Last-modified: 2020-07-20 (月) 18:15:21 (66d)

【B-25】(びーにじゅうご)

North American B-25/PBJ-1"Michael"(ミッチェル).

1930年代〜1940年代、アメリカのノースアメリカン社が開発・生産し、アメリカ陸軍航空隊に納入された双発レシプロ中型爆撃機
機体の愛称は「アメリカ空軍の父」と評されるウィリアム・ランドラム・ミッチェル陸軍少将*1にちなむもので、アメリカの軍用機で唯一、個人名が愛称となった機体でもある。

本機はアメリカ海軍海兵隊の他、オーストラリアや英国・オランダ・ソ連などに輸出され、各型合わせて10,000機以上が生産された。

日本では1942年4月18日の「ドーリットル空襲*2」で使用された機体として有名である*3

スペックデータ(B-25H)

乗員5名
(操縦2名(機長副操縦士)、航法/爆撃手×1名、回転銃座/機関士×1名、
無線/側面銃座×1名、尾部銃座×1名)
全長16.13m
全高4.98m
翼幅20.60m
主翼面積57.4
翼型主翼根:NACA 23017
主翼端:NACA 4409R
空虚重量8,836kg
最大離陸重量15,876kg
発動機ライトR-2600-92「ツインサイクロン」空冷星型複列14気筒×4基
出力1,700hp(1,300kW)
最高速度438km/h(高度3,960m)
巡航速度370km/h
航続距離2,173km
上昇限度7,400m
武装ブローニングM2 12.7mm重機関銃×12〜18基
T13E1 75mm砲×1基
ロケット弾HAVR*4 5インチ(127mm)ロケット弾×8発
爆装・雷装Mk.13航空魚雷
3,000ポンド(1,360kg)までの爆弾


バリエーション

  • NA-40:
    自己資金による原型機。
    P&W R-1830-56C3-G「ツインワスプ」?エンジンを搭載していたが、出力及び飛行安定性が欠けていた。

  • NA-40B(NA-40-2):
    搭載エンジンをライト R-2600-A71-3「サイクロン」(1,600hp)に変更した原型機。

  • B-25:
    最初の生産型。R-2600-9エンジン(1,700hp)を搭載。
    武装は機首7.62mm機関銃×3、機尾12.7mm機関銃×1、1,633kgの爆弾を搭載可能だった。

  • B-25A:
    自動漏り止めタンクと操縦席に防弾装甲を採用したモデル。

  • B-25B:
    機尾などの一部の有人銃座を遠隔操作式の動力銃座に換装したモデル。
    一部は海外へ供与された。
    また、24機が日本空襲に向けた改修が施された。

  • B-25C:
    R-2600-13エンジンに換装し、除氷・防氷機能を追加したモデル。
    B-25C-1ブロックからは主翼下に爆弾架、胴体下に魚雷搭載用ラックの追加装備が可能となった。

  • B-25D:
    カンザス州カンザスシティにて生産された機体。
    C型とほぼ同様の機体構成だが細部に変更有り。

    • F-10:
      D型を改修した写真偵察機型。
      K.17カメラを3基搭載。

  • XB-25E:
    C型の主翼前縁にエンジン排気を利用した熱空気除氷・防氷装置を搭載した試験機。
    1942年から2年間試験が行われた。

  • XB-25F:
    C型の主翼前縁に電気コイル式の除氷・防氷装置を搭載した試験機。

  • XB-25F-A:
    C型の尾翼と主翼前縁に電熱式防氷装置を搭載した試験機。

  • XB-25G:
    C型にM4 75mm砲を搭載した対地攻撃機型。G型原型機。
    機首のガラス窓が廃止されている。

  • B-25G:
    75mm砲搭載型B-25の量産型。XB-25Gより装甲および燃料搭載量が増加している。
    武装は75mm砲×1門、12.7mm機銃×6を搭載。

  • B-25H:
    G型の武装強化型。
    武装は75mm砲×1(弾数21発)、12.7mm機銃×14(弾数計5,800発)を搭載。

  • B-25J:
    R-2600-92エンジンを搭載する最終生産型。
    武装は12.7mm機銃×12(弾数計4,600発)、爆弾搭載量は1,814kg。

  • VB-25J:
    VIP輸送機型。

  • AT-24/TB-25:
    各モデルから改修された高等練習機型の呼称。

    • TB-25D(AT-24A):
      D型の練習機型。背部ターレットが省略されている。

    • TB-25G(AT-24B):
      G型の練習機型。

    • TB-25C(AT-24C):
      C型の練習機型。

    • TB-25J(AT-24D):
      J型の練習機型。

    • TB-25K:
      ヒューズE1火器管制レーダーの訓練機型。

    • TB-25L:
      練習機型。

    • TB-25M:
      ヒューズE5 火器管制レーダーの訓練機型。

    • TB-25N:
      航法訓練機型。

  • ZB-25:
    戦後、汎用機や幹部輸送機に改修された機体の呼称。

  • CB-25:
    輸送機型。

  • Mitchell Mk.機
    英国へ供与されたB型の英軍呼称。B型相当。

  • Mitchell Mk.供
    英国へ供与された機体の英国呼称。B-25CまたはD相当。

  • Mitchell Mk.掘
    英国へ供与された機体の英国呼称。B-25J相当。

  • PBJ-1:
    米海軍および海兵隊向けの機体。装備等は陸軍同タイプに準ずる。

    • PBJ-1C:
      米海軍および海兵隊向けのB-25C。
      機上レーダーを装備しての対潜哨戒を主任務とした。

    • PBJ-1D:
      米海軍および海兵隊向けのB-25D。
      B-25Hと同様に機尾部及び腹部ターレットに12.7mm機関銃を単装で装備。
      PBJ-1Cと同様に機上レーダーを装備しての対潜哨戒を主任務とした。

    • PBJ-1G:
      米海軍および海兵隊向けのB-25G。試験飛行のみ。

    • PBJ-1H:
      米海軍および海兵隊向けのB-25H。
      1944年11月に改装した1機が空母「シャングリラ(USS Shangri-La)」において発艦・着艦試験を行った。

    • PBJ-1J:
      米海軍および海兵隊向けのB-25J-NC(ブロック1〜35)。
      海兵隊では対艦及び対潜水艦任務用にHVAR 5インチロケットと機上レーダーを装備していたが、1945年から「テイニー・ティム」ロケットへと変更されていった。

  • XB-28「ドラゴン」:
    B-25をベースにした爆撃機。
    エンジンターボチャージャー付のR-2800-27を搭載し、垂直尾翼を単垂直尾翼化した。
    また、陸軍機で初めて機内が与圧されていた。
    2機試作されたが、陸軍航空軍の方針変更と試作機の墜落などにより開発中止。


*1 退役時は准将。死後、生前の功績と先見性を評価されて少将の階級が贈られた。
*2 アメリカ軍による初の日本本土空襲。
  空母「ホーネット」から発艦した本機16機が東京、横須賀、横浜、名古屋、神戸等に空襲を実施した。

*3 この結果として、ミッドウェー海戦が起きることとなる。
*4 high velocity aircraft rockets.

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