Last-modified: 2021-04-22 (木) 01:19:00 (882d)
【AA-9】 †
R-40(AA-6「アクリッド」)の後継として開発され、現在ロシア軍で使用されている長射程空対空ミサイル。
NATOコードはAA-9「エイモス(Amos)」、ロシアではR-33と呼ばれている。
MiG-31「フォックスハウンド」の主兵装として開発され、SR-71やB-1、B-52などの大型目標を攻撃することを目的としていた。
イラン革命後のイランから入手したAIM-54「フェニックス」の改良型もしくはデッドコピーとも言われていたが、同様の長射程AAMでもAIM-54とAA-9は全く違った設計、運用思想であり、完全な誤りである。
ロシア側の資料によると1972年から開発が行われ、AA-9及びザスロン兵器システムが完成したのが1980年12月。
西側がAA-9を初めて目撃したのは1985年である。
性能については、ロシア軍が公表するスペックによると最大速度はマッハ4.5で最大射程は120kmあるという。
誘導方式は初期誘導・中間誘導は慣性誘導で終端誘導はセミアクティブレーダー誘導を使用する。
また、「ザスロン」パッシブ・フェイズドアレイレーダーと連帯することにより、最大4目標に誘導可能である。
AA-9はロシア軍のMiG-31(最大4発搭載可能)にて運用されている。
後継としては、R-37(AA-13「アロー」)が開発されている。
MiG-31に搭載されたAA-9(胴体下の大型ミサイル)
関連:AIM-54 MiG-31
スペックデータ †
種別 | 長射程空対空ミサイル |
開発社 | ヴィンペル設計局 |
全長 | 4.15m |
直径 | 38cm |
翼幅 | 118cm |
発射重量 | 490kg |
射程 | 10〜120km |
速度 | マッハ4.5 |
推進装置 | 固体燃料ロケットモーター |
弾頭 | HE 爆風破片効果弾頭(47kg) |
信管 | アクティブレーダー信管 |
誘導方式 | 慣性誘導・指令更新およびアクティブレーダー |
搭載機 | MiG-31「フォックスハウンド」 |
主なバリエーション †
- R-33:
標準型。
- R-33E:
輸出用ダウングレード型。
- R-33S:
運用母体であるMiG-31のアップデートに伴う性能向上型。
レドームの後ろに小さなコントロールサーフェスを備えた機動性強化型で射程が160kmに延長された。