Last-modified: 2023-05-13 (土) 11:15:58 (137d)
【AN/SPY-1】 †
アメリカ合衆国で開発された艦載用多目的レーダー。
S(X)バンドの電波帯を用いるパッシブフェイズドアレイレーダーで、イージスシステムの中核をなす。
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の1番艦「タイコンデロガ(CG-47)」に搭載され、1983年の同艦の就役とともに運用を開始した。
多数目標の同時捜索探知・追尾・評定、および発射されたミサイル(RIM-66)の追尾・指令誘導の役目を一手に担い、最大探知距離は500km、同時追尾目標数は200以上と言われている。
主な搭載艦 †
- タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(AN/SPY-1*1・AN/SPY-1B*2・AN/SPY-1B(V)*3)
- アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦(AN/SPY-1D・SPY-1D(V)*4)
- こんごう型護衛艦(AN/SPY-1D)
- アルバロ・デ・バサン級?フリゲート(AN/SPY-1D)
- あたご型護衛艦(AN/SPY-1D(V))
- 世宗大王級駆逐艦(AN/SPY-1D(V))
- フリチョフ・ナンセン級?フリゲート(AN/SPY-1F)
- フリーダム級?沿海域戦闘艦(AN/SPY-1K)
スペックデータ †
タイプ | パッシブフェイズドアレイレーダー |
製造社 | ロッキード・マーティン |
送信機形式 | 交差電力増幅管(CFA) |
アンテナ | 固定式×4面 |
出力 (最大/平均) | 4MW/64kW |
周波数 | Sバンド(Xバンド) |
最大探知距離 | 500km |
同時追尾目標数 | 200個 |
走査速度 | 12rpm(水平線上) |
派生型 †
- AN/SPY-1:
イージスシステムのベースライン1・2に組み込まれた初期モデル。
アメリカ国立シビアストーム研究所(NSSL)では、退役艦から撤去された物を気象レーダーとして使用・運用している。
NSSLの保有機はアンテナ1面構成となっており、レドームに収容されている。
- AN/SPY-1B:
イージスシステムのベースライン3に組み込まれたモデル。
高角度での発信能力を増強し、急角度で突入する目標への対処能力や精度が向上した。
また、アンテナ構成の見直しにより精度が向上、構成機器も効率化され、重量などの節約にもつながっている。
- AN/SPY-1B(V):
B型の改良型。
- AN/SPY-1B(V):
- AN/SPY-1D:
駆逐艦向けモデル。
B型をもとに、レーダー配置の効率化などによって、電力増幅部を半減してさらに軽量化した。
- AN/SPY-1D(V):
沿岸戦環境にも対応した改良型。
- AN/SPY-1D(V):
- AN/SPY-1F:
D型をベースにレーダー・アンテナ素子を減少させ(4,350個から1,856個へ)、送信電力を落として小型軽量化したモデル。
最大探知距離が減少しミサイル防衛には対応していないが、それ以外の機能についてはD型と同等。
- AN/SPY-1F(V):
D(V)型と同様の改良を施した型。
- AN/SPY-1F(V):
- AN/SPY-1K:
SPY-1シリーズの最軽量モデル。
レーダー・アンテナ素子をさらに減少させた(912個)。