Last-modified: 2019-11-27 (水) 19:15:06 (18d)

【B-24】(びーにじゅうよん)

Consolidated B-24/PB4Y-1 "Liberator(リベレーター)*1".

アメリカのコンソリデーテッド社?が、1930〜1940年代に開発・生産した四発重爆撃機
ボーイングB-17と並び、アメリカ陸軍航空隊の主力爆撃機として用いられた。

本機は元々、コンソリデーテッド社が軍部から提示された「B-17ライセンス生産」を断る代案として「モデル31」哨戒飛行艇をベースに「モデル32」として開発された。
当初の機体は440km/hと低速だったが、その後、排気タービンを備えた改良型が量産され、英国で「LB-30A/LB-30B」として哨戒に用いられていた。

更にその後、本国向けにもターボチャージャーを備えたC型・D型が生産され、B-17よりも長い航続距離ペイロードを活かして太平洋・大西洋の両戦線で活躍した。

このため、爆撃機として以外に対潜哨戒機(PB4Y-1)や輸送機としても用いられ、高い評価を得ている。

機体構成はアスペクト比が大きい主翼を高翼配置とし、飛行艇譲りの縦幅の長い胴体を持つ。
また、航続距離を延ばすために主翼は「デービス翼」と呼ばれるグライダーのような細長い直線翼をモデル31から流用している。
しかし「銃弾を浴びると飛行安定性が崩れる」「飛行高度がB-17よりも低い」「巻き上げ式の爆弾倉扉が構造上弱い」などの欠点もあり、運用者からの評判はあまり芳しくなかった。

このため、欧州戦線では武装を強化したB-17、太平洋戦線ではさらに航続距離を増したB-29に主軸の座を譲っていった。

本機の生産はコンソリデーテッド本体の他、ダグラス・フォード*2ロッキードでも行われ、合計18.431機(+海軍向けの1,000機)が第二次世界大戦終戦直前まで生産された。
これは第二次世界大戦におけるアメリカ軍航空機の中でも最多の記録であった。

スペックデータ

B-24J
乗員11名
全長20.47m
全高5.732m
翼幅34m
翼面積97.4
アスペクト比11.55
零揚抗力係数0.0406
前面面積3.952
翼型主翼根:Davis(22%)
主翼端:Davis(9.3%)
空虚重量16,556kg
総重量24,948kg
最大離陸重量29,484kg
燃料容量8,870リットル(通常容量)
13,680リットル(ボムベイに燃料タンク装備時)
油容量:498リットル(自動密閉式ナセルホッパータンク×4基)
発動機P&W R-1830-35「ツインワスプ」空冷星形複列14気筒×4基
(出力1,200hp(890kW))
プロペラハミルトン・スタンダード3枚定速プロペラ(直径:3.53m)
最高速度478km/h(高度7,600m)
巡航速度346km/h
失速速度153km/h
航続距離2,478km(高度7,600m、時速381km/h、通常燃料と爆弾最大搭載時)
フェリー航続距離5,955km
上昇限度8,500m
上昇率5.21m/s
高度到達時間6,100mまで25分
揚抗比12.9
翼面荷重256kg/
パワー/マス0.1435kW/kg
武装ブローニングM2 12.7mm機銃×10挺(砲塔×4基と機体側面)
爆弾搭載量短距離(〜640km):3,600kg
長距離(〜1,300km):2,300kg
超長距離(〜1,900km):1,200kg


PB4Y-2
乗員11名
全長22.73m
全高9.17m
翼幅33.53m
翼面積97.4
空虚重量12,467kg
最大離陸重量29,500kg
発動機P&W R-1830-94「ツインワスプ」空冷星形複列14気筒×4基
(出力1,350hp(1,007kW))
最高速度482km/h
巡航速度224km/h
航続距離4,540km
上昇限度6,400m
翼面荷重300kg/
武装ブローニングM2 12.7mm機銃×12挺(砲塔×6基)
爆弾搭載量5,800kgまでの爆弾、機雷又は魚雷


派生型(カッコ内は生産・改修機数)

  • アメリカ陸軍仕様
    • XB-24(1機):
      試作機。社内呼称モデル32。

    • XB-24B:
      XB-24のエンジンをR-1830-41に換装した型。

    • YB-24(7機):
      増加試作機。

      • RB-24:
        イギリス空軍に引き渡されなかったYB-24の7号機に与えられた名称。
        各種試験に用いられた。

    • B-24A:
      米陸軍向け初期量産型。
      性能不足で主に輸送任務に使用された。

    • XB-24B:
      排気タービン過給器付きエンジンを搭載した原型機。
      GE製B-2ターボ過給器付きのR-1830-41(R-1830-S4C4-G、出力1,200hp)を搭載。

    • B-24C(9機):
      エンジンを排気タービン過給器付きのR-1830-41に換装した型。
      操縦席後方と尾部に連装銃座を搭載。
      実戦には投入されず、各種試験や乗員訓練に使用された。

    • B-24D(2,828機):
      排気タービン過給器装備の大量生産型。
      エンジンはR-1830-43または-65(出力1,200hp)装備。
      C型より機銃を変更・増備し、スペリー社製A-13ボールターレットが搭載された。

      • CB-24D(2機):
        耐用年数が切れたD型を改造した非武装輸送機。

      • TB-24D(AT-22)(5機):
        航空機関士訓練型。
        エンジンはR-1830-43を搭載。

    • B-24E(801機):
      フォード社で製造されたB-24Dの呼称。エンジンやプロペラを小改良した。
      なお、A-13ボールターレットは未装備。

    • XB-24F(1機):
      D型を改修した加熱式防氷装備試験機。

    • B-24G(430機):
      D型のノースアメリカン社製仕様。同社呼称NA-95。
      機首部にエマーソンA-15旋回銃座を持つ長胴型。
      初期型のみA-13ボールターレットは未装備。

    • B-24H(3,100機):
      G型の量産型。
      機首に動力砲塔を搭載し、胴体上部、尾部銃塔も新型に変更された。

    • B-24J(6,678機):
      H型を改良した後期主力生産型。
      エンジンはR-1830-65を搭載し、B-22ターボ過給器など内装が更新されている。
      一部は既存の防氷ブーツに代わってXB-24Fで試験した加熱式防氷装置を装備している。

      • B-24J(前方視界改善試験型)(1機):
        前方視界改善を狙って、機首部分を墜落したB-17Gの機首(操縦席より前の部分)に交換した型。

      • CB-24J(1機以上):
        F-7Aを再改造した輸送機型。

      • TB-24J(621機):
        練習機型。

    • XB-24K(D型1機):
      単垂直尾翼の試験機。上端をカットしたB-23?の垂直尾翼を使用。
      エンジンはR-1830-75(出力1,350hp)を装備。

    • B-24L(1,667機):
      軽量化モデル。
      ボールターレットを廃止して環状銃架とし、尾部銃座を手動2連装のM-6Aに変更した。
      これによりJ型より454kgほど軽量化された。

      • RB-24L(194機):
        B-29搭乗員向けの射撃訓練機。
        胴体各部にB-29と同じ遠隔操作銃塔を装備。

      • TB-24L(改造数不明):
        RB-24Lにレーダーを搭載したレーダー手訓練機。

    • B-24M(2,593機):
      最終生産型。
      L型と仕様はほとんど同じだが、ボールターレットが復活している。

      • TB-24M(111機):
        練習機型。

      • ZB-24M:
        アメリカ空軍設立後、残存していたB-24Mの一部に与えられた名称。
        ZはObsolete(旧式)の意。

      • EZB-24M:
        ライト航空開発センター空中結氷研究所で試験に用いられたZB-24M。

    • XB-24N:
      単垂直尾翼の試験機。
      エンジンはR-1830-75を装備。機首および尾部銃塔を新形式に変更。

    • YB-24N(7機):
      単垂直尾翼の増加試作機。

    • B-24N(5,186機):
      単垂直尾翼の量産型。第二次世界大戦終結により全機キャンセル。

    • XB-24P(1機):
      D型を改造した武装試験機。スペリー社で連装尾部銃塔を装備。

    • XB-24Q(1機):
      L型を改造した開発試験機。B-47搭載予定のレーダー操作尾部銃塔を装備。

    • XB-41(1機):
      D型を改造した編隊擁護用ガンシップ。試作のみ。

    • BQ-8:
      D型・J型を改造した無人飛行爆弾。
      B-17を元にしたBQ-7と同様、離陸は乗り込んだパイロットが行い離陸後にパラシュートで脱出する。

    • F-7:
      写真偵察機型。

      • XF-7(D型1機):
        写真偵察機の試作型。爆撃装備を外して燃料タンクおよびカメラを搭載。

      • F-7(D型4機):
        写真偵察機型。

      • F-7A(J型87機):
        写真偵察型。カメラ搭載位置を機首と爆弾倉に分け、燃料タンクを追加。

      • F-7B(J/L/M型より123機):
        写真偵察型。カメラ搭載位置を爆弾倉のみとした。

    • C-87「リベレーター・エクスプレス」:
      輸送機型。

      • XC-87:
        試作型。

      • C-87:
        B-24DのUSAAF向け輸送機型。座席数25名。

      • C-87A:
        VIP輸送仕様。座席数16名。

      • C-87B:
        武装仕様の提案型。製造されず。

      • C-83C:
        USAAF向けRY-3の提案型。名称は使用されず。

      • XC-109:
        燃料輸送機仕様の試作型。

      • C-109:
        2,400ガロン分の燃料を搭載する追加タンク6基を取り付けた燃料輸送機仕様。

      • RY-1:
        元USAAFのC-87Aのアメリカ海軍での名称。

      • RY-2:
        元USAAFのC-87のアメリカ海軍での名称。

      • RY-3:
        胴体を7フィート延長し、PB4Y-2の単垂直尾翼を持つモデル。
        アメリカ海兵隊の他、イギリス空軍とカナダ空軍で使用された。

      • AT-22(TB-24D):
        航空機関士訓練用のC-87。

  • アメリカ海軍仕様
    • R2Y「リベレイター・ライナー」:
      海軍向け輸送機。2機のみ生産。

    • PB4Y-1「シーリベレーター」:
      海軍向け哨戒爆撃機型。

    • PB4Y-2「プライバティア*3」:
      PB4Y-1の改良型。
      垂直尾翼を背の高い単垂直尾翼にしたほか、PB4Y-1での運用経験から、高高度飛行関連の装備は省かれている。

  • イギリス空軍仕様
    • リベレーターMk.機LB-30A×6機、LB-30B×19機):
      イギリス空軍向け沿岸哨戒型。対艦船レーダー、腹部銃座を装備。
      YB-24およびB-24Aのイギリス名称。

    • リベレーターMk.供165機(諸説あり)):
      イギリス空軍向け重爆撃機型。
      B-24Aとほぼ同じだが、尾部および胴体上部の動力旋回銃塔がボールトンポール製4連装7.7mm旋回銃塔に変更されている。

      • LB-30(82機(諸説あり)):
        アメリカ陸軍航空隊が徴用したリベレーター Mk.供
        エンジンはR-1830-33を装備(ターボ過給器未装備)。
        銃塔は陸軍仕様のB-24と同じものに換装されている。

    • リベレーターMk.掘145機供与):
      B-24Dのイギリス空軍向け仕様。
      尾部銃塔がボールトンポール製7.7mm4連装旋回銃塔に換装。

      • リベレーターMk.掘11機供与、Mk.1機改造):
        B-24Dの哨戒型。内装がアメリカ仕様のままのレンドリース機。

    • リベレーターMk.検
      B-24Eのイギリス空軍仕様として予約されていたもの。
      実際はB-24Eが供与されず、リベレーター Mk.困らの改修機に使用された。

    • リベレーターMk.后
      B-24Gのイギリス空軍仕様。

    • リベレーターMk.此
      イギリス空軍にレンドリースされたB-24H/Jの名称。

    • リベレーターMk.察
      C-87のイギリス空軍仕様。

    • リベレーターMk.次
      B-24H/Jのイギリス空軍仕様。

    • リベレーターC.宗
      イギリス空軍にレンドリースされたRY-3の名称。


*1 英語で解放者の意。
*2 他社が1日1機ペースの生産だったのに対し、24時間体制で工場を稼働させて1時間に1機のペースで生産した。
*3 Privateer:英語で「私掠船」の意。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS