Last-modified: 2016-09-10 (土) 11:48:06 (226d)

【A-50】(えーごじゅう)

  1. Beriev A-50
    早期警戒機Tu-126「モス」の後継機として開発されたロシアの早期警戒管制機
    NATOコードは「メインステイ*1」。

    Il-76輸送機をベースにした機体で、胴体上にロートドームを取り付けている。
    電子機器の小型化が遅れており、西側の同種機体に比べ大型で重い*2こともあってか、燃料満載状態では離陸出来ない。
    空中給油プローブも一応備えられているが、扱いが難しいため、経験の多いパイロットにしか使用を認めていないという。
    当機に搭載されている「シュメーリ*3」レーダー・コンプレックスの索敵能力はアメリカ軍E-3「セントリー」と比べると、レーダーでの索敵距離が220km〜240km、複数目標の追跡能力は50〜60個と劣っているが、逆に地上の物体と目標との識別と低空飛行している航空機の識別能力は高いと言われる。
    データの送受信は航空機や地上の管制所・潜水艦等あらゆるものと可能である。

    キャビン内には戦闘機を管制する大型スクリーンが1つ、地上・空中の戦闘状況をモニターする小型スクリーンが複数設置されおり、いずれもデジタル化されたカラーCRTディスプレイである。
    しかし、軍事的な性能とは裏腹に騒音レベルが高い、休憩用ベッドが無い等、搭乗員の居住環境は良くないそうである。

    現在はロシア空軍で28機(A-50M×26機とA-50U×2機)が使用されている。
    実戦では余り知られてないが、湾岸戦争中、当時ソ連空軍所属だった本機が黒海やカスピ海周辺に展開し、24時間体制でイラク周辺の上空を監視し続けていたという。
    イラク軍も少数ながら本機*4を実戦に使用した模様だが、1機が破壊され2機がイランに亡命した。
    そのイランは、現在でも亡命した2機を使用しているという。

    スペックデータ
    乗員3〜4名+操作員10名程度
    全長46.59m
    全高14.76m
    全幅50.50m
    主翼面積300.0
    機体重量
    (自重/全備)
    105,000kg/195,000kg
    最大離陸重量190,000kg
    飛行速度700km/h(巡航)
    エンジンソロビヨフ設計局*5D-30KP?ターボファン×4基
    推力117.6kN
    実用上昇限度13,000m
    航続距離3,940nm
    最大探知距離119nm
    方位角0〜360°

    【派生型】
    • A-50:
      初期生産型。

    • A-50M:
      改良型の「シュメーリM」レーダーを搭載した発展型。
      最大離陸重量と航続時間が増加している。

    • A-50U:
      M型の搭載機器をデジタル化した型。
      レーダーは「シュメーリ2」を搭載したほか、コンピュータを換装しデータ処理能力や目標の発見・追跡能力を向上させた。
      また、居住性の改善(乗務員の休憩所やトイレ、調理室の設備のアップデート等)も行われている。

    • A-50E:
      インド向け輸出型。
      装備品はダウングレードされている。

    • A-50EI:
      イスラエルのIAIがインドと共同開発した型。
      エンジンをソロヴィヨフ PS-90A-76(推力:142kN)に換装し、最新型でAESA方式のEL/W-2090 AEW&Cレーダーを搭載している。
      非回転式アンテナと追加されたベントラルフィンが特徴。

    • A-50I:
      イスラエル製EL/M-2075 AEW&Cレーダーを搭載した中国向け輸出型。
      アメリカの外交圧力によりキャンセル。

      • 空警2000?
        I型をレーダーと電子装備を除いた機体部分を中国が引き取って自主開発した機体。
        詳しくは項を参照。

    • アドナン1/アドナン2:
      イラク向けにIl-76MDをもとに開発された機体。「バグダード1」とも呼ばれる。
      トムソンCSFタイガーG(Thompson-CSF Tiger G)レーダーを搭載。
      アドナン2はアドナン1の派生型で戦闘機の管制と誘導を行う機体として設計された。「バグダード2」とも呼ばれる。

  2. KAI/Lockheed Martin A-50(F/A-50) "Golden Eagle"
    大韓民国の航空機メーカー「韓国航空宇宙工業(KAI)」と米国ロッキード・マーチン社が共同開発した攻撃機
    T/A-50やF/A-50とも呼ばれる。
    A-37?F-5の後継として開発したT-50練習機をベースに開発された。

    「世界の軍用機市場に進出する」ための国策事業として1997年に開発プロジェクトが開始され、2003年から量産がスタートした。
    分担比率はKAIが44%、ロッキード・マーチン社が55%、その他1%となっており、KAIが固めた基本仕様をもととして、全ての電子機器、ソフトウェアと主翼の開発をロッキード・マーチンが担当した。
    本機は「F-16に匹敵する能力を安価で得られる機体」として、主に発展途上国向けに200〜300機の輸出が予定されている。

    スペックデータ
    乗員2名
    全長13.14m
    全高4.94m
    全幅9.45m
    重量6,441kg
    最大離陸重量12t
    最高速度Mach1.5
    エンジンGE F404-GE-102?ターボファン×1基
    推力17,700lbs
    実用上昇高度14,630m
    航続距離2500km
    固定武装M61A1 20mmバルカン砲×1門
    兵装AIM-9Xパイソン5AGM-65G、各種爆弾(JDAM、Spice1000)
    等2,725kgまでの兵装を搭載可能。


*1 Mainstay:大黒柱の意。
*2 E-3の1.5倍の重量がある。
*3 Шмель:ロシア語でマルハナバチの意。
*4 本機とは別タイプのIL-76改良型早期警戒機の説もあり。
*5 現:アビアドビゲーテル。

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