Last-modified: 2018-02-25 (日) 06:43:49 (115d)

【A-50(AWACS)】(えーごじゅう(えいわっくす))

Beriev A-50
早期警戒機Tu-126「モス」の後継機として開発されたロシアの早期警戒管制機
NATOコードは「メインステイ*1」。

Il-76輸送機をベースにした機体で、胴体上にレドームを取り付けている。
電子機器の小型化が遅れており、西側の同種機体に比べ大型で重い*2こともあってか、燃料満載状態では離陸出来ない。
空中給油プローブも一応備えられているが、扱いが難しいため、経験の多いパイロットにしか使用を認めていないという。

搭載する「シュメーリ*3レーダーシステムはロシア軍のあらゆる航空機・地上管制所・潜水艦などとデータリンク可能。
索敵距離は220km〜240km、50〜60個の目標を同時に追跡可能で、これはアメリカのE-3「セントリー」に比して劣る。

キャビン内には戦闘機指揮用の大型スクリーン1つ、地上・空中の戦闘状況をモニターする小型スクリーンが複数設置。いずれもデジタルカラーCRTディスプレイ。
軍事的な性能とは裏腹に騒音レベルが高い、休憩用ベッドが無い等、搭乗員の居住環境は良くないそうである。

現在はロシア空軍で28機(A-50M×26機とA-50U×2機)が使用されている。
実戦では余り知られてないが、湾岸戦争中、当時ソ連空軍所属だった本機が黒海やカスピ海周辺に展開し、24時間体制でイラク周辺の上空を監視し続けていたという。
イラク軍も少数ながら本機*4を実戦に使用した模様だが、1機が破壊され2機がイランに亡命した。
そのイランは、現在でも亡命した2機を使用しているという。

本機の後継としてIl-76MD-90AをベースにしたA-100が開発中である。

スペックデータ

乗員16人(操縦士5名+ミッションクルー11名)
全長49.59m
全高14.76m
全幅50.50m
主翼面積300
機体重量
(自重/全備)
105,000kg/195,000kg
最大離陸重量190,000kg
飛行速度700km/h(巡航)
エンジンソロビヨフ設計局*5D-30KU?ターボファン×4基
推力117.68kN
実用上昇限度12,000m
航続距離3,940nm
最大探知距離119nm
方位角0〜360°
飛行時間9.3時間(給油なし最大)
4時間(1,000kmの距離でのパトロール、給油なし)
7時間(1,000kmの距離でのパトロール、給油1回)
周波数範囲0.5〜18GHz(ELINT
50〜500MHz(SIGINT


派生型

  • A-50"メインステイA":
    初期生産型。

  • A-50M:
    エンジンをPS-90に換装し、搭載機器をデジタル化、新たな航法装置や改良型の「シュメーリM」レーダーを搭載した発展型。
    計画中止。

  • A-50M"メインステイB":
    改良型。
    機首左側に位置する航空士用の部屋と窓を排除し、旧貨物室の機尾側面に1組の半滴状誘電体カバーを設置した。
    また、機体後尾にチャフフレアディスペンサーを追加して改良されたレーダーや通信機材を搭載した。

  • A-50U:
    M型の搭載機器をデジタル化した型。
    レーダーを「シュメーリM」に換装したほか、コンピュータを換装しデータ処理能力や目標の発見・追跡能力を向上させた。
    アビオニクスの近代化により重量、消費電力、容積が低減され最大離陸重量が増加、信頼性も向上したほか、問題であった居住性の改善(乗務員の休憩所、トイレ、調理室の設備のアップデート等)も行われた。

  • A-50E(A-50Eh):
    インド向け輸出型。
    装備品はダウングレードされている。

  • A-50Ah:
    アメリカの圧力によってキャンセルされたA-50Iの代替として中国に提案したダウングレード型。
    計画のみ。

  • A-50I:
    中国向け輸出型。
    エルタ・システムズ製EL/M-2075 アクティブフェイズドアレイレーダーを3面三角形上に配置し、非回転式とした。
    また、ベントラルフィンが追加されている。
    アメリカの外交圧力によりキャンセル。

    • 空警2000?NATOコード:メインリング):
      I型をレーダーと電子装備を除いた機体部分を中国が引き取って自主開発した機体。
      詳しくは項を参照。
  • A-50EI:
    イスラエルのIAIがインドと共同開発した型。
    基本的にはA-50Iと同じだが、エンジンをソロヴィヨフ PS-90A-76(推力:142kN)に換装している。
    2016年に予算が認められた2機はアップグレードされたセンサーが含まれており、よりシームレスに作業することが可能である。


*1 Mainstay:大黒柱の意。
*2 E-3の1.5倍の重量がある。
*3 Шмель:ロシア語でマルハナバチの意。
*4 本機とは別タイプのIL-76改良型早期警戒機の説もあり。
*5 現:アビアドビゲーテル。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS