Last-modified: 2019-04-16 (火) 17:58:42 (1624d)
【AUG】 †
Steyr AUG (Armee Universal Gewehr : (独)軍用汎用小銃)
オーストリアのステアー?社が設計した突撃銃。
従来の常識から逸脱した野心的な設計思想で、独特の特徴を多く持つ。
量産型ライフルとしては珍しくブルパップ形式で、長い銃身と銃本体の小型化を両立させている。
薬室が銃把より後方にある事によって反動を射手の筋力で制御し易く、集弾性も高い。
ただし、薬室位置の関係上、銃を構えた顔のすぐ側から高温の使用済み薬莢が排出される。
左利きの射手が使うと排莢が顔面に直撃する事になるため、排莢口の位置を左右反転させた左利き用ユニットが別途用意されている。
セミオート/フルオートを切り替えるためのセレクターがなく、引き金を浅く引くと単発、深く引き続けると連射される構造になっている。
ブルパップ型のため射手の眼球から銃身先端までの距離が短く、銃身付属のアイアンサイトで狙撃を行うのは困難になっている。
初期モデルではこの問題に対応するためスコープを標準装備していた(現行モデルでは廃止)。
また、銃全体を7個のユニットで構成されており、緊急時にはユニット単位で交換を行って迅速な整備が可能。
加えて共通規格のモデルが多数あり、ユニット交換によって突撃銃・短機関銃・分隊支援火器に組み換え可能。
1970年代、オーストリア国防軍で使用されてきたStg58に替わる後継銃トライアルに参加。
M16A1などの強豪を抑えて制式採用され、Stg77と命名された。
その他、オーストラリア地上軍(採用名:F88)やGIS?(イタリア軍警察対テロ特殊部隊)にも制式採用されている。
スペックデータ †
種別 | アサルトライフル |
口径 | 5.56mm |
全長 | 790mm |
銃身長 | 508mm |
重量 | 3,600g |
使用弾薬 | 5.56mm NATO弾 |
装弾数 | 30発/42発(箱形弾倉) |
作動方式 | ブルパップ方式 ガス圧利用(ショートストロークピストン式)、ロータリーボルト |
発射速度 | 680〜850発/分 |
銃口初速 | 940m/秒 |
有効射程 | 300m |
バリエーション †
- ステアーAUG A1:
初期モデル。
携行ハンドルも兼ねる1.5倍率オプティカルスコープを標準装備。
- ステアーAUG A2:
A1のスコープを廃止し、ピカティニー・レールを搭載したモデル。
- ステアーAUG A3:
オーストラリア軍とニュージーランド軍からの要請によるA2の発展型。
A2のマウントレールをNATO基準の光学システム(暗視装置など)に対応させた。
- ステアーAUG A3 M1:
シュタイヤーアームズが製造するA3のセミオートモデル。
- ステアーAUG A3 SF(またはAUG A2コマンドー):
オーストリア軍の特殊部隊向けに開発されたモデル。
オプティカルスコープにピカティニー・レールを搭載し、銃身長も16インチに変更されている。
- ステアーAUG A3 M1:
- ステアーAUG P:
警察向けの短銃身カービンモデル。フルオート機能が廃されている。
- ステアーAUG Pスペシャルレシーバー:
P型に光学機器搭載用のマウントを装備したモデル。
- ステアーAUG Pスペシャルレシーバー:
- ステアーAUG 9mm:
サブマシンガンモデル。
AUG SMGやAUGパラとも呼ばれる。
- ステアーAUG M203:
銃身の下にM203 グレネードランチャーを取り付けたモデル。
- ステアーAUG LSW:
LSW*1モデル。
- ステアーAUG HBAR*2:
ヘビーバレルモデル。作動方式はクローズボルト方式。
- ステアーAUG HBAR-T:
HBARベースの狙撃銃モデル。
- ステアーAUG HBAR-T:
- ステアーAUG LMG*3:
HBARベースの軽機関銃モデル。
作動方式はオープンボルト方式。4倍率のオプティカルスコープがつけられている。
- ステアーAUG LMG-T:
Pスペシャルレシーバー同様のマウントが装着されたLMG。
- ステアーAUG LMG-T:
- ステアーAUG Z:
A2からフルオート機能を排除した民間用モデル。
- ステアーUSR:
BATFE*4の規制に対応したA2。
- F88:
オーストラリアでライセンス生産されたモデル。銃剣の装着が可能。
オーストラリア軍とニュージーランド軍が使用中。
- MSAR STG-556:
アメリカのMASR(マイクロテック・スモール・アームズ・リサーチ)社によるアメリカ市場向けモデル。
A1型をコピーし、ボルト・ストップ機能の追加などの小改良が施されている。
フルオート射撃可能な軍・警察用モデルと、セミオート限定の一般民間市場向けスポーティモデルが存在する。
いずれもM16系のSTANAG 弾倉を流用可能。
- MSAR STG-E4:
STG-556の次世代発展型として開発されたモデル。
基本の5.56×45mmの他に7.62×39mm、5.45×39mm、6.8×43mm SPCなどの弾薬に対応。
- TPD AXR:
TPD(タクティカル・デザイン・デベロップメント)USA社がA2型をコピーし、STG-556と同様M16系STANAG 弾倉を流用可能にしたモデル。
使用弾薬(口径)は5.56×45mm、6.8×43mm SPCの二種類であり、それぞれの弾薬に適応する従来のAUG用弾倉も平行して製造している。
*1 Light Support Weapon:軽支援火器。
*2 Heavy Barreled Automatic Rifle:重銃身自動ライフル。
*3 Light machine gun.
*4 米国財務省アルコール・タバコ・火器・爆発物取締局。