Last-modified: 2020-03-14 (土) 13:22:11 (227d)

【BAe146】(びーえーいーいちよんろく)

BAe 146.

英国のブリティッシュ・エアロスペース社(BAe)が1980年代〜2000年代まで開発・生産していた小型四発旅客機リージョナルジェット)。
定員80〜100席前後の小型機にもかかわらずエンジンを4基搭載するという変わった機体であった。

本機は当初、英国製の中短距離ジェット旅客機BAC 1-11の後継として、中短距離の路線を運航するリージョナルジェットとして開発が始まった。
小型機では世界唯一の四発機であるが、これは低騒音とSTOL性を志向したものである。
また、ジェット旅客機では珍しい高翼構造やテールコーンを左右に開いてエアブレーキとする機構も採用している。
これらの機構から、滑走路が短かったり騒音規制が厳しい空港への乗入に多く用いられている。

本機の開発は、1960年代にデ・ハビランド社が支線向けの高翼ターボプロップ旅客機「DH.123」として設計を始めたことに端を発する。
その後の再編でデ・ハビランドはホーカー・シドレーに吸収され、同社でターボファンを搭載する低翼機「HS.144」へと引き継がれたが、適当な出力のエンジンが見つからず開発は停滞。
その後、ホーカー・シドレーを傘下に入れたブリティッシュ・エアロスペースによって「BAe146」として開発が再開され、1981年に試作機が初飛行した。
1983年に欧州航空規則による型式証明を取得し、英国―スイス間で初就航を果たした。

機体は15°の後退角を持った高翼配置の主翼T尾翼を備えたスタイルで、主翼下にアブコ・ライカミング社製のターボファンエンジンを4基備えている。
降着装置前輪式で、すべて引き込み式である。

本機は英国のみならず、アジアやアメリカ、アフリカの航空会社に多く導入され、2001年まで生産された。
バリエーションには「シリーズ100」「シリーズ200」「シリーズ300」がある。
1993年にはエンジンを換装した上に操縦系統を近代化した「アブロRJ70/85/100/115*1」として生産が続けられた。

日本の航空会社では採用されることのなかった*2本機であるが、英国王室専用機として用いられたり、中華人民共和国の航空会社が日中間の定期路線に使用していたこともあった。
また、消防機として改造された機体もある。

軍用機型も計画されたが、実機の生産はされなかった。

スペックデータ

タイプBAe146-100/RJ70BAe146-200/RJ85BAe146-300/RJ100
乗員2名(機長副機長
座席数70〜82席85〜100席97〜112席
全長26.19m28.55m31m
全高8.61m
キャビン3.42m
翼幅26.34m
翼面積77.3
アスペクト比8.98
運用重量23,820kg24,600kg25,640kg
最大離陸重量38,101kg42,184kg44,225kg
最大ペイロード8,612kg11,233kg11,781kg
燃料容量11,728L(3,098 US gal)
12,901L(3,408 US gal)(オプション)
エンジンギアードターボファン×4基(以下のエンジンを搭載)
ライカミング ALF502R-5(BAe146)
ハネウェル LF507-1F(アブロRJ)
推力31.1kN(6,990lbf)
最高速度マッハ0.739(789km/h)
巡航速度マッハ0.7(747km/h)
航続距離82pax:3,870km100pax:3,650km100pax:3,340km
燃料消費量
(FL310)
425kn:2,468kg/h
361kn:1,594kg/h
423kn:2,483kg/h
361kn:1,672kg/h
429kn:2,517kg/h
377kn:1,724kg/h
離陸滑走距離
(SL、ISA
1,195m1,390m1,535m
着陸滑走距離
(SL、ISA)
1,180m1,190m1,270m


バリエーション

  • BAe146 シリーズ100:
    標準型。

  • BAe146 シリーズ200:
    ストレッチ型。胴体を2.4m延長している。

  • BAe146 シリーズ300:
    200型のストレッチ型。胴体を2.44m延長している。

    • 146-QT:
      貨物機型。

    • 146-QC:
      貨客転換型。

    • 146-STA:
      146-QTベースの軍用型。計画のみ。

  • アブロRJ70/85/100/115:
    エンジンをハネウェル LF507に換装した上に操縦系統を近代化した型。

  • エアバス E-Fan-X:
    エンジン1基をダクテッドファンで置き換えたハイブリッド航空機の実証実験機。


*1 型式の後の数字は座席数をあらわす。
*2 一時期、日本エアシステムYS-11の後継として採用を検討していたが実現しなかった。

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