Last-modified: 2018-12-26 (水) 13:36:39 (241d)

【BTR-70】(びーてぃーあーるななじゅう)

ロシア陸軍で運用されている装輪式装甲兵員輸送車
BTR-60PBの改良型に当たる。

車体はBTR-60より少し小さいが、エンジンが強化された為にエンジン室が大型化された。そのため兵員室は少し小さくなっている。
車体後部にはウォータージェット推進装置を装備しているほか、BTR-60と違い車体に消波器が設置されている。
また、上部ハッチしかなかったBTR-60の欠点を改良し、第2・第3車軸の間に乗降用ハッチを増設した。
しかし逆三角型の小型のもので実用的とは言えず、後部にエンジン室がある為後部から乗降できないという弱点は残った。

アフガニスタン侵攻?で初めて実戦に投入されたが、そこで本車で採用していたガソリンエンジンが被弾時に発火しやすい弱点が露呈し、BTR-60共々「コレースヌィ・グロブ(燃える車輪付き棺桶)」と不名誉なあだ名をつけられた。
また、側面ハッチは小型で狭いため、完全武装の兵士には使用しづらく、上面から出入りしようとした兵士はみすみすムジャヒディン?の餌食となり、根本的な改善とはならなかった。

チェチェン紛争?では装甲を厚くする対策を行ったが、市街戦の際に外部に取り付けられた増槽、ハッチ、機関室、砲塔等を携帯式対戦車ミサイルで狙撃され多大な損害を出した。

これらの戦訓から、改良型のBTR-80ディーゼルエンジンを搭載し、側面ハッチを拡大している。

スペックデータ

乗員2名+兵員9名
全長7.53m
全高2.23m
全幅2.8m
戦闘重量11.5t
懸架・駆動方式8輪駆動
エンジンZMZ-49O5 4ストローク直列6気筒液冷ガソリンエンジン×2基(出力120hp)
登板力50%
超堤高0.6m
超豪幅2.0m
最大速度80km/h(整地)
10〜15km/h(水上)
行動距離400〜600km(増槽使用時)
装甲車体前面:8〜10mm
側面:7mm
砲塔前面:6mm
兵装KPVT 14.5mm重機関銃×1挺(500発)、PKT 7.62mm機関銃×1挺(2,000発)


派生型

  • BTR-70 obr.1978:
    前期生産型。

  • BTR-70 obr.1982:
    改良型。
    エンジンをGAZ-49B(6気筒、出力115hp)から、ZMZ-49-05(V型8気筒、出力120hp)に換装した。

  • BTR-70 obr.1984:
    微修正モデル。
    ターレット屋根上にTNPT-1ペリスコープが追加された。

  • BTR-70 obr.1986:
    改良型。
    ターレットの改良、装甲の強化などがされている。

  • BTR-70V:
    1PZ2照準器付きのBPU-1ターレットを搭載する後期生産型。
    「トゥーチャ」発煙弾発射機を搭載していない。

  • BTR-70M:
    近代化改修型。
    BTR-80の砲塔を搭載し、ディーゼルエンジンに換装している。
    モンゴルやシリアなども採用している。

  • BTR-70D:
    YaMZ-236Dディーゼルエンジン(出力180hp)を搭載する型。試作のみ。

  • BTR-70MS:
    通信用車輌。

  • BTR-70K:
    指揮車輌型。

  • BTR-KShM:
    指揮統制車輌型。
    移動指揮所として使用できるように設計されている。

  • BREM:
    装甲回収車型。

  • BTR-70Kh:
    化学兵器探知車輌。

  • SPR-2"Rtut-B":
    電子戦車輛型。

    • SPR-2M:
      改良型。より小型化された機器を搭載した。

  • AGS-17搭載型:
    AGS-17「プラミヤ*1」30mmグレネードランチャーを搭載する型。
    アフガニスタン侵攻で使用された。

  • 2S14 Zhalo-S:
    2A62 85mm砲を装備した砲塔を搭載した対戦車自走砲型。試作のみ。

  • SA-22「グレイハウンド」
    指令車輌として使用されている。

  • 15Ya56M MPB:
    戦略ロケット基地の警備車両。
    1PN22M1照準器、スピーカー、OU-3GA-2 赤外線サーチライト、TNPO-170ペリスコープ?、NSVT 12.7mm重機関銃を装備する砲塔に換装されている。

  • ウクライナ製
    • BTR-70D:
      NRMZによるアップグレードモデル。
      出力300hpのディーゼルエンジンを装備する。
      ウクライナ軍の車輛では車体にBTR-80スタイルの2ピースハッチが装備されている。

    • BTR-70DI(BTR-7「ディフェンダー」):
      改良型。
      エンジンはイヴェコ EuroII ディーゼルエンジン(出力276hp)を搭載。
      オプションで"Ingul"または"Bug"モジュラーターレットまたは"Zaslon"アクティブ保護システムを装備可能。
      武装としてAGS-30自動擲弾発射機と対戦車ミサイル2基を装備する。

      • BTR-70DI-02"Svityaz":
        2012年に開発された装甲指令車両型。

      • BMM-70:
        装甲救急車型。

      • BREM-7K(BREM-2000):
        装甲回収車型。

    • BTR-70M:
      Marozovでのアップグレードモデル。
      エンジンはUTD-20(出力300hp)を搭載。

    • BTR-70SM:
      非武装の救急車型。

  • 旧東ドイツ
    • SPW 70:
      旧東ドイツでのBTR-70の呼称。

    • SPW 70(S):
      指揮車両型。
      無線機2基が追加され、2〜3基のホイップアンテナ、伸縮マストを備える。

    • SPW 70(SL) :
      前線航空管制車両。
      R-809無線機とホイップアンテナ4基を装備する。

    • SPW 70(Sh):
      NBC偵察車輌型。試作のみ。

  • スロバキア/ベラルーシ
    • コブラ-K:
      2A42「コブラ」モジュラー砲塔を搭載した型。
      オプションでKamAZ-7403ディーゼルエンジンを装備可能。

  • ルーマニア製
    • TAB-77:
      ルーマニアでのライセンス生産型。
      エンジンをSaviem 797-05M1ディーゼルエンジン(出力132馬力)2基に換装している。

      • TAB-77 M1983:
        30mm機関砲と9M14M「マリュートカ」対戦車ミサイルを搭載したアップグレード型。試作のみ。

      • TAB-77 M1984:
        TAB-77 M1983の機関砲を23mm機関砲に変更した型。試作のみ。

      • TAB-77 PCOMA:
        砲兵指揮車輌型。

      • TAB-77A R-1451/M:
        R-1070およびR-1451M無線機を搭載した指揮通信車輌型。
        ホイップアンテナが追加され、車体後部に発電機を装備する。
        乗員は3+7名で、7.62mm同軸機関銃は撤去されている。

      • TAB-77A R-1452:
        信号車両型。
        R-1452無線機、ホイップアンテナ7本、伸縮式マスト、発電機2基を装備。

      • TAB-77A B-77:
        1996年に発表された改良型。
        エンジンを250馬力のディーゼルエンジン1基に換装し、機関銃砲塔の射撃サイトを大型化している。
        乗員は3+8名。

      • TERA-77L:
        装甲回収車型。5tクレーンとドーザーブレードを装備。


*1 Пламя:ロシア語で炎を意味する。

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