Last-modified: 2022-08-08 (月) 19:49:00 (112d)

【B-47】(びーよんじゅうなな)

Boeing B-47 "Stratojet(ストラトジェット)".

1940年代、アメリカのボーイング社が開発し、空軍で運用した六発ジェット推進戦略爆撃機
35°の後退角をつけた主翼や6基のターボジェットエンジンなど、当時最新鋭の技術が盛り込まれていた。

それまでのB-29B-50B-36と比べれば兵装搭載量的には物足りなかったが、当時は冷戦が始まったばかりであり、核兵器プラットフォームとして航空機による爆撃が有効とされていた*1*2ことから、2,032機が生産された。

なお、同時期に配備されたB-36と同様、本機は全機が核兵器を搭載した戦略哨戒任務につけられており、朝鮮戦争には参加していない。
また、2,000機以上生産されたにもかかわらず、同盟国・友好国への供与もされなかった*3

レシプロからジェットへのつなぎ」であった本機は、より高性能なB-52が登場するとそちらに主力の座を譲り、ベトナム戦争中の1965年に退役した。

なお、電子戦機型のEB-47Eは1977年まで用いられていた。

スペックデータ(B-47E)

乗員3名(機長副操縦士航法/爆撃手
全長32.65m
全高8.54m
翼幅35.37m
翼面積132.7
アスペクト比9.42
翼型NACA 64A (.225)12 mod(BAC145)(主翼付け根・先端)
空虚重量35,867kg
全備重量60,340kg
最大離陸重量100,000kg
零揚抗力係数0.0148(概算)
零揚抗力面積1.96
エンジンGE J47-GE-25?ターボジェット×6基
推力32kN(7,200lbf)
速度
(最大/巡航
977km/h / 896km/h
戦闘行動半径3,240km(爆弾搭載量9,000kg時)
フェリー航続距離7,479km(主翼タンク付き)
実用上昇限度12,300m
上昇率23.7m/s
翼面荷重454.8kg/
推力重量比0.22
揚抗比20.0(概算)
ペイロード
(標準/最大)
4,540kg/9,980kg
固定武装AN-M2 12.7mm重機関銃×2挺(B-47A/B/C/D、尾部銃座)
M24A1(ヒスパノ・スイザHS.404)20mm機関砲×2門(尾部銃座*4
兵装Mk.15水素爆弾(核出力:3.8Mt)×2発
B41水素爆弾(核出力:25Mt)×1発
B53水素爆弾(核出力:9Mt)×1発
500ポンド(227kg)爆弾×28発
アビオニクスAN/APG-39 砲射撃レーダー
AN/APG-32 Xバンド追尾照準レーダー(尾部砲塔)
AN/APD-4 D/E/Fバンドレーダー方向探知機
An/APN-11 Xバンドレーダービーコン
(AN/APS-3/4/6/10/15/19/23/31/33、AN/APQ-13で使用)
AN/APN-12 ランデブーレーダー
(または「レベッカ」インタロゲーター)
AN/APN-66 ドップラー航法レーダー
AN/APN-69 Xバンドランデブービーコン
AN/APN-75 ランデブーレーダー
AN/APN-76 ランデブーレーダー
AN/APS-23 捜索レーダー(AN/ASB-3の一部)
AN/APS-54 尾部警戒レーダーシステム
AN/APS-6 LバンドIFFトランスポンダセット(AN/TPX-22とセットで使用)
AN/ARA-25 UHF方向探知機群
AN/ARC-21 HF長距離無線機セット
AN/ARC-27 UHF/VHFコマンドラジオセット(AN/ARC-19から発展)
AN/ARC-65 SSB*5/HF連絡用無線機
AN/ARC-6 ラジオコンパス
AN/ARN-12 マーカービーコンレシーバー
AN/ARN-14 無指向性レシーバー
AN/ARN-18 グライドパスレシーバー
AN/ARN-65 TACANレシーバー
AN/ARN-70 LORANレシーバー
AN/ARR-36 HF補助受信機(AN/ARC-21と併用)
AN/ART-40 UHFラジオトランスミッター
(AN/ARR-67と併用、AN/USQ-25の一部)


バリエーション

  • XB-47:
    試作型。エンジンはJ35を搭載。
    この型のみシアトルのボーイング社本社工場で製造された*6

  • B-47A:
    初期生産型。非武装。
    エンジンはJ47を搭載。

  • B-47B:
    空中給油装置の装着のために機首風防を無くし、レーダーを換装した本格量産型。
    他にも落下式増槽を装備できる。
    エンジンはA型と同じくJ47-GE-11を搭載するが、88機目からはエンジンがJ43-GE-23に換装された。

    • B-47B-供
      「ハイヌーン計画」によってE型相当へ改良された型。

    • YRB-47B/RB-47B:
      昼間偵察機型。爆弾倉内にカメラを8基搭載する。
      RB-47Eが配備されるまでのつなぎとして運用され、RB-47Eが配備されると爆撃任務に戻された。

    • TB-47B:
      練習機型。当時任務から退いていた87機のB-47Bのうち66機を改造。

    • MB-47B:
      「ブラスリング計画」によって無人偵察機に改造された型。水爆が搭載可能になる予定だった。
      1953年に計画中止となった。

    • YDB-47B/DB-47B:
      GAM-63「ラスカル」巡航ミサイルの試験機。

    • WB-47B:
      気象偵察機型。
      B-47で唯一、戦略航空軍団(SAC)で運用されず軍事航空輸送部(MATS)で運用された。
      のちに軍事空輸軍団(MAC)内の第557気象航空団へ移管されて1960年代半ばまで運用された。

    • KB-47B:
      プローブアンドドローグ方式の給油システムの試験機。

    • カナディア CL-52:
      CF-105「アロー」迎撃戦闘機に搭載予定だったオレンダ「イロクォイ」エンジン試験のためにカナダに貸与されたB型の名称。
      エンジンは胴体後部の尾翼付近の右側面に備えられた。

  • YB-47C/B-56:
    エンジンをアリソンJ71ターボジェットに換装して四発機とした型。計画のみ。

  • XB-47D:
    エンジンのうち4基をライトTY49-W-1ターボプロップに換装した型。
    性能に大きな変化が無かったため採用されず。

  • B-47E:
    B型の改良型。
    エンジンをJ47-GE-25に換装し、機首のガラス部も両側の1つずつの窓に変更された。
    細かな変更によって機銑犬泙任梁称がある。

    • B-47E-機
      初期型。
      エンジンは水エタノール噴射装置付きのJ47-GE-25Aに換装している。
      JATOシステムを搭載し、18本のJATOロケットを装備した。

    • B-47E-供
      E-気砲錣困な変更を加えた型。

    • B-47E-掘
      胴体下部のバルジにレーダージャマーとチャフディスペンサーからなるECMスイートを装備し、改良された電気式オルタネーターを搭載した型。

    • B-47E-検
      着陸装置や機体を強化し、燃料容量や爆弾搭載量の増加を行った型。
      また、AN/APS-64レーダーを搭載するMA-7A BNSが追加された。

    • YDB-47E:
      試験機型。

    • DB-47E:
      GAM-63「ラスカル」巡航ミサイルの試験機。
      のちに無人機制御機として運用された。

    • ティー・タウンB-47E:
      爆弾倉の両側にAN/ALT-6Bジャマーを装備した型。
  • EB-47E:
    電子妨害機型。艦隊電子戦支援部隊(FEWSG)でも運用された。

  • EB-47E(TT):
    特殊妨害機型。ソ連のミサイルの試験と宇宙へ発射する際の無線信号を傍受していた。

  • ETB-47E:
    練習機型。搭乗する教官のため4席目が設けられた。

  • JB-47E:
    試験機型。うち1機はフライバイワイヤー試験機とされた。

  • JTB-47E:
    試験機型。秘匿されていたため詳細は不明だがECMシステムの試験機とされている。

  • JRB-47E:
    試験機型。JTB-47Eと同様、ECMシステムの試験機とされている。

  • NB-47E:
    米海軍における実験支援機型。
    S-3艦上哨戒機に搭載予定ののGE TF34-2?ターボファンのテストを支援するために供与された。

  • RB-47E:
    写真偵察機型。機首が0.86m延長され、最大11台のカメラを収納する。

  • QB-47E:
    無人標的機型。

  • WB-47E:
    気象偵察機型。
    尾部銃座含め武装は取り去られ、機種にカメラ、爆弾倉に気象観測器が設置された。

  • YB-47F:
    ブレーキパラシュートおよび空中給油試験用に改修されたB型。

  • KB-47G:
    B型の空中給油機改修型。

  • RB-47H:
    電子偵察機型。電子戦要員(EWO)が3人搭乗可能。
    一部の機体はFB-111のアビオニクスのテストベッド機として使用され、F-111の機首を装着していた。

  • ERB-47H:
    電子偵察機型。電子戦要員が2人搭乗可能。

  • YB-47J:
    B-52のMA-2レーダー爆撃航法装置の試験支援機。

  • RB-47K:
    気象・写真偵察機型。
    ドロップゾンデ・気象センサーを8個搭載し、飛行経路上の各チェックポイントで投下される。
    ドロップゾンデから送られてくるデータは航法士が記録していた。

  • EB-47L:
    E型を改修した電子通信専用機。

  • XB-55:
    エンジンをGE J35ターボジェット6基からアリソンT40ターボプロップ4基に変更した型。
    計画中止。


*1 アメリカで長射程の弾道ミサイルが実用化されたのは1960年代になってからであった。
*2 この頃、空軍は海軍と「核兵器プラットフォームには何が適任か」というテーマで論争をしていた。
*3 ただし、ジェットエンジン開発のためにカナダに一時的に貸与されたことはある。
*4 AN/APG-32照準レーダーと連動。
*5 Single Side Band.
*6 A型以降はウィチタ工場で製造。

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