Last-modified: 2019-08-11 (日) 07:43:55 (100d)

【B747-400】(びーななよんななだっしゅよんひゃく)

Boeing 747-400.

ボーイング社が1980年代に開発した、B747旅客機の近代化モデル。
日本では「テクノジャンボ全日本空輸)」「スーパークルーザー(日本航空)」、シンガポール航空では「Megatop」などの愛称でも呼ばれていた*1

B747は、デビュー以来競合機の登場を許さず市場独占状態にあったが、その運用には多少の無理も存在した。
また、1980年代に入るとエアバスが開発を進めていたA330/A340マクダネル・ダグラスMD-11、あるいは自社のB767と比較して技術的・経済的な面での旧式化が目立つようになってきた。
このため、B757B767などの中型旅客機で培った知見をフィードバックして若返りを企図したのが本機である。

300型までの「クラシックジャンボ」に比べて、左右の主翼をそれぞれ1.8m延長し、さらに1.8mのウイングレットを追加して空力特性を向上した。
またエンジンには新規設計のPW4000などを採用し、燃費や推力重量比を大幅に改善した。
さらに水平尾翼内に燃料タンクを取り付けて燃料トリムを可能とした*2

これらの改装によって航続距離は13,330kmに達し、地球上の大半の地域に無補給で到達可能となった。
これにより、長距離路線の途中で着陸して給油する必要がなくなったため、離着陸回数が低減されて高効率・長寿命に繋がる。

また、グラスコックピットフライバイワイヤーなどの自動化技術により、超大型機でありながら2マンクルーを実現。
航空機関士を乗せない運航が可能となり、乗員や整備員の人件費も削減した。
更に、こうした操縦の自動化はヒューマンエラーを防止する役割も果たし、事故予防の効果もあると考えられていた。

1989年にノースウェスト航空*3へ就航したのを皮切りに、その優れた経済性が評価されて各国に広く販売。2009年9月の生産終了までに633機の販売を記録した。
なお、これはB747ファミリー全モデルを通じて最多の販売記録ともなっている。

現在では、より小型で燃費がよく、運航コストの低い双発機B777/B787エアバスA330/A350XWBへの置き換えが進行中。
また、後継モデルとしてB747-8が販売されている*4こともあって、順次退役が進んでいる。

日本では日本航空が2010年に全機を退役させ、全日本空輸も2014年3月までに全機を退役させた。
また、日本貨物航空で運用されていた貨物機型及び防衛省航空自衛隊)が運航していた政府専用機も2019年までに全機退役した。

ただし、退役機の多くは貨物機やチャーター便用機材として転売されており、まだ当面は運航が続けられると見られる。

スペックデータ

タイプB747-400B747-400ERB747-400FB747-400ERF
乗員2名(機長副操縦士
容量416名
(23F@61" + 80J@39" + 313Y@32")
124,330kg124,010kg
ULD*5LD1/LD3コンテナ
30個
LD1/LD3コンテナ
28個
メインデッキに
LD1コンテナ2個
+
パレット(96" × 125")30枚
全長70.66m
全高19.41m
翼幅64.44m
アスペクト比7.41
主翼面積525
空虚重量183,520kg187,010kg163,700kg164,020kg
最大離陸重量396,890kg412,775kg396,890kg412,775kg
燃料容量216,840L241,140L204,350L
エンジンターボファン×4基(以下から選択)
P&W PW4000
GE CF6
ロールス・ロイス RB211?
P&W PW4000
GE CF6
P&W PW4000
GE CF6
ロールス・ロイス RB211?
P&W PW4000
GE CF6
推力251〜282kN276〜282kN251〜282kN276〜282kN
対気速度制限M0.92
巡航速度M0.855M0.845
航続距離13,490km14,045km5,230km7,585km
離陸滑走距離2,955m3,260m2,910m3,260m

派生型

  • B747-400:
    初期生産型。

  • B747-400M:
    747-400 Combiとも呼ばれる貨客混在型。
    胴体後部側面に貨物用のドア(SCD)が付く。
    KLMオランダ航空のみで使用。

  • B747-400D
    B747SRの後継として登場した日本国内線専用機。(19機生産・2機改造)
    ウイングレットは装着されていない。

  • B747-400ER:
    航続距離延長型。
    カンタス航空のみで使用。

  • B747-400F:
    貨物機型。
    従来型と同様のショートアッパーデッキで、ウイングレット追加やアビオニクス変更など、他の部分は旅客型に準じる。
    旅客型と異なり対抗機種が存在しない*6ため、民間大型貨物機部門では市場独占状態にある。

  • AL-1(ABL*7):
    弾道ミサイル迎撃用に機首に「COIL*8」と呼ばれる大型のレーザー砲を搭載した実験機。-400F型ベース。

  • B747-400ERF:
    400ERの貨物機型。
    外観は-400F型と同一であるが、コックピットの計器は一部アナログ部分がデジタルに替わっている。

  • B747-BCF*9/BDSF*10
    貨物機改修型。

  • B747-47C
    日本国政府が、皇族・内閣総理大臣などの首脳や賓客の公務旅行に用いる「政府専用機」として導入した機体。
    機体の運用は防衛省航空自衛隊)及び日本航空に委託されていた。
    日本国政府及び自衛隊では「B-747-400」と呼ばれていたが、2019年3月退役。

  • B747LCF
    B787のコンポーネント輸送用に改造された大容積貨物専用機。

  • C-33:
    アメリカ空軍に提案された軍用輸送機型。
    採用には至らなかった。


*1 この項記載の三社とも、2019年現在本機を全機退役させている。
*2 尾翼タンクはペイロードへの負担となるため、これを装着しないオプションも存在する。
*3 現在はデルタ航空に吸収合併されて存在しない。
*4 ただしB747-8の販売は本機に比べて振るわず、現在は月産0.5機の生産ペースとなっている。
*5 Unit load device.
*6 本機のエアバスにおけるカウンターパートはA380であるが、同機の貨物機型は全機キャンセルされている。
*7 Airborne Laser(空中発射レーザー)の略。
*8 Chemical oxygen iodine laser(酸素ヨウ素化学レーザー)の略。
*9 「Boeing Converted Freighter(ボーイング・コンバーティッド・フレイター」)の略。
  当初は「SF(Special Freighter)」と呼ばれていた。

*10 Bedek Special Freighterの略。

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