Last-modified: 2020-08-08 (土) 08:35:49 (6d)

【B747-8】(びーななよんななだっしゅえいと)

Boeing 747-8.

ボーイング社が開発・生産・販売している超大型旅客機B747の最新の派生型。
旅客機型の「-8IC(インターコンチネンタル)」、貨物機型の「-8F(フレイター)」がある。
2009年11月に生産が開始され、2010年2月に貨物機型・-8Fの初号機が初飛行した*1

なお、ボーイングのジェット旅客機で、貨物型の方が先に初飛行したのは本型が初である。

機体は既存のB747-400を踏襲しているが、主翼の前後で胴体を5.7m延長して収容力を向上させている。

この改修はエアバスA380との競合を想定したものだが、実際の収容力A380よりも劣る*2

また、主翼の翼端にはレイクド・ウィングチップを装備。
エンジンも更新され、GE社製のGEnxターボファンを採用している。

とはいえ、原型機と同様にエンジン4基の多発機であり、この点は明白に旧態依然であった。

操縦系統はボーイングの伝統に従い、既存のB747-400と同じく操縦輪を採用。
B747-400の運用経験を持つ乗員整備士であれば短期の機種転換訓練で移行できる。

客室の内装にもB787の技術が流用され、当時最新の装備・デザインに更新されている。
ただし、機体設計や構造材は新調されておらず、B787と比べて耐湿性で著しく劣る。

評価

基本設計が古く、競合機種との比較劣位は当初から明らかで、大きな需要は望めない機体だった。
ことさら、エンジン4基の多発機である事自体、双発機が劇的に進歩した時代背景において致命的な旧弊だった。
実際、旅客機型のセールスは不調なまま推移、2017年を最後に受注が途絶え、事実上の生産終了に陥っている*3

その一方で、貨物機としては安定した需要を得てもいる。
これは旅客機ほど新奇性が求められない点と、競合機種A380貨物機としては生産されなかった事による。

しかし、それでも決して受注は好調とはいえず、現在は受注済みのオーダー消化のために月産0.5機のペースで生産が続けられている。
今後、新しく大きな受注がなければ生産終了となる可能性もある。

スペックデータ

乗員2名(機長副操縦士
座席数
(旅客型)
467席(3クラス構成)
581席(2クラス構成)
全長76.3m
全高19.4m
翼幅68.5m
胴体横幅6.1m
最大離陸重量435,456kg
エンジンジェネラル・エレクトリック GEnx-2B67?ターボファン推力66,500ポンド)×4基
巡航速度マッハ0.855(旅客型)
マッハ0.845(貨物型)
最大燃料搭載量243,120リットル(旅客型)
230,625リットル(貨物型)
最大航続距離14,815km(旅客型)
8,275km(貨物型)
貨物容量161.5屐蔑控匏拭
854.3屐焚瀛型)


発注者

2020年現在、本機は以下のオペレーターから受注を得ている*4

ルフトハンザドイツ航空旅客機仕様のローンチカスタマー貨物機は導入せず。
大韓航空旅客機*5貨物機の双方を導入。
貨物機はコリアンエアカーゴが運航。
中国国際航空(エア・チャイナ)旅客機のみ。
クウェート航空旅客機政府専用機として1機導入(機体記号9K-GAA)
アメリカ国防総省アメリカ空軍旅客機を「VC-25B」の名称で政府専用機として導入予定*6
エアフォースワンVC-25(B747-2G4B))の代替。
カタール・アミリ・フライトカタール空軍隷下。旅客機王室専用機として発注。
後にトルコ政府に売却。
日本貨物航空貨物機のみ*7
カーゴルックス航空貨物機仕様のローンチカスタマー
ヴォルガ・ドニエプル航空貨物機のみ。
エアブリッジ・カーゴ貨物機のみ。
アトラス航空貨物機のみ*8
キャセイ・パシフィック航空貨物機仕様のローンチカスタマー旅客機は導入せず。
サウディア貨物機のみ。
シルクウェイ航空貨物機のみ。
グッゲンハイムアビエーションパートナーズ貨物機のみ。
GEキャピタル・アビエーション・サービス
(GECAS)
貨物機のみ。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)貨物機のみ。
ドバイ・アエロスペース・エンタープライズ
(DAE)
貨物機のみ。
社名非公表旅客機型をビジネス機として運航しているものと推定。

この他、「ボーイングビジネスジェット」のブランドで-8ICをベースとしたVIP輸送用の機体も販売されている。


*1 旅客機型の-8ICは2011年3月に初飛行した。
*2 それでも収容力はB777-300ERよりは大きい。
*3 旅客型の(事実上の)最終号機は大韓航空に引き渡された。
*4 この他、ロシアのトランスアエロ航空が旅客機型2機を発注していたが、引渡し前に経営破綻したため、機体はボーイングで保管されている。
*5 うち1機は2021年度より政府専用機として運用予定。
*6 なお、当初は新造機を3機導入する予定だったが、経費節減のため、経営破綻したトランスアエロ航空が発注していた機体2機(前述)を改装の上導入する予定となっている。
*7 当初はカーゴルックス航空と共に貨物機型のローンチカスタマーになる予定だったが、直前にキャセイ・パシフィック航空に移譲。
*8 一時期はブリティッシュ・エアウェイズにリースされていた。

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