Last-modified: 2016-04-27 (水) 12:30:00 (393d)

【AA-11】(えーえーじゅういち)

旧ソ連のヴィンペル社R-60(AA-8)の後継として開発した第5世代短射程AAM
NATOコードはAA-11「アーチャー(Archer)」、ロシアではR-73と呼ばれている。

AA-11は、世界初のヘルメット・マウンテッド・サイトを搭載した空対空ミサイルで、1970年代から開発がスタートした。
これによりオフボアサイト能力を獲得し、機体側のIRSTや"Shchel"および"Sura"ヘルメット・マウンテッド・サイトとリンクさせることで、ミサイルの照準軸から大きく外れた目標や後方にいる目標とも交戦可能で、その性能の高さは西側諸国を驚かせた。

それ以外にも推力偏向装置や広角シーカーの搭載により、運動性や目標の捕捉性に優れている。
また、ミサイル本体に搭載されたシーカーで目標位置を確認してからの発射や母機のセンサーで捕捉した目標に対しての発射も出来る。

ロケットモーターの燃焼中はガス作動の前方制御翼と噴射ガスで作動する2組のガス・ダイナミック式スポイラーの組み合わせで、40Gの加速度で機動し、最大12Gで運動中の目標と交戦可能。
燃焼が終わった後は前方の空力制御翼面だけでミサイルを制御する。
誘導は赤外線誘導オールアスペクト発射能力を持ち、誘導性はかなり高い。

1984年から旧ソ連軍に配備されたほか、旧東ドイツのほか多くの国に輸出された。

1997年に配備が開始された改良型のR-73M2(R-74EMとも)では射程が延長され、より広いシーカーアングル(60度)を持ち、IRCCM能力も強化されている。

R-73A.jpg

Photo India air force

主な搭載機

カタログスペック

ミサイル形式R-73R-73E
全長2.90m
直径17cm
翼幅51cm
発射重量105kg110kg
最大速度M2.5
射程30km40kg
飛行高度20km
推進方式推力ベクトリング付き固体燃料ロケットモーター
誘導方式オールアスペクト赤外線誘導
弾頭HE 連続ロッド(7.4kg)
信管アクティブレーダー信管
シーカーMk.80 二色赤外線センサー
G限界
(発射時)
8G


主な種類

  • R-73:
    初期型。シーカーアングルは左右45度。射程20km。

  • R-73L:
    レーザー近接信管搭載型。
  • R-73E/EL:
    輸出用ダウングレード型。

  • UZR-73:
    訓練用ミサイル。
    推進剤を搭載しない代わりにアクティブシーカーを搭載する。

  • R-73M(R-73M1):
    改良型。射程30km。
    飛行状況センサーを4つに増やしたほか、シーカー・推進装置が改良されている。

  • R-73M2(Izdeliye 740):
    R-73Mの改良型。
    Mk.80Mシーカーを搭載し、IRCCM?能力が強化され、シーカーアングルが左右60度に拡大された。
    また、射程は40kmに伸びている。

  • R-74:
    M2の改良型。
    IRCCM能力を強化したMK.80Mシーカーを搭載し、シーカーアングルが左右60度に拡大している。

    • R-74M(Izdeliye 750):
      R-74の改良型。
      シーカーを二波長赤外線センサを使用してロックオン距離とIRCCM能力を向上、メモリーを状況に応じて前線で再プログラム可能なMM-2000に換装し、アングルを左右75度に拡大、冷却時間を従来の70分から6時間に延長した。

    • R-74M2(Izdeliye 760):
      T-50 PAK FA向けに開発中の発展型。
      ウェポンベイに搭載するため全幅を320×320mmに縮小したほか、慣性航法装置の導入によるLOAL(発射後ロックオン)能力の付加やシーカーアングルの拡大(左右80度)、データリンクの装備などの改良が施されている。
      開発完了は2016年を予定している。

  • 9M100:
    R-73ベースの個艦防空用の短SAM。射程約15km。
    3K96「リドゥート」システムで運用される。
    アドミラル・ゴルシコフ級(22350型)(VLS×32セル1基)やステレグシュチィ級(20380型)*1フリゲートに搭載。


*1 2番艦以降(20381型/20385型)に搭載(20381型では12セル、20385型では16セルのVLSを搭載)。

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