Last-modified: 2020-09-19 (土) 09:35:23 (8d)

【B787】(びーななはちなな)

Boeing 787 "Dreamliner(ドリームライナー)".

20110707b787_land.jpg


ボーイング社がB757B767B777の後継として開発した中型双発ジェット旅客機
開発当初はB7E7と呼ばれていたが、2005年1月28日に正式名称をB787へ変更した。

前世代に比してペイロード航続距離が増大するとともに、20%の省燃費化を達成している。
これはエンジンの効率化・機体デザインの空力学的洗練・複合材の積極利用による機体軽量化などによる。
また、機構の単純化、自己診断機能の改善、複合材料による耐久性の向上により、整備コストの低減も計られている。

内装面では、複合材により与圧性能が向上し、また金属腐食の恐れがなくなった事で加湿器の利用が可能となった。
加えて、LED照明の採用、窓の大型化、シェブロンノズルによる騒音低減など、快適性の向上も図られている。

納入・就航実績

当初の計画では2005年に仕様確定、2006年に製造開始、2007年に初飛行、2008年に就航開始という予定だった。
しかし紆余曲折を経て予定は大幅に遅延し、初飛行は2009年12月15日となった。

遅延の主原因は、下請業者から調達した部品の品質低下であったという。

ローンチカスタマー全日本空輸
2011年10月末、成田〜香港間のチャーター便で初の商業運航を実施した。
その他、日本航空、ユナイテッド航空、ラン航空、エア・インディア、エチオピア航空など計57社に納入され、合計800機以上が就航済み。

うち3機はビジネス機*1、1機はUAE政府専用機
なお、貨物機型の開発計画は現在のところない。

2013年の重大トラブルによる運航停止措置

本機は軽量・小型化のために、バッテリーに民間機としては初のリチウムイオン電池を採用していた。
しかし、2013年1月にバッテリー過熱による火災が相次いで発生。
これによって日本・アメリカでの耐空証明は失効し、他の国々でも運用・納入が停止された。

ボーイングは全ての機体のバッテリーを改修する事で耐空証明を回復し、無事に運行を再開している。
ただし、機体とメーカーに対する信頼を完全に回復したとも言いがたく*2、機体トラブルによる騒動は未だ関係者の記憶に新しい。

スペックデータ

タイプ787-3
(開発中断)
787-8787-9787-10
(一部推定値)
乗員2名(機長副操縦士
座席数2クラス290〜330名3クラス210〜250名3クラス250〜290名3クラス約300名
全長57.0m56.7m62.8m68.3m
全高16.9m
全幅52.0m60.1m
胴体最大幅5.74m
客室最大幅5.49m
最大離陸重量170,000kg219,540kg244,940kgN/A
貨物量16tN/A
エンジンGE GEnxターボファン×2基
または
ロールス・ロイス? トレント1000ターボファン×2基
最大燃料容量48,600L127,000LN/A
巡航速度M0.85
航続距離*35,650km15,200km15,750km11,910km
最大巡航高度13,000m
滑走距離
(離陸/着陸)
-/1,730m3,100m/1,730m2,900m/1,730m-/1,730m


運用状況(2020年9月時点)

採用国採用会社787-8787-9787-10合計
ベトナムベトナム航空-11機4機15機
バンブー・エアウェイズ-3機-3機
ウズベキスタンウズベキスタン航空4機--4機
アメリカユナイテッド航空12機33機13機55機
アメリカン航空22機22機-44機
イギリスNorwegian Air UK-13機-
ヴァージン・アトランティック航空-17機-17機
TUIエアウェイズ8機4機-12機
ブリティッシュ・エアウェイズ12機18機2機32機
UAEエティハド航空-28機6機34機
トルコターキッシュエアラインズ-11機-11機
タイタイ国際航空6機2機-8機
タンザニアAir Tanzania2機--2機
台湾エバー航空-4機5機9機
スウェーデンNorwegian Air Sweden-3機-
スペインエア・ヨーロッパ8機5機-13機
韓国大韓航空-10機-10機
シンガポールシンガポール航空--15機15機
スクート10機10機-20機
サウジアラビアサウディア-13機4機17機
フランス領
レユニオン
エール・オーストラル2機--2機
カタールカタール航空30機--30機
ポーランドLOTポーランド航空8機7機-15機
オマーンオマーン・エア2機8機-10機
ノルウェーNorwegian Long Haul8機13機-37機
ニュージーランドニュージーランド航空-13機-13機
オランダアークフライ
(現TUIフライ・ネーデルラント)
3機--3機
KLMオランダ航空-13機5機18機
モロッコロイヤル・エア・モロッコ5機4機-9機
メキシコアエロメヒコ航空9機10機-19機
ケニアケニア航空8機--8機
ヨルダンロイヤル・ヨルダン航空7機--7機
日本日本航空26機20機-46機
全日本空輸36機35機2機73機
ZIPAIR Tokyo2機--2機
イタリアNeos-4機-4機
イスラエルエル・アル航空3機12機-15機
インドビスタラ-1機-1機
エア・インディア27機--27機
フランス領
ポリネシア
エアタチヒヌイ-4機-4機
フランスエールフランス-10機-10機
エチオピアエチオピア航空19機6機-25機
エジプトエジプト航空-6機-6機
コロンビアアビアンカ航空13機--13機
中国厦門航空6機6機-12機
金鵬航空-2機-2機
上海航空-7機-7機
吉祥航空-6機-6機
海南航空10機28機-38機
中国南方航空10機13機-23機
中国東方航空-3機-3機
中国国際航空-14機-14機
チリLATAMチリ10機16機-26機
カナダウエストジェット航空-6機-6機
エア・カナダ8機29機-37機
ブルネイロイヤルブルネイ航空5機--5機
ベルギージェットエアフライ
(現TUIフライ・ベルギー)
2機--2機
バングラデシュビーマン・バングラデシュ航空4機2機-6機
バーレーンガルフ・エア-6機-6機
アゼルバイジャンアゼルバイジャン航空2機--2機
オーストラリアカンタス航空-11機-11機
ジェットスター航空11機--11機
合計355機504機53機912機


派生型のラインナップ

「##」には顧客ごとのカスタマーコードが入る。

  • B787-3##:
    交通量の多い路線を的にした290人級の短距離型。航続距離6,500km。
    事実上日本専用モデルとして売り込まれたが、開発スケジュールの遅延に伴ってB787-8へ発注が振り替えられ、実機の生産は現時点で行われていない。
  • B787-8##:
    B787の基本型で、220人級の長距離型。航続距離15,700km。
  • B787-9##:
    260人級の長距離型。航続距離15,400km。
  • B787-10##:
    290〜330人級の長距離型。航続距離14,300km(推定)。
    2013年6月に発表された長胴型(全長約70m)で、性能上B777-200ERの完全な代替を目指している。
    対抗馬であるエアバスA350-900に推定性能で劣るため、さらなる改良が噂されている。


*1 このうち1機(試作6号機)はメキシコ空軍で政府専用機として運用されていたが売却されている。
*2 そのことと(有事の兵員・避難民の輸送も考慮した)ペイロードの問題もあって、日本国政府専用機の後継機トライアルにおいてもB777-300ERに敗れている。
*3 最大積載(旅客及び貨物)時。

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