-2「ホークアイ」の早期警戒レーダーを搭載したAEW型。
      アメリカ沿岸警備隊が海洋監視に使用する他、麻薬取締局が密輸の取締に使用している。

  • C-130AEW&C:
    早期警戒機型。メーカー自主開発。

  • GC-130:
    地上試験機型。
    各種試験後は戦術輸送機として欧州NATO加盟国空軍へ配備された。

  • HC-130B(R8V-1G)/E:
    アメリカ沿岸警備隊向けで海洋捜索救難、海上哨戒、物資輸送を兼務する多目的型。

    • HC-130H:
      アメリカ空軍戦闘捜索救難機型。
      アメリカ沿岸警備隊でも使用されており、こちらはC-130JをベースにしたHC-130Jに移行中。

    • HC-130N「コンバットキング」:
      空中給油機としての能力を付加した型。

    • HC-130J「コンバットキング供廖
      アメリカ空軍向け捜索救難機型。

  • JC-130:
    暫定的な試験機型。
    射場でのミサイル追跡や偵察衛星から射出されたカプセルの回収に用いられたものもある。

  • KC-130F:
    翼下に空中給油ポッドを備える空中給油/輸送機型。

    • KC-130R:
      F型の燃料搭載量増大型。機体はC-130H相当。

    • KC-130T:
      R型のアビオニクス近代化型。

      • KC-130T-30:
        T型の胴体延長型。

    • KC-130B:
      空中給油/輸送機型。
      インドネシアとシンガポールのみで運用されている。

    • KC-130H:
      輸出向け空中給油/輸送機型。

      • TK.10:
        KC-130Hのスペイン空軍での呼称。

    • KC-130J:
      J型の空中給油機型。
      アメリカ海兵隊イタリア空軍で運用されている。

    • Tp84:
      KC-130のスウェーデン空軍での呼称。

    • ハーキュリーズ C.1K:
      イギリス空軍独自の空中給油機型。機体はそのままで貨物室に空中給油装置を備える。
      フォークランド紛争後間もないフォークランド諸島でマウント・プレザント空軍基地が完成するまでの間応急的に使用された。既に退役済。

  • LC-130F/R:
    南極大陸観測支援機型。
    C-130Dに似たスキー降着装置を装備し、JATOロケット4基を機体側面に備える事が可能。

  • MC-130E「コンバットタロン機廖
    特殊作戦支援機型。
    HSLLADS(高速低空空中投下装置)、電子戦機器、赤外線暗視装置、地形追随レーダー、フルトン回収システムを装備している。

    • MC-130「コンバットタロン供廖
      湾岸戦争での戦訓を生かし、1990年から開発が始まった型。
      主に、機体構造の強化(機体後部とローディングベイ)や搭載機器の更新*3を行った。
      また、この更新によって省力化が図られている(9名→6名)。
      フルトン回収システムは搭載されていない。

    • MC-130P「コンバットシャドウ」:
      捜索救難支援機型。旧称HC-130N「コンバットキング」。
      主に夜間の侵攻作戦よりも昼間の救出作戦の支援(救難ヘリコプターへの空中給油)や物資投下などに用いられることが多い。
      2000年には能力改善改修が行われ、改良された航法システム、通信装置、脅威検出対策装置、GPS、共通型スリップウェイ搭載空中給油装置(UARRSI)、外部照明などが装備された。

    • MC-130W「コンバット・スピアー」:
      C-130Hベースの特殊作戦支援機型。
      カラーディスプレーを搭載したAN/APN-241気象/航法レーダーやAN/AAQ-17赤外線航法装置、また新型の共通型スリップウェイ搭載空中給油装置(UARRSI)を装備しており、これによってV-22「オスプレイ」への空中給油能力を獲得している。
      また、H型からの更なる後部カーゴベイの強化が行われ、より高速での貨物投下が可能である。

    • MC-130J「コマンドー供/「コンバット・シャドウ供廖
      J型ベースの特殊作戦支援機型。
      グラスコックピット化やAE2100-D3エンジンの採用、六翅プロペラの採用など、C-130シリーズとして最も先進的な機体構成を有する。

    • YMC-130H「クレディブル・スポーツ」
      「イーグルクロー」作戦失敗に伴う二度目の救出作戦に投入される予定だった改造機。
      サッカースタジアムへの離着陸を想定し離陸用、着陸・降下速度減速時の逆噴射用のブースターロケットを増設。
      着陸試験中に事故を起こしたため実用化されず。

  • NC-130:
    特殊試験機型。

  • PC-130:
    洋上哨戒機型。
    マレーシアとインドネシアに少数機が輸出された。

  • RC-130A:
    偵察機型。写真偵察に使用した。

    • RC-130H:
      情報収集機型。
      パフラヴィー朝イラン空軍が採用したとされるが詳細不明。

  • SC-130B:
    捜索救難機型HC-130Bに当初用いられていた形式のひとつ。

    • SC-130J「シー・ハーキュリーズ」:
      洋上哨戒機として計画された型。

  • TC-130:
    訓練/汎用輸送機型。

    • TC-130G:
      かつてアクロバット飛行隊「ブルーエンジェルス」専用機「ファットアルバート」として運用されていた機体。
      補助ロケットエンジンを使用しての短距離離陸(RATO)のデモンストレーションを行う*4

  • VC-130:
    要人輸送機型。エジプト空軍やサウジアラビア空軍が使用。

  • WC-130「ハリケーン・ハンター」:
    気象観測機型。

    • WC-130J「ウェザーバード」:
      C-130Jの気象観測機(ハリケーン・ハンター)型。

    • ハーキュリーズ W.2:
      ハーキュリーズ C.1の気象観測機型。機首上部のレドームや通常型より更に突き出たノーズが特徴。
      イギリス空軍が1機だけ運用していた。

  • L-100
    C-130の民間型。詳しくは別項を参照。


*1 本機の商業的成功から、1950年代のロッキードは「旅客機市場は今後、10年くらいターボプロップの時代が続くだろう」という予測を立て、ターボプロップ旅客機・L-188「エレクトラ」を開発・生産した。
 しかし、ボーイングB707ダグラスDC-8の就航でターボプロップ機の時代は短く終わってしまい、L-188もわずか167機の生産に終わった。

*2 ハーキュリーズ兇箸癲
*3 この型からGPSが搭載された。
*4 現在はRATOの在庫がなくなったため行われていない。

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