Last-modified: 2021-06-27 (日) 12:45:56 (827d)
【AS-18】 †
旧ソ連(現ロシア)のラドゥガ設計局?が開発した空対艦/空対地ミサイル。
NATOコードは、AS-18「カズー(Kazoo:玩具の笛の意)」と呼び、ロシアではKh-59M「オーヴォト*1M」と呼ばれている。
本ミサイルは、前作Kh-59「オーヴォト(AS-13『キングボルト』)」?の射程延伸型として1980年代中頃から開発されたものである。
型はAS-13とほぼ同じスタイルで、そこに新型推進装置や大型弾頭(HE ペネトレーティング弾頭(320kg)かクラスター弾頭(280kg))等が追加装備された。
その中でも特に注目されるのが本体下部に付けられている小型の推進装置であるRDK-300ターボファンエンジンで、これにより射程も40kmから110kmに伸びている。
なお、このエンジンは本体の固体燃料ロケット推進薬が減少した時に作動し、本体燃料と切り替わる。
320kgの弾頭・誘導部・シーカーはKh-29から流用している。
現在、搭載機種としてはSu-17/22・MiG-27・Su-24M「フェンサー」・Su-27/Su-30「フランカー」・Su-25と、APK-9データリンクポッドを搭載出来る機種のみで、1994年から量産された今でも運用国はロシア軍とインド軍だけである。
またTV誘導(中距離は慣性誘導、短距離は電子光学的昼光TVシーカーのTV誘導(Kh-29Tのものと同じ) )で精密度は高いが、攻撃目標は主に艦船や地上施設に限られる。
Photo:IAF(Indian Air Force)HP
スペックデータ †
設計 | ラドゥガ国家機械設計製造局 |
全長 | 5.69m |
直径 | 38cm |
翼幅 | 1.3m |
発射重量 | 920kg |
射程 | 115km(Kh-59ME(輸出型)) 200km(Kh-59ME) 285km(Kh-59MK) 550km(Kh-59MK2) |
最高速度 | M0.72〜0.88 |
飛行高度 | 7〜10m(対艦)/100〜1,000m(対地) |
推進方式 | 固体燃料ロケットモーター+ターボファン |
エンジン | ツマンスキー RDK-300ターボファン R95TP-300 ターボジェット/ターボファン(Kh-59ME) |
弾頭 | HE ペネトレーティング弾頭(320kg)またはクラスター弾頭(280kg) |
誘導装置 | 慣性誘導/TV誘導 ミリ波アクティブレーダーシーカー(Kh-59MK、Kh-59MK2(対地攻撃型)) |
シーカー | 電子光学的昼光TVシーカー(Kh-29Tのものと同じ) |
CEP | 5〜7m |
発射装置 | AKU-58 レールランチャー |
発射プラットフォーム | Kh-59ME:Su-30MK Kh-59:Su-24M、MiG-27、Su-17M3/Su-22M4、HAL テジャス、Su-25、Su-30 Kh-59MK2:Su-57 |
派生型 †
- Kh-59M(AS-18「カズー」):
初期型。射程115km。
- Kh-59ME:
1999年に発表された輸出型。
射程200km。
- Kh-59MK:
ターボファンエンジンとARGS-59ARHシーカーを装備した対艦攻撃型。
射程285km。
- Kh-59MK2:
Kh-59MKの対地攻撃型。
撃ちっ放し能力を持つ。
ペネトレーティング弾頭(320kg)またはクラスター弾頭(285kg)を装備する。
- Kh-59M2:
2004年に発表されたM/MK型のシーカーをTV/IIRシーカーに変更した型。
- Kh-20:
核弾頭搭載型。Su-27ファミリーに搭載可能。
- Kh-59L:
レーザー誘導型。
- Kh-59T:
TV誘導型。
- Kh-59MK2(AS-22):
MAKS2015で発表されたステルススタンドオフ型。
射程290km、弾頭重量320kg(最大)、最大発射重量770kg。