Last-modified: 2017-05-24 (水) 18:20:13 (34d)

【AH-64】(えーえいちろくじゅうよん)

Hughes/McDonell? Douglas/Boeing AH-64 "Apache(アパッチ)"

AH-1の後継として1980年代に開発されたアメリカ陸軍攻撃ヘリコプター
元々、ヒューズ社が開発した機体であるが、その後の会社統合などで製造権はマクダネル・ダグラスに、さらに現在はボーイングへと委譲されている。

機体の設計は近接航空支援を念頭においてなされており、特に武装面が充実している。
AGM-114「ヘルファイア」対戦車ミサイルの搭載により対地攻撃における撃ちっ放し能力を獲得。
目標捕捉・指示照準装置(TADS)と操縦士用暗視装置(PNVS)を中心に構成される火器管制装置の搭載により、全天候で攻撃能力を維持できる*1
また、胴体にはアルミ合金製の装甲メインローターはステンレス鋼と複合材が用いられ、23mm程度の砲弾の直撃を受けても飛行を維持できる構造強度を備えている。

1991年の湾岸戦争では、イラク機甲部隊を相手取って一方的な戦車狩りを達成し、その攻撃力は高い評価を受けている。
一方、正面戦闘性能はともかく耐久性には難があり、機体部品の劣化が早いため整備に大きな負担を強いる*2欠点が指摘されている。
こうした理由から、(世界各地への緊急展開を旨としている)アメリカ海兵隊では採用を見送られ、AH-1の改良型が用いられ続けている。

元々、本機は欧州で(ソ連軍や東ドイツ軍などの)ワルシャワ条約機構諸国軍の機甲部隊と戦う事を前提として設計されており、過酷な砂漠戦は想定されていなかったとの事。

IMG_6776.jpg

AH-64D(陸上自衛隊)

 

納入・運用した国

スペックデータ

乗員2名(前席:コパイロットガナー、後席:パイロット
主ローター直径14.63m
全長17.76m
全高4.66m(主ローター・センサー頂部まで)
4.95m(AH-64D、FCR頂部まで)
回転円盤面積168.1
空虚重量5,165kg
5,352kg(AH-64D)
設計ミッション総重量8,006kg
最大離陸重量9,525kg
10,107kg(AH-64D)
エンジンGE T700またはチュルボメカRTM332ターボシャフト×2基
AH-64A:GE T700-GE-701(軸出力1,265kW)
AH-64D:GE T700-GE-701C(軸出力1,409kW)
AH-64E:GE T700-GE-701D(軸出力1,490kW)
WAH-64:チュルボメカ RTM332(軸出力1,566kW)
速度
(最高/水平)
197kt/158kt
海面上昇率762m/min
474m/min(AH-64D)
実用上昇限度6,400m
ホバリング高度限界4,570m(IGE)/3,505m(OGE)
4,115m(IGE)/2,990m(OGE) (AH-64D)
航続距離260nm(機内燃料のみ)/1,024nm(フェリー時増槽最大)
220nm(機内燃料のみ)/1,024nm(フェリー時)(AH-64D)
固定武装M230A1 30mmチェーンガン×1門
兵装AGM-114「ヘルファイア」対戦車ミサイル
AIM-92「スティンガー」空対空ミサイル
AIM-9「サイドワインダー」空対空ミサイル
AGM-122「サイドアーム」対レーダーミサイル
ATASK*3空対空ミサイル(WAH-64)
ハイドラ70 FFAR ロケット弾ポッド
CRV7 70mmロケット弾ポッド(WAH-64)等

AH-64のバリエーション

  • YAH-64A:
    試作型。

  • AH-64A"Apache(アパッチ)":
    初期量産型。GE T700ターボシャフトエンジン2発を搭載。

  • AH-64B:
    海兵隊向けにローターブレードの改良やGPSの搭載、一部アビオニクスを強化した型。
    計画のみ。

  • AH-64D:
    エンジンアビオニクスなどを大幅に強化したもの。旧称AH-64C。
    ミリ波レーダーは搭載していない*4

  • AH-64D"Apache Longbow(アパッチ・ロングボウ)":
    D型にグラスコックピット化やT700-GE-701Cターボシャフトエンジンへの交換、AN/APG-78「ロングボウ」ミリ波火器管制レーダーを追加する改修を行った型。
    この改修により全周囲索敵能力や複数目標へのロックオン能力を獲得した。

  • AH-64DN:
    オランダ空軍向けのロングボウ・レーダー非装備型。

  • WAH-64D:
    アパッチ・ロングボウを英国ウェストランド社でライセンス生産したもの。
    ロールスロイス/チュルボメカRTM332ターボシャフトエンジン(1,566kW)への変更や揚陸ヘリ空母での運用能力付加等、独自性が強い。
    イギリス陸軍内での呼称は「アパッチAH.1」。

  • AH-64D ブロックII:
    アパッチ・ロングボウにC4ISR能力を付加したもの。

  • AH-64DJP:
    ブロックIIを富士重工ライセンス生産したもの。
    AIM-92の運用能力が付加されている。
    防衛省自衛隊での呼称は「AH-64D」。
    ボーイングがD型の生産ラインを閉鎖した影響で、わずか13機で調達中止となった。

  • AH-64E"Apache Guardian(アパッチ・ガーディアン)":
    ブロックIIの改良型。旧称AH-64D ブロックIII。
    エンジンアビオニクスを更に強化し、無人機運用能力等が付加されている。
    アメリカ陸軍や台湾陸軍に納入が開始されたほか、韓国陸軍やインド空軍にも採用される予定。

  • AH-64F:
    構想中の派生型。


*1 このTADS/PNVSは2005年以降、新型のM-TADS/PNVS「アローヘッド」に順次更新されている。
*2 特に米軍の戦場が砂漠に移り、過酷な高温と砂埃という環境で運用されるようになってからこの状況に拍車がかかっていると言われる。
*3 Air To Air Starstreak.
*4 その後の方針転換でほとんどがロングボウ型に改修されたため、残存数は少ない。現在AH-64Dと言った場合、ほとんどがロングボウ型のことを指す。

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