Last-modified: 2017-12-17 (日) 06:28:54 (1d)

【B777】(びーとりぷるせぶん)

Boeing 777.
ボーイング社が1990年代に開発した*1、大型の双発ジェット旅客機
マクダネル・ダグラスの「MD-11」やエアバスの「A330」「A340」のカウンターパートとなる機体として、B767B747の中間的なサイズで開発された*2

3軸6輪の主脚を持つこと、そしてB737の胴体と同じくらいの太さのエンジンを双発で装備することなどが特徴。
双発での長距離飛行が承認された(ETOPS180所持)初の機体である。

機体は、ボーイング社で初めてコンピュータ上(CAD/CAM等)で全て設計されており、また、同社の旅客機としては初めて全翼面のフライバイワイヤーを導入している。
しかし、エアバス製の旅客機とは対照的に操縦系統にサイドスティックは採用せず、操縦輪を導入しており、ボーイング社ならではの保守的な設計思想を窺い知ることができる*3

b777-281.jpg

ワーキング・トゥゲザー

Working Together.

本機の機体設計にあたって招集されたプロジェクト。
顧客となる航空会社の意見を機体の設計に取り入れ、設計上の問題を共に解決していく方式。

本プロジェクトに参加したのはユナイテッド航空、全日本空輸、ブリティッシュ・エアウェイズ、日本航空、キャセイ・パシフィック航空、カンタス航空、アメリカン航空及びデルタ航空の各社であった。

これは当初「B767の拡大版」として提示された原設計が多くの航空会社に反対されたことを教訓として採用されたものである。

提示された意見の一例

このプロジェクトで各オペレーターから提示された意見の一部を以下に述べる。

ユナイテッド航空
本拠地であるシカゴの冬を想定し「手袋をしたまま各部の点検用アクセスドアの開閉ができるようにすること」「大きな脚立を用意しなくてもアクセスドアに手が届くようにすること」「非常口ドアを片手で開閉できるようにすること」などを求めた。
全日本空輸
「トイレの便器の蓋をゆっくり閉まるようにすること」「主翼の折りたたみ機構をオプションとすること*4」などを求めた。
日本航空
300ERのノーズギアの緩衝装置の空気室を2つにし、それに伴って、貨物積み下ろし時の重量変化による緩衝装置の伸び縮みが十分に小さいことを確認することなどを求めた。
また、マニュアル類に記載される英語を極力平易なものにすることを求めた*5

スペックデータ

形式777-200777-200ER777-200LR777F777-300777-300ER
乗員2名(機長副操縦士
乗客数
(3クラス)
約300名-365〜368名
乗客数
(2クラス)
400名451名
乗客数
(1クラス)
440名550名
全長63.7m73.9m
全幅60.9m64.8m60.9m64.8m
胴体幅外部:6.19m
内部:5.86m
最大
ペイロード
-103.9t-
貨物搭載量8パレット
+
LD-7 8台
or
LD-3 32台
+
バルク17m³
上部デッキ
27パレット
+
下部デッキ
10パレット
+
バルク17m³
8パレット
+
LD-7 8台
or
LD-3 44台
+
バルク17m³
14パレット
or
LD-3 44台
+
バルク17m³
最大離陸重量247,210kg297,824kg347,452kg347,450kg297,560kg351,534kg
エンジンターボファン×2基
(使用エンジンを参照。)
最大燃料搭載量117,335L171,160L202,287L181,280L171,160L181,280L
巡航速度M0.84
航続距離9,649km14,316km17,446km9,195km11,135km14,685km


形式777-8X
(計画段階)
777-9X
(計画段階)
乗員2名(機長副操縦士
乗客数
(3クラス)
353名407名
乗客数
(2クラス)
未発表
乗客数
(1クラス)
全長69.55m76.48m
全幅71.3m
胴体径外径:6.19m
内径:5.97m
貨物搭載量未発表
最大離陸重量未発表342,000kg
エンジンターボファン×2基
(使用エンジンを参照。)
最大燃料搭載量未発表
巡航速度未発表
航続距離17,220km15,185km


使用エンジン
777-200777-200ER777-200LR777F777-300777-300ER777-8X777-9X
GE90-76B?
GE90-77B
PW4074?
PW4077
トレント875?
トレント877
トレント884
トレント892
GE90-85B
GE90-90B
GE90-92B
GE90-94B
PW4084
PW4090
トレント892
トレント895
GE90-110B1GE90-110B1LGE90-92B
PW4098
トレント892
GE90-115BGE9X

派生型のラインナップ

  • B777-100(771B):
    短胴型。計画のみ。
    なお、B767-400ERが本機と同じマーケット向けのモデルとされていたが、A330にシェアを奪われて販売を終了している。

  • B777-200(772A):
    基本型(88機生産)。既に生産終了*6

  • B777-200ER(772B):
    B777-200の航続距離延長型。422機生産。

  • B777-200LR Worldliner(ワールドライナー)(772C):
    B777-200の長距離型(Longer Range)。59機生産。
    主翼端にレイクド・ウィングチップ(raked wingtips)と呼ばれる新設計の小翼を導入した。
    また、双発機でありながら約16,000kmという超長距離の航続距離を有する。

  • B777 Freighter(フレイター)(777F):
    B777-200LRをベースとした貨物機型。
    200LRの機体(構造は貨物機用に強化)に、300ERの燃料タンクと降着装置を組み合わせた型。
    115機が引き渡し済みであるが、日本の航空会社からは発注がない*7

  • B777-300(773A):
    胴体延長型。60機生産された*8が、既に生産終了。
    双発機としては最も全長の長い航空機でもある。
    なお、2017年現在、我が国の国内線で有償運航されている機体の中で最大の機体ともなっている*9
    また、2015年からは日本航空で初期に導入された機体の退役が始まっている。

  • B777-300ER(773B):
    B777-300の航続距離延長型。
    B747及びA340を導入していた航空会社が、それらとの置き換え用として主に発注しており、これまでに596機が引き渡されている。
    200LRと同様レイクド・ウイングチップを導入している。

  • KC-777:
    アメリカ空軍のKC-X計画*10で提案された空中給油機輸送機型。
    KC-767(KC-46)に敗れ不採用。

  • 日本国政府専用機:
    現在、航空自衛隊で運用されているB747-47Cの後継機として、-300ERをベースに2019年導入予定。
    上記の空中給油機型が不採用となったため、この専用機がB777シリーズ初の軍用機型となる。

    なお、2015年にはインド政府も本機と同様の政府専用機を導入し、空軍で運用することを発表している*11

  • B777-8/-9:
    A350XWBのカウンターパートとして開発が進められている発展型。
    2020年以降初飛行の予定。

参考リンク

ボーイング社のHP内にあるB777の宣伝
http://www.boeing.com/commercial/777family/


*1 なお、日本企業も「YX」計画の2機種目(前作はB767)として本機の開発に参加しており、21%の分担比率を持っている。
*2 開発当初はB767の発展型として提案されたことから、「767-X」という仮称名を持っていた。
*3 事実、サイドスティックを採用した場合にはパイロットにそのための転換訓練が必要となることと、万が一、事故で片腕を負傷した場合に操縦ができなくなるという致命的な欠陥がある。
*4 折りたたみ機構を採用すると機体重量が増え、また、整備の手間もかかるため。
*5 英語圏以外のオペレーターがマニュアルを誤読することを避けるため。
*6 最終号機は日本航空に引き渡された(機体記号:JA773J)。
*7 日本航空は貨物機事業から撤退しており、全日本空輸B767の貨物型を使用している。
  また、日本貨物航空フリートB747-8Fへの統一を進めており、従来のB747-400Fを順次退役させている。

*8 本機は欧米の航空会社には採用されなかった。
*9 2014年にB747-400D全日本空輸から退役したため。
*10 ボーイングKC-135及びマクダネル・ダグラスKC-10の後継となる空中給油輸送機の調達計画。
*11 現在のインドは、要人輸送にエア・インディアからB747をチャーターして用いているが、経年劣化やミサイル警報装置の問題から同機の採用を決めたとのこと。

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