Last-modified: 2018-09-14 (金) 14:30:36 (34d)

【B-29】(びーにじゅうく)

Boeing B-29 Super Fortress(スーパーフォートレス)
ボーイングが開発した、アメリカ陸軍航空隊空軍四発大型爆撃機

全与圧の胴体で、エンジンには排気タービンを装備しており、極めて高高度性能に優れていた。
防御武装も強力で、20mm機関砲と12.7mm機関銃を多数装備していた他、主翼内の燃料タンクにもゴムの内張りを施し、機銃弾が命中しても容易に発火しにくくなっていた。
また一部の機体には、AN/APQ-13爆撃レーダーが前後の爆弾倉の間に搭載されていた。

B-17B-24の後継として1940年から開発が始まり、1942年に初飛行した。
1943年に、太平洋戦線への投入が決定。
1944年の終わりごろからマリアナ諸島に配備され、日本本土への攻撃を行った。

初期には軍需施設への爆撃を行っていたが、次第に日本中の都市を無差別爆撃するようになり、日本の大都市の殆どが壊滅した。
また、空中投下機雷による関門海峡などの主要な港湾や海峡への海上封鎖も行われた。
そして1945年8月には原子爆弾の投下母機ともなり、日本の敗北を決定付けた。

日本の戦闘機は高高度性能が低いながらも迎撃を行い、それなりの成果を出していたが、硫黄島陥落後はP-51が随伴したため迎撃は殆ど不可能になってしまった。
低高度から無差別爆撃をしていた時には、戦闘機よりも高射砲による損害が多いこともあった。

本機はその優れた性能を活かして、改良型のB-50と共に朝鮮戦争でも使用された*1が、既に戦闘機MiG-15等のジェット世代であり、損害も多かった。
その後、B-52の実戦配備に伴って退役した。

また、第二次世界大戦後に重爆撃機が不足していた英空軍が「ワシントン」の制式名称で借用していた他、初期に日本軍との戦闘で被弾してソ連領内に不時着した機体がデッドコピーされ、「ツポレフTu-4」となっている。

関連:五式15cm高射砲 B-50

スペックデータ

主製造社ボーイングベル・エアクラフトマーティン・エアクラフト
乗員10名
全長30.2m
全高8.5m
全幅43.1m
翼面積161.5
自重32.4t
全備重量61.2t
最大離陸重量60,6t
発動機ライト R-3350-57「デュプレックスサイクロン」空冷星形複列18気筒×4基
(出力2,200馬力)
速度
(最大/巡航)
574 km/h /350km/h
航続距離5,200km(爆弾4.5t搭載時)
上昇限度10,200m
最大爆弾搭載量9t
武装ブローニングAN/M2 12.7mm機関銃×10門
(前上方下方銃塔、後上方下方銃塔、尾部銃塔。A型は12門)
イスパノ・スイザ AN-M2? 20mm機関砲×1門(尾部銃座)


派生型(カッコ内は生産・改修機数)

  • 爆撃型
    • モデル341:
      初期計画案。遠隔操作銃塔が未装備。

    • モデル345:
      仕様変更後のモデル。尾部銃座は無人の予定だった。

    • XB-29(3機):
      試作原型機。社内呼称モデル345。
      エンジンはライト R3350-13を搭載。

    • YB-29(14機):
      XB-29改修の増加試作機。エンジンはライトR-3350-21を搭載。
      いくつかの組み合わせで武装を搭載した。
      試験終了後は訓練機として使用されたが10号機のみ実戦に参加している。

    • B-29(2,508または2,509機):
      初期量産型。
      エンジンはライトR-3350-23または-23A/-41/-57を搭載した。

    • B-29A(1,119機):
      全長を30cm延長し、前部上方の12.7mm機関銃座を4連装に増強した型。
      他機種と異なり主翼付け根が中央胴体と一体となった構造をしており、全幅が12インチ長い。
      エンジンはR-3350-57/-59を搭載。

    • B-29B(311機):
      夜間爆撃精度向上のためレーダーをAPQ-7「イーグル」に換装した夜間爆撃専用型。
      日本軍の防空能力が低下した大戦末期に生産されたため、尾部の20mm機関砲銃座以外の全ての防御武装が撤去されている。
      エンジンはR-3350-51または-51/-57Aを搭載。

    • B-29C:
      A型のエンジンを新型のR-3350に変更した改良型。
      5,000機が発注されたが終戦のため全機キャンセル。

    • B-29D:
      XB-44の生産型。
      エンジンをP&W R-4360「ワスプ・メジャー」に換装した。
      終戦で一旦はキャンセルされてしまったが、後にB-50として復活した。
      以後の経緯はB-50の項を参照のこと。

    • B-29L(74機):
      プローブ&ドローグ方式空中給油装置の試験機。
      後にB-29MRと改称。

    • ワシントン B.Mk.1(Washington B.Mk I)(88機):
      英空軍に貸与された際のB-29、B-29A、RB-29Aの呼称。
      1955年に返還されたが2機のみオーストラリア空軍に売却されている。

  • 偵察型
    • RB-29(旧呼称F-13)(139機(RB-29A含む)):
      B-29にカメラを搭載した偵察機型。

    • RB-29A(旧呼称F-13A):
      B-29Aの戦略偵察機型。
      大型カメラと長距離用燃料タンクを装備。

    • RB-29A:
      ELINT機型。偵察型とは別の機体。

    • ERB-29:
      電子偵察機型。
      胴体下にレドームが3個増設されている。

    • RB-29J(旧呼称FB-29J):
      多重検知器搭載の写真偵察機型。YB-29J改装。

    • WB-29:
      気象観測型。
      大気標本採取装置を搭載。

    • P2B-1S(4機):
      海軍航空隊向け哨戒機型。D-558-2「スカイロケット」の発進母機としても使用された。

      • P2B-2S(2機):
        P2B-1Sにレーダーを追加し、爆弾倉内に燃料タンクを増設した発展型。

  • 空中給油型
    • KB-29M(92機):
      B-29の爆弾倉に燃料タンクを増設し、後部胴体に給油ホースと動力リールを搭載した空中給油機型。

      • YKB-29T(1機):
        3点給油実験機。KB-29M改装。

    • YKB-29J:
      フライングブーム式空中給油装置の試験機。YB-29J改装。

    • KB-29P(116機):
      KB-29Mの給油方式をフライングブーム方式に変更した空中給油機型。

  • その他
    • XB-39(1機):
      YB-29にアリソンV-3420-11液冷エンジンを搭載した原型機。
      エンジン換装計画中止後は同エンジンのテストベッド機として使用された。

    • XB-44(A型1機):
      エンジンをP&W R-4360-33「ワスプ・メジャー」に換装したテストベッド機。

    • XB-29E(B-29 1機):
      各種電子防御型火器管制装置のテストベッド機。

    • B-29F(6機):
      アラスカでの運用試験のために、極寒冷地仕様に改修された型。
      運用試験終了後は標準仕様に戻された。

    • XB-29G(B型1機):
      胴体下にターボジェットエンジンを搭載したテストベッド機。

    • XB-29H(A型1機):
      B-29Aの防御用武装を改良した特殊武装試験機。

    • YB-29J(各型6機):
      エンジンを燃料噴射式のライトR-3350-CA-2に換装し、低抵抗型ナセルに改修した機体。

    • CB-29K:
      貨物輸送機型。

    • DB-29:
      ドローン管制機型。

    • EB-29(1機):
      ベルX-1?の発進母機型。

    • EB-29A(1機):
      フライングブーム方式の空中給油試験の受油試験機。

    • EB-29B(1機):
      XF-85「ゴブリン」戦闘機を搭載する寄生戦闘機母機改造型。

    • ETB-29A(A型1機):
      「MX-1018(ティップ・トウ)」計画による寄生戦闘機母機改造型。
      両翼端にEF-84B戦闘機を連結する。

    • QB-29:
      無線操縦の標的機に改装された型。

    • GB-29:
      各種超音速飛行実験機の母機に改装された機体。

    • スーパーダンボ:
      海洋救難機改装型。
      救命桴や投下式ラジオなどの救難用具を装備し日本沿岸で救難作戦に投入された。

    • SB-29「スーパーダンボ」(各型16機):
      上記とは別に戦後に改造された海洋救難機型。
      胴体下にA-3空中投下式救命艇を搭載している。

    • TB-29/TB-29A/TB-29B:
      B-29の練習機改装型。標的曳航機としても使用された。

    • VB-29(1機):
      要人輸送型。

    • C-97「ストラトフレイター」
      B-29の主翼・尾翼・エンジン類を流用して胴体を太い2階建てにした輸送機。
      詳しくは項を参照。

    • KC-97「ストラトタンカー」
      C-97の空中給油機型。

    • B377「ストラトクルーザー」
      C-97の旅客機型。

    • Tu-4
      ソ連が自国領内に不時着した機体をもとにデッドコピーした機体。


*1 後継となるB-36B-47は、核兵器による戦略哨戒任務に充てられたため、朝鮮戦争には出動しなかった。

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