Last-modified: 2023-07-30 (日) 18:23:24 (65d)

【B-26】(びーにじゅうろく)

Martin B-26 "Marauder(マローダー)*1"

アメリカのマーチン社が第二次世界大戦期に開発した双発爆撃機
1939年の中型高速爆撃機仕様書に基づいて設計され、アメリカ陸軍への提案の直後、原型機試作の指示なしに契約を結ばれるという異例の経歴で採用された。

これは、開戦間近と目された欧州方面の状況に対応するため、より迅速に高性能な中型爆撃機の配備が必要となったためと考えられる。

1940年11月の初飛行時点において本機の最高時速500km/hは爆撃機としては高速な部類であったものの、操縦性に難があったため搭乗員の訓練期間が長くとられた。
その後、欧州戦線への投入は1942年4月以降となった。
実戦では重武装と重装甲が十分に発揮され、高い生還率を発揮したものの、操縦性の低さのため離着陸時の事故が多発し、搭乗員にはあまり好まれなかった。

一部の搭乗員たちは本機を「マーダラー(人殺し)」「キラー・プレイン(殺人機)」「ウィドウ・メーカー(未亡人製造機)」などの蔑称で呼んだ。

また、太平洋戦線でもミッドウェー海戦やニューギニア方面等で運用された。

本機の高速性は日本軍のベテラン搭乗員の経験談でも脅威として語られている。

また、イギリス軍や自由フランス軍にもレンドリースで相当数が供与された。

主な運用国

スペックデータ(B-26G)

乗員7名(パイロット2名、爆撃手兼無線員航法士兼無線員、砲手3名)
全長17.8m
全高6.55m
翼幅21.64m
翼面積61.1
空虚重量11,000kg
全備重量17,000kg
エンジンP&W R-2800-43「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒×2基
出力2,000〜2,200shp(1,491kW)
最高速度460km/h(高度1,500m)
巡航速度358km/h
着陸速度167km/h
戦闘行動半径1,850km
フェリー航続距離4,590km
実用上昇高度6,400m
翼面荷重228kg/
パワー/マス170W/kg
武装ブローニングM2 50口径12.7mm機関銃×12挺
ペイロード最大1.8tの爆弾を搭載可能。


派生型(カッコ内は生産機数)

  • Model 179:
    当機提案の社内モデル呼称。原型・生産前機は製作されず。

  • B-26(201機):
    最初の生産型。乗員5名。エンジンはR-2800-5(1,850hp)を搭載。
    武装は30口径と50口径の機関銃を各2門搭載。

  • B-26A(139機):
    燃料容量の増大と武装強化を行った型。
    機首と尾部の機関銃を.30口径から0.50口径に変更している。
    エンジンはR-2800-9(出力1,850hp)を搭載。

    • Marauder Mk.機
      B-26Aが英空軍に供与された際の呼称。

  • B-26B(1,883機):
    A型の改良型。尾部銃眼を改良などが行われた。

    • Marauder Mk.A:
      B-26Bが英空軍に供与された際の呼称。

    • TB-26B(AT-23A)(208機):
      B型を改修した標的曳航・射撃練習機。

    • JM-1:
      AT-23Aの海軍側での呼称。

      • JM-1P:
        JM-1の写真偵察用改修型。

    • B-26B(81機):
      尾部機関銃を連装に変更し、腹部にトンネル砲(tunnel gun)を追加した型。

    • B-26B-1(225機):
      B型の改良型。

    • B-26B-2(96機):
      R-2800-41(出力2,000hp)エンジン搭載型。

    • B-26B-3(28機):
      キャブレターインテークを大型化し、エンジンをR-2800-43に換装した型。

    • B-26B-4(211機):
      B-3型の改良型。

    • B-26B-10〜-55(1,242機):
      50口径機関銃を6〜12門に増やし、尾部機関銃を動力式に変更、装甲の強化などが行われた型。
      また、翼幅を21mに拡大してエンジンナセル外側にフラップを追加、着陸時の操縦性が改善したほか、垂直安定板の高さを6.55mに引き上げている。

    • CB-26B(12機):
      B型の輸送機改修型。アメリカ海兵隊で使用された。

  • B-26C(1,210機):
    R-2800-43エンジン(出力2,000hp)を搭載する型。
    他の装備はB-26Bと同様。

    • Marauder Mk.供
      B-26Cが英空軍に供与された際の呼称。

    • TB-26C(AT-23B)(約300機):
      C型にAT-23A同様の改修を施した型。

  • XB-26D(1機):
    主翼尾翼前縁にエンジン排気を利用した熱風防氷装置を装備した試験評価機。

  • XB-26E(1機):
    B型を改造した軽量型試作機。背面銃座位置をコックピット後方に移動した。

  • B-26F(300機):
    離陸性能改善のため主翼取り付け角を3.5°増加させた型。
    機首の固定機関銃は撤去され、尾部砲塔と装甲も改良されている。
    B-26F-1-MA、B-26F-2、B-26F-6のサブタイプがあり、B-26F-2では動力砲塔や爆撃照準器の換装、砲塔上にフレキシブル・キャンパス・カバーの装着が行われた。

  • B-26G(893機):
    B-26F同様の機体だが、細部に変更が施された型。

    • Marauder Mk.掘
      B-26FおよびB-26Gが英空軍に供与された際の呼称。

    • TB-26G(57機):
      乗員訓練・標的曳航用の改修が加えられたB-26G最終生産型。

    • JM-2:
      TB-26Gの海軍側での呼称。

  • XB-26H "Middle River Stump Jumper"(1機):
    B-47爆撃機用のタンデム式降着装置の試験用に改装されたB-26Gの呼称。


*1 略奪者の意。

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